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第181話:付与魔法使いは祝勝会に参加する

 エルフの里への帰還後。午後三時頃。


 一人の犠牲も出すことなく難を乗り越えたということで、盛大な祝勝会が開かれた。俺たちはお祭りの主役として喝采を浴びることとなった。


「里を守ってくれてありがとう!」


「ジュピラが手も足も出ねえ魔物だったんだってな? 感謝してもしきれねえよ」


「あんたらがいなきゃ、何人死んだか……。今頃涙を飲んでたぜ……」


 里に来たばかりの時に感じた奇異の視線は完全に消え、『仲間』として扱われるようになったように感じる。改めて犠牲者ゼロを目指して良かったと感じた瞬間だった。


 色取り取りの美味しそうな料理と大量の酒が振る舞われ、すぐに騒がしくも活況な場に。


 ちなみに、俺は酒を飲めない体質なので料理だけをひたすら食べていた。


 そんな折。


「アルシュ! 呑んでますかぁ⁉︎」


「わっ、シェリア! 何勝手に呑ませようとしてるの! アルシュは私のお酒を飲むのお!」


「ふぁ⁉︎ 初関節キッスは渡しませんからねっ!」


 ベロベロのセリアとユキナが絡んできた。お酒の席を共にするのはそういえば初めてだったな。にしてもこいつら、思っていたよりかなり酒癖が悪そうだ。


 バッ!


 勢いよくグラスを突き出してくるセリア。


「さっきも言ったが、俺は酒がどうもダメみたいでな。飲むと頭が痛くなるんだ。気持ちだけ受け取っておくよ。悪いな」


「ふふっ、体よく断られたのよ。アルシュは私の初関節キッスが欲しいの」


「へっ⁉︎ 私のお酒を飲みたくないんですか⁉︎」


 ……ダメだ、話が通じなさすぎる。


 っていうか、関節キッスってどういうことだ? 関節なら別にキスではないだろう。男同士で同じグラスを回し飲みしたらキスしたことになるのか? いや、ならないだろう。


 まあ、そんなことはともかく。


「……俺も、飲みたいのはやまやまなんだが、美味しく飲めない俺が飲んだところでせっかくの酒が勿体無い。それに、二人にも申し訳ないしな」


 繰り返し説明するしかない。


「ぐすっ。アルシュはそこまで考えていたのですね……!」


「アルシュはやっぱり優しいのね。うっ、感動で涙が……」


 なぜか急に涙ぐむ二人。


 なんだかよくわからないが、納得してくれたようで良かった。


 そんなこんなで浮かれた楽しい時間は過ぎていき、祝勝会はお開きになった。自然と二次会が始まっており、夜通し騒ぐ人たちも多そうだが、俺たちはこの辺でお暇するよしよう。

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