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第105話:付与魔法使いは種明かしをする

 二人の俺を見る目が少し冷たくなってしまった気がする。


「何か誤解してないか? 俺は聖人君子じゃない」


「こ、こんなのアルスらしくないです……」


「急にどうして? 今までそんな素振り一度も……」


 俺を避けるかのように後退るセリアとユキナ。


 どうやら、恐れさせてしまったらしい。


 俺はそんな二人を置いて、動かなくなった暗殺者のもとへ。


「供養くらいはしてやるよ」


 俺は暗殺者の身体を持ち上げ、アイテムスロットに収納した。


「どうした? もう行くぞ」


 その場で固まっていた二人に声を掛け、俺たち四人はこの場を後にした。


 ◇


「アルス……どこに向かっているのですか?」


 宿とは別の方向へ足を進めていると、不審に思ったのかセリアが尋ねてきた。


「西門だ」


「どういうことですか?」


「何も用事はなかったはずだけど……?」


 四人には西門へ向かう理由を話していないので、当然わかるはずもない。


「いいからついてきてくれ」


 俺はそれだけ説明し、王都の東を目指した。



 西門に到着。


 周りに俺たち以外に誰もいないことを確認してから、俺は口を開いた。


「四人とも、騙していて悪かったな」


 きょとんとした表情を浮かべる四人。


 俺はアイテムスロットから暗殺者を取り出した。


「……」


「……」


「……」


「……」


 ピクリとも動かない暗殺者を見て、目を逸らす四人。


「実は、この子は死んでないんだ」


「え?」


「どういうこと?」


 俺の演技にすっかり騙されていた四人は驚きの声を上げた。


 俺は、左手を暗殺者へ向ける。


 『仮死解除』。


 すると、暗殺者は意識を取り戻した。


「え……? 私……えっ⁉」


 状況が理解できないのか、混乱しているようだった。


 混乱しているのは、暗殺者本人だけではない。


「ど、どういうことなのですか⁉」


「生き返らせたってこと……?」


 一連の流れを見ていたセリアたち四人の方が驚いているかもしれない。


 まるで、俺が死者を蘇らせたかのように見えたはずだ。


「説明したいのはやまやまなんだが……その前に」


 俺は再度、左手を暗殺者に向ける。


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