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冒険者ギルドに行く。

朝日で目を覚ます。

だいぶ床で寝るのも慣れてきたぞ。

まだ体は痛いが少し、ましになってきた。


いつも通りギルドに出社しポーションを製作する。

今日は冒険者ギルドに行ってブルースライムについて聞いてみようと思う。

リーザさんに冒険者ギルドの場所を聞くと案外に近く十分ほどで着いた。

大きな建物で二階建てになっている。

錬金術ギルドの五倍くらいあるんじゃないだろうか。


わくわくするな、荒くれ者の冒険者に絡まれたり、美人の受付嬢と仲良くなったり、冒険者ギルドのテンプレイベントに夢が膨らむ。


冒険者ギルドに恐る恐る入ってみる。

ちらほらと冒険者らしき人がいる。

鎧を来たり、剣や弓を持っていてかっこいい。

キョロキョロしていると、猫耳のお姉さんが話しかけてくる。


「本日はどう言ったご用ですか?」

「錬金術師なんですがブルースライムの素材が欲しいんです」

「素材採取ですね。こちらにどうぞ」


猫耳ののお姉さんについてカウンターに行く。

前をあるくお姉さんの尻尾が揺れており、それだけでテンションが上がってしまう。


「今回の依頼はブルースライムの素材採取でよろしいですか?」

「うーん。正確には素材採取をしながら次回から自分でできるように教えて欲しいんです」


「なるほど。それですと達成条件にお客様の戦闘能力も関係してきますので依頼金額が高くなります。例えばブルースライムの素材採取に依頼者が同行し、やり方を一通りレクチャーするというのはどうでしょうか?」

「なるほど、次に出来るかどうかは俺次第で保証しないってことですね」


「はい、その通りです。この依頼内容にすると一日に期間も限定されますので費用は200G~300Gで済みます。安全性を上げたいならパーティーに募集を限定することも出来ますが、費用は300G以上になります」

「200Gでお願いします」


「はい。畏まりました。それでは内訳を説明します。200Gのうち税金が60G、ギルドの仲介手数料が40G、冒険者の支払いが100Gになります。これから依頼書を作成し張り出しますが、連絡はどこにすればよろしいですか?」

「リーザさんの錬金術ギルドに連絡もらえますか?」

「かしこまりました。これで手続きは以上となります。冒険者が見つかるまで数日掛かることもありますのでご理解ください」


なんかイメージしてた冒険者ギルドとイメージが違うな‥‥

テンプレイベントも起きないし、がっかりだよ!!

まー、客である依頼者に絡む冒険者なんていないか・・・

そのあと掲示板を見たり、冒険者を観察したりして冒険者ギルドを堪能する。


しばらくするとさっきの猫耳お姉さんが依頼を貼り出しにくる。

ギルド内にいる冒険者のうち数人がボードをのぞきに行く。

パーティーと相談する者や掲示板の前で思案する人など反応が楽しい。

このまま見ててもいいのだが、どんな人が来るか楽しみにしたいので、冒険者ギルドを後にして、リカの食堂に廃油を買いに行く。

お昼時間だったのでついでに昼飯も一緒にすませる。

10Gでけっこうな量の油をもらえた。

油が入っている壺は後日返却に行く。

ギルドから近いからいいが持って帰るのも一苦労だ。


午後のポーションを作って冒険者を待つ。


「こんちはー。ラムって奴はいるかー?」

「あ!ミッツさん、こんにちは。ラムさんですね。呼んで来ますね」

「ラムさーん、冒険者のミッツさんが来てますよ」


リーザさんに呼ばれてギルドの待ち合い室に行く。

冒険者ぽい、三十歳代くらいの男の人がいる。

革鎧にダガーを装備していて、盗賊、狩人などの職業に見える。

無精髭が生えていてパッとした印象無い。


「おう、お前がラムか?」

「始めましてラムザールです」

「俺は冒険者、ミッツだ。よろしくな」


手を出されて握手する。

かなりゴツゴツして歴戦の男って手だった。


「なんだ、その女より綺麗な手は?貴族かなんかか?」

「貴族じゃないですけど、荒仕事はしたことないです」

「おいおい!ブルースライム倒すんだろ?大丈夫かよ?」

「一回もモンスター倒した事ありません!」


自信満々に言ってやる。

それを聞いたミッツさんは天を仰ぐ。


「あちゃー!簡単な仕事だと思ったらこれだー。まじついてないわー。まー引き受けちまったから、やるしかねーか。で、オメーの得物はなんだ?」

「獲物ですか?ブルースライムですよ」


パン!と軽く叩かれた。


「ボケてんじゃねよーよ。使う武器だよ」

「ははは、武器ですね。短剣と弓が使えると思いますよ」


ウサギにレンジャーの職業をもらう時に短剣スキルと弓スキルももらっている。


「どの程度使えるんだ?」

「実際には使った事が無いんですが短剣スキルと弓スキルがあります」

「はああああぁぁぁ?神の神殿で武器スキルを貰える事はあるが、使った事が無いのにスキルを授かるなんて聞いたことないぞ??さらに二つなんてあるのか?本当なのか?」

「さあ?どうなんでしょう?俺にも解りません」


しばし腕組で考えるミッツさん。


「とりあえず試してみるか。リーザ!、裏庭借りるぞ!ラムついてこい」


ミッツさんと裏庭に出る。


「とりあえず、これ使ってみろ」


ミッツさんの持っているダガーを渡される。


刃渡り30センチくらいあってカッコイイ!

ずしり手に重みがくる。

刃物を人に向けるのは抵抗があるなー。


「おし、じゃあ攻撃してきてみろ」

「人に刃物を向けるが怖いです」

「おいおい!しゃあねなー。じゃあ鞘の方でいいよ」


鞘に持ち変えて攻撃してみる。

避けられる、避けられる、避けられる。

おお!凄い!さすが冒険者本当に当たらない!

なんか楽しくなって来たのでノリノリで攻撃していく。

なんか体が軽いし、ダガーの連撃も思い付くので試してみる。

上から振って中段で止めてそこから突く。


もっとコンパクトに動いた方がいいな。

動きを小さくして突き主軸に半身になって、相手に距離を取らせないように攻撃していく。


「いいぞ!だんだん動きが良くなってきたな!少しづつこっちからも攻撃していくぞ!」

「わあ!」


ミッツさんがこちらの隙をついて手を出してくる。

馴れてくるとミッツさんが攻撃しようとする気配が分かるようになってくる。

ナイフでの攻撃が体に馴染んできて思い通りに振り回せる。

ミッツさんに攻撃が当てられる気がしてきた!

さらにスピードを上げて、少し強引に攻撃していく、ミッツさんの前蹴りが出るタイミングで前に出て蹴りをかわし、ナイフを横腹に当てにいく。

当たったと思った瞬間、上からの衝撃で地面に倒される。


「ぐぁ」

「あっぶねー!なんだ最後の方の動きは!本当に初めてナイフに触るのかよ!」


痛くて声が出せなかった。


「すまん、すまん。思わず本気で対応してしまった。ほらポーションだ飲め」


ミッツさんに起こされポーションを渡される。

初めてポーションを飲む。

甘い草の味がする。

飲んで少しすると体全体がほんのり温かくなり、痛みがスーと引いていく。

ポーションすげー!


「あー。ポーション使っちまうなんて、とんだ出費だぜ」

「すみません。良かったらこれ使ってください。俺が作ったポーションです」


さっき作った上ポーションを渡す。


「お!悪いな!オメー錬金術師だったな。それも上ポーションじゃねえか、逆に得したぜ!」


嬉しそうにポーションを腰の鞄にしまう。


「まー、戦えることは分かった。これなら何とかなるだろう。ところで武器と防具は持ってるか?」

「いや、持ってません」

「だと思ったぜ、取り合えずブルースライム狩りは明日にするから今日中に揃えておけよ。明日の朝、迎えに来るからよ、素材を入れる物とか準備しておけよ」


ミッツさんと別れた俺はギルドに戻ってトールさんに相談しに行く。


「トールさん、また、お願いがあるんですけど」

「ラム君か、入っていいよ」


トールさんに冒険者ギルドに依頼し明日ブルースライムの素材採取に行くことを話す。


「ラム君は行動が早いなー。採って来てもらうんじゃなくて、ラム君も行くのかい」

「はい、取り方が分かれば次から自分で行けばお金の節約になると思って」

「気持ちは判るけど十分気を付けて行くんだよ。でお願いてなんだい?」

「ブルースライムの素材を入れる入れ物を貸して欲しいんです」

「分かった明日までに用意して置くよ」


トールさんにお礼を言って今日のポーションをリーザさんに納品しに行く。


「お疲れさまです。今日の分のポーション納品しに来ました」

「お疲れさまです。ミッツさんに頼んで素材採取なんて、スゴいですね。私なんて最初のうちは毎日ポーションばかり作ってましたよ。はい、今日の納品分240Gです」

「ミッツさんと知り合いなんですか?」

「ミッツさんは素材採取の依頼をメインに仕事をしている、冒険者さんなんで、ギルドの素材採取も依頼するんですよ」


ギルドを出て武器屋に向かう。

武器屋は冒険者ギルドの近くにあるので十分程で突く。

店の前にも武器が傘立てのに挿して陳列されている。

取り合えず店頭の武器を見てみる。竹槍、先だけが鉄の槍、木刀、錆びた剣など見るからに安い武器が売られている。


トールさんが竹槍でスライムの核を突けば倒せると言っていたので、竹槍を手に取る。

ただ槍のスキルは無いのでスキルのある短剣を探しに店内に入る。

店内にはスキー板を立て掛ける木の棚に武器がズラリと並んでいる。

初めて見る武器に興味深々で店内じっくり見ていく。

短剣売り場を見つけて見てみる。

大きさや長さも色々、形も色々、どれが良いのか全くわからん。


「すみませーん」

「なんだ?」


呼ぶと棚の影からドワーフが現れる。

棚の側に椅子がありそこに座って居たようだが座ると棚の影に隠れて見えなかった。


「短剣が欲しいんですが、初めてで何れが良いのか分からないので教えて欲しいんです」

「おう。まず使う用途はなんだ?人か獣か?」

「主に獣ですかね」

「なら刃が厚くて、ある程度長さがあった方がいいな」


薦めてくれたのは先ほどミッツさんが持っていた短剣と同じ大きさの物だ。


「斬れ味はここに並んでるのはそう変わりないから、後は好きなデザインのを選びな」


刃先は同じだが持ち手や柄の部分が色々と装飾されている。

見るからに高そうなので一番シンプルな物を選ぶ。


「これいくらですか?」

「それは300Gでいいぞ」

「じゃあこの竹槍とこの短剣ください」

「合わせて320Gだ」


お金を払って店を出る。

もう殆どお金が無くなった。

防具は次回だな。


いつもの食堂でご飯を食べて家に帰った。

明日のスライム狩りが楽しみだ。

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