カノジョ(仮)20
人類が人型兵器で戦争をするようになって半世紀。
地球合同軍の秘密兵器Xシステムを搭載した新型機スコルピオンXで多大な戦果をあげ、敵味方問わず「鬼、悪魔、人でなし」と恐れられた名パイロット、ナナミ君。
戦後、異例の昇進で少尉になった彼。たまに合同軍のPR係としてイベントに呼ばれたりしている。
ナナミの公私ともにパートナーのミナミちゃんは、軍務の一環としてグラビアアイドルとして写真集や意外にうまい歌のCDを出していた。
今週もミナミちゃんの土曜日夕方5時半からのラジオのレギュラー番組がはじまった・・・
「こんな番組やってたの!」
ナナミは知らなかったというか、知らされていなかった。
ミナミの割とよく通る声が、
「人気コーナー【ナナミーを見た!】。最近このコーナー、一般リスナーのネタコーナー(トルコの首都アンカラでナナミーを見ました。風呂に入りに行くところだそうです)からあたしの乗ってる艦カーマストラーのクルーのチクリコーナーになってる感じ。では、
ラジオネーム『月経のワルキューレ』さん。
初めてメールしまーす。先週番組で、ナナミ―少尉がブリッジ出禁になりそうというのがありましたが、あたしらブリッジ女子(ブリッジ要員の女性クルー4人組)で副長のオバンに強く申し入れたところ、撤回の方向になりそうです。よかったね、ナナミ―!また用が無いのにブリッジに来て女子の胸とか見れるね。ちなみに一番ナナミ―が見に来るのは、あたしのFカップでーす。
あら!そんなことになりそうなの。逆に副長がんばれ‼
ブリッジのナナミ―の追っかけの子で、Fカップって誰だ?(キルパトちゃんことアナベル・キルパトリック)」
「さて、今週もお別れの時間になりました。ラジオってエンディング曲が流れるとちょっとさびしい気持ちになるのはなぜ?」
(おわり)