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第87話:付与魔法使いは進捗を確認する

 ◇


 ナルドたちと別れた後。


「ママたちどこ~?」


 シルフィは、精霊界から出てくるなりきょろきょろとセリアとユキナを探し始めた。


「今探すよ」


 『周辺探知』。


 俺は王都全域に薄く魔力を広げ、セリアとユキナの影を探る。


「見つけた」


 特に待ち合わせ場所など決めずに別れたのは、『周辺探知』によりすぐに見つけられるからだ。


 どうやら、二人は商業地区の建物の中にいるらしい。


 シルフィを連れて、速足で目的地を目指す。


「ここだな」


 店の看板には『奴隷 売ります、買います』と書かれている。


 どうやら、ここは奴隷商が経営する店舗らしい。


 俺が扉に手を伸ばしたところ、急に向こう側から開いた。


「あっ、アルス! それとシルフィちゃん!」


「思ったより早かったのね」


 ちょうどセリアとユキナの二人が出てきたタイミングだったようだ。


「まあな。辞退に関しては上手くいった。そっちは?」


「ん~、ボチボチってところね」


 ユキナが、俺がいない間の成果を報告してくれた。


「まず、王都の奴隷商を周ってマリアの痕跡を探したわ」


 なるほど。


 確かに奴隷は個人間で取引することはあまりなく、売買には奴隷商を挟むことが多い。


 良いアプローチだ。


「ちょうどこの店にマリアがいたことがわかったわ」


「本当か⁉」


「でも、一足遅かったみたいです……」


 しょんぼりとした声でセリアが答えた。


「誰が買ったかは分かったのか?」


「いえ、それが……客の情報は話せないって」


「……そうか、仕方ないな」


 奴隷は、資産とされている。


 家や土地と同じような扱いのため、基本的に商人は顧客の情報を他人に話さない。


「こうなったら、賄賂で聞き出せないか試してみるか」


 ただし、タダでは顧客情報の話さない商人の中にも、お金を渡せば秘匿している情報を教えてくれる者もいる。


 どんな人物がマリアを買い取ったのかわからない以上は、一刻を争う。


 綺麗な方法に拘っている場合ではない。


 二人が出てきた店に入ろうとしたその時だった。


「むむっ! もしかして、アルスか?」


「ん?」


 聞き覚えのある声が聞こえた。


 後ろを振り返り、声の主を確認する。


 そこには、モジャモジャ頭のおっさんが立っていた。


 風貌は変わっているが俺は、このおっさんに見覚えがある。


 確か――


「えっ、クリスさん?」

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