焔の鹿
その後、適当にすごして7時からインした。
朝よりも少しだけ発展していた。
家が綺麗になってる。
ゴウキさんがやってくれたのだろうか。
インしているのは……、ミキとクオン、そしてゴウキさんか。
その直後、戦闘音が聞こえた。
若干草が燃えるような匂いもしている。
すぐさま俺は戦闘音に向かってっ走り出す。
【ねずみ花火】
先に偵察用を先行させながら、全速力で走りだす。
戦っていたのはミキとクオンだった。
【鬼哭】
さっきから聞こえた音はこれか……。
「加勢しますか?」
「頼む。レベルは?」
「15!!」
「同じか……。ポジションは?」
「後衛です。」
焔鹿の攻撃をぎりぎりで避けながら戦術を組み立てる。
「【牡丹】5連発」
焔鹿はスピード型の魔物なので、【菊】では相性が悪い。
一つ外れたが他は当たった。
「やるじゃないか。」
「そちらもすごいですね……。」
「そうだろ。」
クオンさんは鹿の攻撃を丁寧に弾きながらしゃべっている。あまり危険性はない俺と違い、前衛のはずなのだが落ち着いてしゃべっている。
「パリィですか。」
「そうだ。それと敬語はやめてくれ。年もそこまで違わないだろ。」
「分かった。ミキもそれで言い。」
「勿論だ。しかし、早いだけでなく硬いなこの鹿は……。」
「そうだな。」
さっきから相当攻撃はくらわしているんだけどな。
「埒が明かん。次の攻撃が来た後にすべてを叩き込む。」
「「了解」」
鹿の角が燃え上る。攻撃の合図だ。
鹿は高く天に駆け上がり俺らを潰そうと落ちてくる。
落ちてきた瞬間、同時に駆け寄った。
「【鬼斬】6連。」
「【猪鹿蝶】全賭け。」
「【菊】15連発。」
俺らのエネルギーが一か所に集中し、鹿の体を貫いた。
『確認しました。周辺ボス焔鹿が討伐されました。』
アナウンスが流れると共に焔鹿の体が塵となり崩れ落ちる。
「ヤバい。これ復活しないらしい。ドロップ品どうする?」
「もの次第だと思うぞ?敵は殺したもの勝ちだったから俺らが責められる道理もない。要らないのならば誰かにあげればいいんじゃないか?」
「そうだな。」
ミキが聞いてきたので答えた。いないのが悪い、そういうことにしておこう。
ドロップは……
【炎鹿角】
角から炎を出せるのか……。柄として利用できるかもな……。
「ミキは何が出た?」
「カードだよ。【炎鹿】で僕の職業【賭博師】の武器の一つだ。」
「凄いな。当たりじゃないか。」
「そうだね。クオンはどうだい?」
「皮だ。炎に対して耐性がつくらしい。」
「装備とかに使えそうか……。」
「ああ」
「とりあえず帰るか。ゴウキさんが発展の方は進めててくれるって言ってたし、どんなののか気になるからな」
《確認しました。村のレベルが上がりました。》
そんなことを話していたらちょうどアナウンスが響いた。
「お、さっそく見に行くか……。」
村に着くと最初のころとは違った家があった。
「これは?」
「村長の家だ。村人は元からいただろその人たちの家を最初に作るのがクエストの任務だったのさ。」
ゴウキさんが教えてくれた。
「凄いですね。」
「おう、すぐにプレイヤ…開拓者の拠点も作るぞ。」
「……ありがとうございます。」
《開拓者の皆様。『ファントム・ガイア』をお楽しみいただけてるようで何よりです。本日最初の記念んアップデートが開始されますので楽しみにしてください。ログアウトする必要はないです。》
突如アナウンスが響きわたった。
「おー、なんだろうね」
「何だろうなぁ~」
アップデート、しかもログアウトしなくても良いのか……。
「じゃぁ。アップデート前にレベルをどれだけ上げれるか競争をしないかい?」
「いいねぇ」
「いいな」
順番にミキ、クオン、俺が言った。
「良し、じゃあ始めようか……。」
全員レベルは17、条件は公平である。
戦いの火ぶたは切られた。
【牡丹】
足元を爆発させて加速する。
「な!?」
「は!?」
後ろの二人が驚いているが無視だ。
目標地区に真っ先にたどり着くと魔物の集団が見えた。
「【牡丹】2連。」
連続で足元を爆発させて俺は空を飛んだ。
「【牡丹】19連」
地上に紅蓮の火花が散る。
これが後に伝説になった攻撃。絨毯爆撃の原型である。
《レベルアップしました。》
《レベルアップしました。》
《レベルアップしました。》
《レベルアップしました。》
アナウンスを聞きながら俺は周辺に【菊】を設置し安全を取る。
ステータス確認だ。
オトヤ 種族:獣人 lv21
HP 4100
Mp 2600
STR(筋力値):80
INT(知力値):120
DEX(器用値):110
AGI(敏捷値):150
VIT(防御値):30
MND(精神値):110
使用可能ステータスポイント 60
職業:花火師
スキル
【菊】lv1 設置持続型の技でこの技をくらうと毎秒固定ダメージを受ける。最大でSTR×100%10秒間継続。
【牡丹】lv2 単発の技 300ダメージ。
【ねずみ花火】 偵察用花火 視覚を共有することが出来る。
う~ん、スキルのレベルアップか……、先ほどまで猛威を振るっていたので嬉しくはあるのだが、あの技自分にも若干ダメージが入るので何とも言えない。
さぁ、もっと獲物を探すとしましょうか。
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