表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
悪役令嬢、悪になる〜真紅の薔薇よ、咲き誇れ〜  作者: 犬型大
第五章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

295/323

望まぬ再会3

 どうしてゲルダがいるのか。

 ゲルダ本人に聞くとめんどくさそうなので他の人に探りを入れてみたところ普通にスカウトとして来たらしい。


 元よりオーラユーザーであって実力者であるし今回の学園対抗戦に参加する子と年齢も近いので知らぬおじさんに誘われるよりもワンクッション置こうというのである。

 アリア、あるいは一つ年上の人たちならゲルダの学園対抗戦での活躍を見ているのでより声もかけやすい。


 どうして一人で先にアカデミーに来たのかは周りの人にも不明であるとのことだった。

 まさかエリシアにでも会いに来たのかとアリアは勘ぐっていた。


「久しぶりだな!」


「そうだな!」


「……そうですね」


 会いたくない人と聞かれて思い出しもしないけど実際会ってみると会いたくない人という人もいる。

 特に運営に関わるつもりもなければ招待客に注目したこともなかったのでアリアは知らなかったのだけど、学園対抗戦に参加したことがある人がスカウトのために招待客として学園対抗戦に来ることも珍しくないのらしい。


 なのでよく招待客を見てみると過去の学園対抗戦に参加したことがある人がチラホラといたりする。

 アリアは興味ないから知らないだけなのだ。


 ただその中でも知っている人ももちろんいる。


「俺は騎士団長補佐にもなったんだぜ!」


「俺はお前の当番の日にたまたま事件が起きたからだろ!」


「それでも解決したのは事実だしな!」


 かつてアリアのことをナンパした双子の騎士。

 キーリオとコーリオも今回の学園対抗戦を訪れていた。


 話を聞いてみると直接スカウト役として来ているというよりもスカウトである騎士団長の補佐役として来ているようだ。

 この双子も忘れてくれればよかったのにしっかりとアリアのことを覚えていた。


 ゲルダの時と同様に声をかけてきたものだから知り合いの方がいいだろうとアリアがまたしても任されてしまった。

 他の騎士の人もいるので手を掴まれることはないと思うが、アリアがつれない態度をとってもキーリオとコーリオはめげずに声をかけてくる。


 それはいいのだけど騎士団長補佐になったのがキーリオとコーリオどちらなのかアリアには分かっていない。


「二人ともやめるんだ。迷惑がっているだろ」


 アリアが明らかに面倒そうな顔をしているのでキーリオとコーリオの上司に当たる騎士団長が止めてくれる。


「団長、アリアを誘いませんか?」


「彼女ならうちでもやっていけますよ」


「バカを言うな。あ、いや、君がダメとかいう話ではなくうちの騎士団は代々男しか入ってこなかったんだ。だから女性がダメ……というわけではないのだが女性が気持ちよく働ける環境でもないのだ」


「特に気にしておりませんわ」


 キーリオとコーリオに比べて騎士団長は真面目な人のようである。

 キーリオとコーリオの騎士団についても男しかいないのが古い考えとも言い切れない。


 どうしても騎士として働くのは男が多くなる。

 最近では女性騎士も増えてきているけれどその数はやはり少ない。


 これまで男環境だった騎士団に女性が入るのは変化を生むのかもしれない。

 けれど女性側が満足に働けるような環境作りは難しく、そういったところから女性騎士を取らないというところもある。


 一方で女性騎士も積極的に受け入れるために環境改善をしているところもある。

 エルダンなんかその筆頭とも言っていい。


 女性が難しいとは言わない。

 けれどこれまで男ばかりでやってきたところを変えていくのは大変なことは理解している。


 だから女性をあまり騎士として登用するつもりはないと言われても何とも思わない。

 そもそも誘われたところでいくつもりなど毛頭ない。


「こちらにお泊りください」


「案内ありがとう」


「それでは失礼します」


 ひとまずキーリオとコーリオたちを泊まるところまで案内できた。

 アリアは頭を下げるとそそくさとその場を後にした。


「やっぱ良い女になったよなぁ……」


「な、もっと良い女になるぜ」


「お前ら……ナンパしに来たんじゃないぞ」


「これもある意味スカウトでしょう」


「そうだな! もしかしたら俺のお嫁さんになるかも……」


「馬鹿者! 遊びに来ているのではないのだぞ!」


 二人とも才能はあるのだけど女性関係に関しては時々馬鹿みたいになる。

 キーリオとコーリオを叱責して騎士団長は深いため息をついた。


 ただ自分もまだ独身の身なんだよなと騎士団長は一人で沈み込んでいたのであった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ