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悪役令嬢、悪になる〜真紅の薔薇よ、咲き誇れ〜  作者: 犬型大
第二章

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妻と息子が仲良くなっているような2

「うちの子はどんなことを想像したのかしら?」


「お、お母様ぁ!」


 回帰前に見たことがあるカールソンは凛々しい顔はしていたがニコリとも笑わない堅物な男性であった。

 己を鍛えることや闘いにしか興味がなさそうなそんな印象をアリアは持っていた。


 あくまでも大人になった時の話であり、回帰した今では違うことも重々承知であるがいつそうした性格が形成されたのか分からない。

 子供の頃からそんな堅物少年だったのかも思ったら意外と感情も豊かな子供である。


 人前では凛々しくあろうとしていて真面目な少年であるけれど母親にかかればそんな表向きの仮面など無いに等しかった。

 少しだけ羨ましさもある。


 そしてやはり思うのはカールソンが感情を表に出さない人物になったきっかけは母親であるエオソートであると。

 毒も盛られていたようであるしどこかのタイミングで暗殺やあるいは毒に耐えきれなかった可能性もある。


「……アリアお嬢様はアカデミーには?」


 流石に女の子の前でからかわれ続けては息子が可哀想。

 ギオイルが助け舟がてら話題を変える。


 今や学びの場というよりも社交の場でもあるようなアカデミーではあるが通い、卒業することは一つのステータスである。

 ギオイルとしてもカールソンがオーラを扱える以上は家でオーラを習わせたいところではあるが貴族の慣習というものや今後の付き合いがある。


 アカデミー出身というだけでもグループが形成されることもあるために軽んじることができないのである。

 オーラが扱えなくても才能のある子はいるのでそうした子と競い合うことは必ずしも悪いことでもない。


 基本的なことは家に家庭教師を呼んでも事足りる。

 アリアには少し特殊な事情もあるしアカデミーに行くかどうかは微妙なラインである。


「私個人としてはアカデミーに行きたいと思っておりますわ」


 どうと聞かれてもこればかりは保護者であるゴラックによるところが大きい。

 アカデミーに通うことはいいことなのでアリアがお願いして断られる可能性なんてほとんどないだろうけど確定事項ではない。


「もう少しお友達が欲しいと思っておりまして、アカデミーに通えばそうした人とも出会えると期待しています」


 別に友達は欲しくない。

 強いていうなら使えそうな下僕が欲しい。


 ただアリアの目的は他にもある。

 近づいておきたい人や潰しておきたい人がいるのだ。


 メインは潰しておきたい人の方。


「アカデミーに入るならここ何年かは当たりの年といえるな。


 カールソンは第二王子と同い年でアカデミーに入ったし、来年は第三王子もアカデミーに入るというではないか」


「そうなんですか」


「王子ともなれば小さい頃から相手が決まっていることもあるが王の意向でまだ相手が決まっていない。


 もしかしたらアリアお嬢様も……なんだ?」


「あなた?


 もしかしてアリアを王子の相手になんて勧めているのですか?」


 エオソートがフォークをステーキにブッ刺して威圧感のある笑顔を浮かべている。

 なぜ怒っているのかギオイルはわかっていない。


 その上いつのまにかアリアのことを呼び捨てにしている。

 さらにはなぜかカールソンも少しシュンとしている。


「……お堅い家族かと思ったけど意外とにぎやかだね?」


「そうですわね。


 ちょっと……いや、かなり予想外でしたわ」


 不器用な男2人を上手く転がして明るくしているのはエオソートだ。

 お高くとまったビスソラダとは大違い。


 ギオイルが生涯愛し続けた理由が分かるというものである。


「カールソン、見習いなさい。


 あれがダメな男の典型よ」


「なっ……!」


「はい、お母様。


 私はもっと上手く空気を読めるようになりたいです」


 もう一度失敗している。

 だから今度は失敗しない。


 どこか性格的にも父親に似てしまったカールソンを見てエオソートは小さくため息をついた。

 一途に人を愛しそうなところはいいのだけど女心にとんと疎い。


 遊び人のような男にならなかったのでそれはいいのだけど不器用すぎても問題なのだ。


「アリア、カールソンに女の扱いってものを教えてあげてくれないかしら?」


 女性の幼馴染ぐらい用意してやればよかった。

 ちょっとだけ教育方針をミスしてしまったとエオソートは思う。


「お断りいたしますわ」


 しかし今はカールソンも女性の扱いというものを学ぼうとしている。

 是非ともアリアが教えてくれればとエオソートは期待を寄せるがアリアはさらりと拒否する。


 女性の扱いを教えるなんて面倒なことしたくはない。

 口で教える理論だけならいいけれど他に女性がいない以上それに付き合わされるのはアリアになる。


 期待していたのはカールソンも同じでガックリとうなだれる。

 ギオイルは思った。


 なぜかエオソートとアリアの距離感が近い。

 カールソンも珍しくアリアには話しかけようとしているし、あまり見せないような顔をしている。


 たまたま助けられたからエオソートはアリアたちと話したいと言っていた。

 そこから女性同士仲良くなることもあるだろうけどエオソートの方がかなりアリアを気に入っている感じがしている。


 カールソンの方も会ったとしても前回のお披露目会での1回ぐらい。

 なのにチラチラとアリアのことを気にしているように見えた。


 仲良しだな、と思った。

 わずかな疎外感がありながらもこれ以上エオソートを怒らせないようにギオイルは必要以上に口を開かないことにしたのであった。

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