表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/90

第12話 森と山の調査・ドワーフの発見・海賊の拠点の発見

 1166日目~1201日目。

 山と森の調査・開拓が進むにつれて、いろんな情報が分かってきた。

 この地への着任以来、スライムにずっと調べてもらっていたわけだが、おかげでバスキアの周囲情報がかなり判明した。


 ・キノコや薬草は潤沢にある。食用のものは少ない。

 ・森の浅いところは、葉の硬い木が多い。もう少し森の奥に入ると、堅果類の木が見つかり、実を焼き菓子などに使える。

 ・森に棲んでいる野盗たちがいた(ほとんど併呑できた)。

 ・森に生息している魔物は、イノシシ、クマ、シカ、ウサギ、ヘビ、カエル、ハチが多かった。

 ・森の中に恐ろしく汚い沼があって、ボウフラやらがたくさん住み着いていたのでスライムに浄化させた。

 ・山からは火山岩らしきものがたくさん見つかる。

 ・山を地下掘りしていっても、たくさん懸濁液がでてくるわりに資源は乏しい。とはいえ資源を取れなくはないので、淡々と採掘を続ける価値はある。

 ・山の洞窟には、ゴブリンやらコボルトやらがよく棲息している。こちらに襲い掛かってくるような凶暴なゴブリンやコボルトについては、何度も撃退して力関係を辛抱強く教え込んでいる。


 そして何より良い知らせとして、ドワーフが生息していることが最近分かった。

 必死に探した結果、なんとドワーフの生息地を見つけることができた。


(ドワーフとはなるべく友好的な関係を築き上げたいんだよね)


 よく知られた話だが、ドワーフは手先が器用で、工芸に長けているとされている。

 もし彼らにうちの住民になってもらえたら、工芸を一気に発展させることができるのではないか、とそんな下心が俺の中にある。

 まだ訪問とあいさつを行った程度の間柄でしかないのだが、今後も仲良くなれるよう頑張りたいものである。




 1202日目~1243日目。

 小バスキアの街の名産品づくりに四苦八苦する。

 さすがに石造りの調度品だけでは、他の領地から金を稼いでくる力は弱い。

 元手が全然かかっていないので十分に高利益を叩き出すうちの名産品の一つではあったし、ずっとバスキア領のブランド品として大々的に売り出しているので貴族社会への知名度も徐々に高まりつつある様子ではあるのだが、それでも今のままだと石造りの調度品一本になってしまう。

 何か他の商材も作り出したいところである。


 ということでいろいろ手を出しているのだが、あんまりうまくいってなかった。

 発酵食品で何かいいの作るか、と漬物やら干物やらやってみるも、あまり美味しくはなかった。

 料理に力を入れるか、と思っていろいろ魔物を使ったジビエを考案してみるも、獣くさすぎてあんまり一般受けはしなさそうであった。


(だからこそ工芸品に力を入れたいんだけど、果たしてあのドワーフたち、俺の提案を受け入れてくれるかなあ……)




 1244日目~1281日目。

 海の調査の結果、海賊の拠点が分かった。

 というより、バスキア領に結構複数の海賊が住み着いていることが判明してしまった。


(王国もあきらめて、私掠船としての活動を許可しちゃっているもんな……)


 王国の西部が今一つ栄えていない理由。

 それは強力な海賊が住み着いているから。

 大陸西の海を大回りする航海路を使うことができれば、他国との貿易も一気に開ける可能性があるというのに、王国はずっと陸路の交易と、飛行艇を使った空路の交易しかできていない。


 ヴァイツェン私掠船団。

 メルツェン海賊団。


 はっきり言って、他の国さえも手をこまねいているほどの大海賊がなんと二つも。

 その二つの海賊団が結託しているのだから質が悪い。

 そして、そのどちらもがバスキア領に拠点をおいているというのが恐ろしい話だ。

 王国の西部で、領主による支配が全然行き届いていない場所となると、まあ確かに一番条件がいいのはバスキア領になるのだが。


「どうするか、野盗の時と同じように、うちの傘下に下る気はないか交渉してみるかね……」


 我ながら、命知らずなことを思いついてしまったものだが、案外ありかもしれない。

 大砲による砲撃をスライムが受け止めきれるかどうか、という博打になってしまうが、それさえ受け切れてしまえば武力で勝てそうでもある。


「……いいや、さすがにやりすぎか。スライムに影武者を作ってもらって、影武者を講和の使者として送り込む、というほうがまだ現実的か」


 海賊の討伐に手を付けるのは、まだしばらく保留である。しばらくは手紙を送り付けるだけだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
読者の皆様の暖かいご支援が筆者のモチベーションとなっております。皆様に心より厚くお礼申し上げます。
勝手にランキング:気が向いたときにクリックお願いします

▼別作品▼
鑑定スキルで人の適性を見抜いて育てる、ヒューマンドラマ
数理科学の知識を活用(悪用?)して、魔術界にドタバタ革命を起こす、SF&迷宮探索&学園もの
金貨5000兆枚でぶん殴る、内政(脳筋)なゲーム世界のやり直し物語
誰も憧れない【器用の英雄】が、器用さで立ち回る冒険物語
付与術師がレベル下げの抜け道に気付いて、外れスキル大量獲得!? 王道なろう系冒険物語
房中術で女をとりこにする、ちょっとあれな冒険物語

作者のtwitterは、こちら
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ