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悪役令嬢、悪になる〜真紅の薔薇よ、咲き誇れ〜  作者: 犬型大
第二章

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これで王族ともお友達2

 昔から王族としての教育を受けてきたならともかく今から色々覚えてとなるとどうしても周りの目も厳しくなる。

 アリアもそのことは身に染みて分かっている。


「それにたった一度家を訪ねるだけでそんなことになるなんて思えませんわ」


 今回の訪問だって義務的なものだろうとアリアは考えている。

 思っていたよりも事態が大事になってしまったので体面上の問題として直接謝礼をする場を設けただけにすぎない。


 道端でありがとうだけでは王族としての品格に関わるから。


「ふっふっ、相変わらずだね?


 でも今回の王族は顔もいいんだよ?


 父親である現国王も昔は騒がれるほどに美麗な顔をしているがその息子たちも度々話に上る顔の持ち主だ」


 知っている。

 アリアは遠い目をして紅茶の水面を見つめた。


 第一王子は儚げ。

 第二王子は凛々しさ。

 第三王子は気高さ。


 などと言われていた。

 どの人も顔は良かった。


 さらには第二王子と第三王子はオーラユーザーでもあった。

 顔、家柄、力まで完璧で誰もが憧れる相手であった。


 ただ相手があまりにも完璧だとその相手にも求められるものも高く、向けられる嫉妬はまるで人の心でもないかのように冷たい。

 憧れるのは勝手だけど相応の覚悟が必要なのである。


「まあお礼をしたいということで悪いことじゃない。


 時間もないのだから丁寧にもてなして差し上げれば苦情はないだろう」


 口では冷静だが1番落ち着いていないのはゴラックだ。

 飲みもしないのにカップをいじったり砂糖を入れようとしてやめたりと行動に緊張が漏れ出てしまっている。

 そんな時に執事長が部屋に入ってきた。


 事前に訪問を伝える使者が来た。

 ということはもうすぐノラたちが訪れるということである。


 ゴラックは最後の確認のために部屋を出て行く。


「……ただ第三王子はアリだと思うよ」


「またその話……」


「いいや、そういうことじゃなくてだよ」


「ではどういうことですの?」


「国の未来さ。


 第一王子はケルフィリア教じゃないが病弱……王位を継承出来るか怪しいものだ。


 第二王子は今のところクリーンだけど非常に野心が強い。

 ケルフィリア教に狙われやすいかもしれないね。


 第三王子はまだ若すぎてどうとも言いにくいけどクリーンなことは間違いないよ。

 第一王子に何かがあれば対抗できるのは第三王子だし今のうちに縁を持っておいても損はないかもしれないね」


 アリアの結婚相手としてではなくケルフィリア教に対抗するためという視点で考える。

 メリンダの意見はあながち間違いでもないとアリアは知っている。


 第二王子のエランはケルフィリア教に取り込まれた。

 完全にケルフィリア教になったのか、それともただの操り人形だったのかは知らないけれど信用できない男であることは確実。


 対して第三王子のノラは神様の話の中では最後にはケルフィリア教を打ち果たしたと聞いた。

 今回も同じようにいくかは不明であるがそうなる可能性が高いことは言うまでもない。


 聖印騎士団としても王族がケルフィリア教に対抗するための味方になってくれたら心強い。

 味方とまで言えなくてもケルフィリア教の魔の手が伸びていないか確認出来る距離に人がいてくれればそれだけでも変わってくるというものである。


 アリアが望まないなら強制はしないけれど王族と顔見知りで悪いことなんてないだろうとは思うのだ。

 

「お礼しにくるだけで王族とお友達とは流石にまいりませんわ」


「……まあ、そうかもね」


 口ではそう言うけどなんせ相手はアリアだ。

 何をするのか分からない。


 たとえ王族といえど、という期待を持ってしまう。


「不敬にならないようにだけ気をつけますわ」


 ーーーーー


 ノラたちがエルダン家に到着した。

 普段は訓練ばかりの騎士たちも綺麗に磨いた鎧を身につけて並び、王族の訪問を出迎える。


「この度は急な訪問を受け入れていただきありがとうございます」


 フードを被ると情けない少年になるのだろうかとアリアは思っていた。

 着飾ったノラは堂々と挨拶を述べている。


 オドオドとした名も知れぬ迷子だった時とは大違いである。

 エルダン家がにわかに騒がしく何があるのだろうと気になって見に来ていた見物人はまさか王族が訪問してくるなど思わず驚いていた。


 一通り挨拶を述べるとその後はマーメッサが話を引き取る。

 全てを自分1人で行うにはノラも幼すぎる。


 ゴラックも先ほどまでの緊張がウソのように丁寧に対応している。

 ふとアリアはノラと目があった。


 ノラはアリアと目が合うと満面の笑みを浮かべた。

 気高さと言われて、クールな雰囲気もあった大人のノラとは違って今のノラはなんだか可愛らしかった。


 簡単な挨拶が終わってノラたちを屋敷に招く。

 さっさとお礼だけ言って帰ってくれればいいのだけどこちらとしても食事ぐらいは用意しているのですぐに帰るとはいかないだろうなと小さくため息をつく。


「今回はアリア・エルダンご令嬢にノラスティオ様がお世話になりまして……」


 通された部屋でマーメッサが訪問の目的をあらためて告げる。

 迷子になってアリアが助けた。


 その前のノラが無茶をして子供を助けようとしたことはマーメッサも聞き及んでいるけれどノラの失態でもあるのでそこは伏せてアリアに助けられたことを強調して話す。

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