表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
退廃した世界の小さな奇跡  作者: ミツバポメワーノ
1/1

序章

あの日、人類は世紀の偉業を成し遂げた。

世界大戦を2度経験し、原子力爆弾まで使用された日本も、その例外ではなかった。

アポロ11号での人類初の月面着陸。続く12号も成功を収めた。そして…………。

1970年4月11日、13時13分13秒。アポロ13号と名付けられた、その不吉なまでに「13」を並べられた機体は、従来通りの月面着陸という目的の他に、もう1つ別の目的があった。

むしろ、そっちの方が人類の真なる目的と言っても過言では無いだろう。

そう、それは「神の否定」だ。

そして、その日アポロ13号は地球を飛び立ち、何事もなく、目的を達成した。

その瞬間、人々は真に自由を得たと言えるだろう。

不吉な13など迷信だ。神はいなかったと、世界中が認める事実を作った。

それでも、最初の頃はほかの宗教や神職者たちは「神の否定」を否定していた。

月面の滞在中に事故が起きたのを隠蔽しているだの、帰還中に機器のトラブルがあっただのと。

しかしそれはただの推測に過ぎない。実際、搭乗していたクルーたちも「何も無かった」と証言を残している。事実、機内に設置してあった機器の映像にも何も不具合などなかったことが残っている。

あれから10数年。人々は神を捨てたのだった。

神という概念が消え、あらゆる宗教は消え去った。あったとしても、細々と少ない信者から甘い蜜を搾取する悪いやつか、本当に頭のおかしい奴か。そんな宗教とすらも呼べないような変な団体しか残っていない。

だが、奇跡は確かに存在する。悪者は自らを悪者と名乗らない。同じく。神は自らを神と名乗らない。

これから紡ぐ物語はそんな少女と出会った人々のなんでもない些細な奇跡のお話だ

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ