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グリーンスクール - 瞬きもせず  作者: 辻澤 あきら
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インターミッション 第8話 - サウスポー

 騒然とする愛球会のメンバーに対して、由起子先生は続けた。

「男子を野球部に受け入れて、愛球会を女子野球部にしたいということです」

驚嘆の声が上がる中、説明を続けた。

 つまり、野球部の3年生が引退して、1,2年生中心の愛球会のメンバーを入れたいと野球部の監督がお願いしてきたということであった。現在、愛球会では女子だけでもチームが成立するくらいの人数が集まっているため、いっそのこと愛球会を女子野球部にしてしまおうかと由起子先生は考えたとのことだった。

「もちろん、嫌ならやめておくことはできるわ。でも、野球を続けたいなら、やっぱり公式の野球部に入っている方がいいし、チャレンジしてみるのはいいことじゃない?」

「でもあの監督が……」小林

「そうだよ、あいつが腹立たしいんだよ」山本

「山本君、言葉遣いがよくないわね」由起子

たしなめられて山本は少しおとなしくなった。が、池田が今度は噛みついた。

「あの監督の下でやるくらいなら、オレは愛球会に残るよ」池田

「まぁまぁ、うれしいことを言ってくれるわね」由起子

「でもね」と由起子先生は続けた。

「監督はあなたたちの活躍を評価しているのよ。小林君、あなたはピッチャーとしてだけではなく、バッターとしても評価されているわ。池田君、あなたのリードは高く評価されているわ。次のレギュラーとして期待しているということよ。山本君」

「オレはいいよ」

「まぁ、聞きなさい。あなたのバッティングセンスはなかなかのものだけど、それ以上に守備力を買っているのよ。強肩で守備範囲も広いし、足も速い。バッティングは左ピッチャーを苦手としているみたいだけど、そんなものは練習で何とかなる、って」

山本は満更でもない表情で聞いていた。

「それにあたしもその方がいいと思うの」由起子

「どうして?」池田

「やっぱり上級生のいないクラブだと増長する人もいるし、上下関係は大事なのよ。社会に出たら。そういうのを勉強する場としてクラブ活動はあるべきだとあたしは思っているの」由起子

「そういやそうだよな」池田

「誰のことだよ」山本

「お前のことだよ!」一同

全員からのツッコミにボケることもできず、山本は小さくなった。


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