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決着ー上

センターの襲撃にあって殺されそうになった。

俺の傷はハイポーションで癒す事が出来たが、傷が言えたから良い訳ではない。

運の要素も強く助かったに過ぎない。

シアが傷つけられたと思うと怒りと恐怖が込み上げてくる。

もし、シアが傷つけられていたら俺は一生悔やむだろう。


 俺の失敗はセンターの襲撃を予想出来なかった事じゃない、センターに反撃の余力を残して、中途半端に追い詰めた事だ。

やるからには徹底的に、相手に反撃出来ないまでにやるべきだった。


 相手が武力で来るならこちらも武力で潰す。

と、言っても犯罪者にならずにセンターを闇討ちする方法か・・・


「なあ、ルリア、センターをぼこぼこにする方法なんだけど」


①毒化のスキルで毒殺する。

②スリープアローで寝かせてスラムに放置する。


「何てのはどうかな?」


 ルリアが可愛い顔にシワを寄せる。


「なんか面倒じゃないですか?もうバッシとやった方が早くないですか?」

「でも、それだと、俺、犯罪で捕まったりしないか?」


 うさみみを横に倒しながら首を傾げる。


「どうなんですかね?これだけやられてるんでやり返しても大丈夫じゃないですか?」


 俺もルリアと一緒に首を傾げる。


 現代日本だと、間違いなく罪に問われる。

その場なら正当防衛が成立すると思うけど。

この世界の法律が分からんからな、さっきの作戦だと捕まりにくいと思う。


「ダメだ!二人で話してもらちがあかん!」

「えー!なんですか!私ちゃんと相談に乗ったのに、ひどいですよー」


 ルリアが頬を膨らませて不満をアピールしてきたがスルーしておいた。





 次の日、頼りになるトールさんに昨日の襲撃を告げて対応を相談する。


「そんな訳でセンターの奴を俺が捕まらないように、闇に葬りたいんですけど、どうしたらいいですかね?」

「ラム君・・・君はまたとんでも無いことをさらっと言ってくるね・・・」


 トールさんの顔がひきつっている。

あれ?シアとルリアに相談した時は賛同したから、この世界じゃ一般的な考えかと思ったが違うのか!?


「まずは衛兵に相談するのが良いと思うよ。それでセンターを捕まえて貰らおうよ」

「でも、センター達は覆面を被っていたんで、しらを切りませんかね?」

「確かに・・・」


 常識的な回答をトールさんから頂いた。

リーザさんの回答は何と無く予想がつくが一応聞いてみるか。

昨日の出来事を話をすると、リーザさんが凄く心配してくれた。


「で、センターを合法的に殺る方法ですよね?」

「そうです、俺が捕まらずにセンターが反抗出来ない迄に完膚なきまでに倒す方法です」


 リーザさんが力強く力コブを作る。


「冒険者をやっとて金の力で殺っちゃいましょう!幸いにもサラダ商会に石鹸を納入したばかりでお金ならありますから!」


 確かに向こうも冒険者を雇って闇討ちしようとしてきたんだから、こっちがやっても良いのか?

でも、やっぱりバレたら捕まらないかな?

だて、メイソンは捕まってたぞ?


 やはり、ここはミッツさんを頼ってみるか。

ミッツさんに、センターの事を調査して貰っている。

これで何か悪事でも出れば、センターを衛兵に捕まえて貰える。

冒険者ギルドにミッツさんとの連絡依頼を出して、しばらくするとミッツさんが錬金術ギルドを訪ねて来てくれた。

シアに俺の錬金術室まで連れて来て貰う。


「ミッツさん、わざわざ、来ていただいて、ありがとうございます」


 俺は昨日の襲撃をミッツさんに話すと、ミッツさんが渋い顔で謝ってくる。


「ラム、すまなかった。センターの調査をしていて、不穏な動きは有ったんだがこんなに早いとはな・・・」

「それは、済んだ事です。それよりもセンターの悪事の尻尾は掴めましたか?」

「其なんだが、正直、掴み切れてない。悪事はやっているんだが、どれも捕まえるには弱いんだよな。例えばシアちゃんの件もシアちゃんが奴隷の立場で、センターはチコリ商会の支配人だ、立場的にセンターの証言が優先されるだろう。それ以外にも穀物のかさ増しや、立場の弱い商人から安く買い叩いたりはしているが、どれも奴の立場なら揉み消せてしまうレベルだな」


 メイソンの様にミッツさんに悪事を掴んで、捕まえて貰おうと思ったが、どうやら難しいらしい。

ミッツさんが思い出した様に口を開く。


「それとな、昨日、ラムを襲撃した後からセンターの行方が分からないんだよな。俺も朝からスキルで探してはいるんだが、俺の獲物探知スルキじゃ、お前ほどの距離と精度が無くてな、見つけられん」


 相手の動きを把握しておかないと、いつ襲われるか分からんからな。

ミッツさんに協力してセンターの居場所を特定しておくか。

センターの居場所を俺の獲物探知スキルで探すと、倉庫街の一角にセンターの気配を発見する


 この倉庫街は港から荷下ろしされた商品が在庫されていたり、逆に出荷する商品が保管されて居るのだが、今は船便が来ていない為に閑散としており、巡回の冒険者がぐるぐる倉庫街を巡回している程度だ。


 念の為に、ルリアにも付いて来て貰っていて、三人で倉庫街に来ている。


「何でこんな所にいるんですかね?」

「俺が知るか、商人なんだ商品の検品でもしてるんじゃないか?」


それもそうか、商人が倉庫でする事と言えば品物の検品くらいだよな。


「場所は特定出来ましたけど、これからどうします?」

「このまま乗り込んで殺っちゃいましょうか?」


 ルリアが無邪気な笑顔で、さらっと言うけど内容は過激だ。

ただ、俺も賛成だ。

だって、人気もないし、こっちはミッツさんもいる。


「そうだな、とりあえず様子を見てくるからここで待てて」

「おい、おい、まじかよ・・・」


 俺の言葉にミッツさんが天を仰ぐ。


 センターのいる倉庫に近づいて待ち伏せスキルで気配を消す。

倉庫には窓が無く中が見えない。

倉庫の板の隙間から中を覗き込むと倉庫の中は、がらんとしていて、センターと男六人が黙々と何か作業をしている。

火がついた箱に棒を刺して、しばらく熱するとその棒を取りだし、何かに押し当てる。

あれって石鹸か?

俺は笑いが込み上げて来て、ついつい口許が緩んでしまう。

あいつ、追いつめられて、一線を越えやがった。

なんだ、俺が手を汚さすとも、自分から死んでくれるなんてな。


 直ぐにミッツさんの元に戻った俺は中の様子を告げて、ミッツさんに衛兵の手配をお願いする。

さてと、衛兵が来る前にセンターが逃げない様にしないとね。


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