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次の狙い

 暗殺の対象だった、あるいはもう暗殺された疑いがある貴族の調査が進み、色々なところで騒ぎが起きていた。

 通常の死だと思われていた人も暗殺だった可能性もある。


 暗殺された人の代わりにその立場に入った人だったり混乱に乗じた人事などが見直されることになってケルフィリア教疑いが大量に発生していた。

 こうなっては逆に全てのケルフィリア教を排斥したエルダン家は騒ぎから平穏を保っていられた。


 メリンダによるとケルフィリア教も騒がしく動いていた。

 見つかる人も多く対策に追われているらしい。


「思っていたよりも影響が出てきてしまいましたね」


 アリアはほくそ笑むように笑いながら紅茶に口を付けた。

 このような影響を想定したものではなかったけれどもアリアたちにとっては好都合な影響であった。


「ドクマの方も口を割ればもっといろいろ聞けるのだろうけれどね」


 ドクマはエルダン家にとらわれて国の方に引き渡された。

 尋問を受けているらしいのであるが未だに口を割っていない。


 暗殺についてはソーダーンの方で判明したけれど現在のケルフィリア教についてはドクマの方が知っているはずなのだ。


「ともかくうまくいった。

 よくやったね」


 ヘカトケイも単純に支部を潰して回るだけでは得られない効果があって驚いた。

 

「ともかくこれでこちらにかまっている暇はなさそうだね」


 メリンダは心配なこともあった。

 復讐である。


 ヘカトケイやクインが関わってることは多くの人に見られてしまった。

 さらにそこからアリアが関わっていることもばれてしまったときにケルフィリア教からの復讐があるかもしれないと考えていた。


 エルダン家に入るのは簡単ではないが狂信的なケルフィリア教徒が凄惨な事件を起こした例はあるのである。

 身の安全も顧みない突撃もあり得るのだ。


 しかしケルフィリア教の中でも混乱が大きくアリアたちの方に注目してはいなさそうであった。

 

「これからのことも考えるとこのまましばらくおとなしくしているのがいいかもしれないね」


「そうですね」


 これからのこととはアリアのことである。

 アリアはこれからアカデミーに入ることになる。


 そうなったときに危険なことも予想されていたのだけれどこうして混乱しているならアリアが危険にさらされることも少ないだろう。

 今の間に目立たぬようにしていればおそらくケルフィリア教から目もつけられない。


「ですがこれで終わったとは思っていませんわ」


 ここでそのまま大人しくしているだけのアリアではない。

 注目がそれたことで動きやすくなったとアリアは考えた。


 エルダン家は少なくともしばらくは安心である。


「アカデミーにもケルフィリア教は潜んでいます」


 まだまだケルフィリア教を滅ぼすには足りない。


「……アカデミーには私たちはいないんだよ?」


「分かっていますわ。

 ですが何も知らない子供にケルフィリア教が手を伸ばしているのを黙って見てはいられませんもの」


 狙いはアカデミー。

 ケルフィリア教は自分たちが狙われていることをまだ知らない。

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