第178話:付与魔法使いは一瞬で片付ける
そう言って、俺は降り注ぐ攻撃を次々と剣で受け止めた。
キンッ! キンッ! キンッ! キンッ!
なかなかのパワーが伝わってきて、一撃ごとに手が痺れる。普通の剣なら折れてしまいそうだが、さすがは特大精霊石を用いて名工ガイルが拵えた剣。ビクともしない。
とはいえ、状況は防戦一方。一人なら攻撃を受け止めるだけじゃなく、攻撃を仕掛けていく必要がある。だが、俺たちはパーティなのだ。俺が一人で全てをこなす必要はない。
「ようやく修業の成果が出せるわ」
ユキナが使う魔法は、『灼熱の業火』。超高温の火球を投げつけ、対象に衝突した瞬間に大爆発を起こす魔法。ユキナは大抵の魔法を既に修得していたが、俺が伝授した連結魔法を使った応用には少し苦労していた。
王都で過ごした十日の間に磨いた技術を試す良い機会だ。
突き出した右手の先に大きな火球が現れ、ジャイアント・ウルフを目掛けて飛んでいく。
ドオオオオオオオオンンンンッッ‼︎
耳を擘く轟音。ビリビリと地面が揺れるほどの衝撃波。エリアボス級の魔物とはいえ、これほどの威力をまともに喰らって平気ではいられないはずだ。
そして、爆風によりちょうど宙に浮いたところをセリアがジャンプで追いかける。魔物が避けられないタイミングで首を目掛けて一閃。
ザアアアアアアンンッッ‼︎
無事に首の切断に成功し、あっという間に決着したのだった。
「やりました!」
「案外呆気なかったわね」
魔物がピクリとも動かなくなったことを確認した後は、二人ともホッとしたようだった。
「な、なんと……まさか本当にたった三人で……しかも、俺を守りながら倒してしまうとは……」
対して、ジュピラの方は安堵より驚きが勝っているようだ。
「そんなことより、診せてみろ」
先ほどの戦闘で、ジュピラの身体はボロボロ。脂汗を垂らしながら折れた右腕を左手で押さえているところを見るに、相当な痛みを感じているはずだ。
「な、何をする気だ人間!」
咄嗟に振り払おうとするジュピラの左手を避け、俺は『ヒール』を付与。つい数分前、魔物に吹き飛ばされ怪我をする前の状態に戻すイメージで付与した。
「い、痛みが消えた……だと⁉︎ そういえば、昨日リオレスが……ま、まさか……!」
「察しの通り、治しただけだよ」
「……っ⁉︎」






