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ウルフ換金

 飲んで朝帰りするとシアに殴られた。

ゴミ屑を見る目で庭に放置されたよ。


 海が朝日を浴びてキラキラ輝いていて綺麗だな。


 心配して待っていたのに呑気に飲んで帰った事が許せなかった様だ。

気持ちは分かる!

分かるんだが・・・、付き合いってものがどの世界にも存在すんだよ!

て、これは言い訳だな・・・

心配して、朝まで起きてたシアに対してしっかり謝ろう。


 海を見ながらぼーと反省する。


「シア、心配掛けてごめん!起きて待ってて、くれてありがとう」


俺は頭を下げて誠心誠意謝る。


「・・・」


 返答が無いが俺は頭を下げ続ける。


「・・・分かった。許してあげる」


「ありがとう、シア」


 シアがもじもじしながら言ってくる。


「その代わりそこに座って目を閉じて」


 ん?シアが自分からキスするなんてあり得ないし。

刺すって事もないよね・・・

サプライズプレゼント?

でもシアには食費しか渡してないしな?

頭の中をぐるぐる回しながら言われた通り椅子に座る。


「絶対、目開けないでよね」


 シアが近づいて来るのを感じる。

危険探知スキルは・・・何も感じないな。

ポンと頭に手を置かれて優しく撫でられる。


 気持ち良いな・・・。

ああ・・・本当に気持ちが良い。

寝不足で疲れていて、家に帰って来てほっとして気が抜けた所に、シアに優しく頭を撫でられて心地良い眠りに誘われる。


「本当に心配してたんだから・・・」


 そのまま何も答えず、シアに撫で続けられる。


「もう、心配させないでね」


静かに頷く。


「いつも、ラムばっかり私の頭を撫でるから、私も撫でて見たかったの」

「すごく、気持ち良いよ」


シアが撫でるのを止める。


「あれ?もう終わり?」

「終わり!」


 シアがプイッとキッチンに行ってしまう。

しばらくすると、いつもの鼻唄と共に良い香りがしてくる。

さっきリーバスしたのでお腹がグーとなった。


 シアと食事を終えて、シアはギルドに出社していった。

俺は少し寝てからギルドに向かう。


 勇者が討伐に出発した為、高額のポーション依頼は無くなって安いポーション依頼しかない。

石鹸もコスモ商会への納品を終え、当分石鹸の依頼もなし、当分稼げなさそうだな。

勇者の石鹸ブランド品計画も頓挫してしまったし、別の手を考える必要がある。


 せっかくうちのギルドに依頼してくれたポーションだ。

安くてもしっかり作ります。

以前からうちを使ってくれている取引先は大切にしたい。

だから、毎日午前中は常連の依頼を中心にこなし、午後、単発で入る高額依頼や石鹸作りの時間に充てている。


「マスター!ミッツさんが見えてますよ!」


プランさんに呼ばれてギルドホールに出ていく。


「昨日はお疲れ様でした!」

「おう!お疲れ!」

「今日はどうしたんですか?」

「預けた素材の引き取りに行くぞ」


 ミッツさんと二人で素材屋に向かう。


「必要な分は引き取って、不要な分は換金すればいい。まずキングウルフはソファーに使うんだろ?」

「そうです!楽しみですよ」

「庶民がキングウルフを敷物に使うなんて聞いた事が無いけどな」

「そうなんですか?」


 ミッツさんがやれやれ、またかって顔に出てますよ。


「ウルフの毛皮を縫い合わせた物の方が安いからな。それだって金持ちしか買わないがな。後、魔石もギルドで使うだろ。残るのがウルフの毛皮十四枚とキングウルフの肉だな」

「ウルフの毛皮を貰っても使い道が無いですね。肉は今日食べる分だけ欲しいです」

「毛皮は持ち込みで服に加工して貰うと幾分か安いぞ。まあ、今の時期は毛皮なんて要らないがな」

「全部、売っちゃいましょう」


買取り金額

キングウルフの魔石:2,500G×1(当ギルド買取り)

ウルフの魔石   :50G×14 (当ギルド買取り) 

ウルフの毛皮   :100G×14(素材ギルド買取り)

キングウルフの肉 :300G×1 (素材ギルド買取り)

 加工代ー200G

 合計4,700G


 結構儲けたな、ミッツさんとかに報酬支払って装備の費用を引いても3,000G弱は儲けが出ている。

さらにキングウルフの毛皮も手に入ったし。


「ところでキングウルフの毛皮を売るといくらするんですか?」

「あー、3,000Gはするんじゃないか?」

「高い!!!」


まてよ、さっきウルフの毛皮を繋ぎ合わせて使うって言ってたよね。

それでもよくね!

別に一枚皮にこだわらなくても、そこまでモフモフも変わらないし。

確かにテレビとかで豪邸に虎の敷物とか見るけど、そこまで欲しいと思わないよね。


「ミッツさんちょっと待ってください、キングウルフの皮を売ります」

「はあ?お・お前、なに言ってんだ!何の為に命がけでキングウルフ狩りにいたんだよ!」

「良く考えたら、ソファーの敷物はふわふわしてればウルフでも問題なかったです。ちょっと合わせるって発想がありませんでした」

「・・・」


ミッツさんがこいつ、またかーて顔をしている。


「もう、何も言わねーよ。好きにしてくれ」


と言うことで買取り金額が変わります。


買取り金額

キングウルフの魔石:2,500G×1(当ギルド買取り)

ウルフの魔石   :50G×14  (当ギルド買取り)

キングウルフの毛皮:3,000G×1(素材ギルド買取り) 

ウルフの毛皮   :100G×4 (素材ギルド買取り)

キングウルフの肉 :300G×1  (素材ギルド買取り)

 加工代ー200G

 合計6,700G


 素材ギルドでずっしり重い袋を受けとる。

その中から500G出してミッツさんに手渡す。

 

「ミッツさんありがとうございました」

「お!分かってんじゃないか!」


 嬉しそうに懐にしまい込んでホクホク顔で帰って行った。


 引き取った毛皮は家具屋に預けて、ソファーのサイズに合わせて貰うようお願いした。

家具屋はいつもの裁縫師に依頼をして、合わせて届けてくれることになった。


 仕事の鐘の音と共にギルドを出る。


「昨日はシアは何を食べたの?」

「昨日はプランさんが家に呼んでくれて、プランさん家でご馳走になったよ」


 シアもギルドに馴れてくれて嬉しく思う。


「今日は俺が倒したキングウルフの肉があるからそれを食べよう」

「うん!楽しみ」


 シアが満面の笑みで答えてくれる。


「でも、俺、ウルフの肉なんて調理出来ないよ」

「じゃあ、私に任せて。キングウルフは食べたことないけど、ウルフなら煮込み料理が良いと思うよ。だから・・・あれとあれが必要ね」


 必要な材料を揃えて家に帰る。

今日はシアが全部やりたい言うので、任せて海を見みてぼーっと待った。

やっぱり、料理を作る時はいつもの鼻唄が聞こえてくる。

この時間て、何でもない時間なのにとても幸せに感じるな。


「はい、お待たせー」

「ありがとう」

「ちょっと、煮込み時間が足りないけど許してね」


シアが作ってくれたキングウルフのシチューは、辛味が有って野菜がごろごろ入っている。

キングウルフの肉は固いけど噛むと甘味もあって、まあ、いける。


「シア、美味しいよ」

「へへ」


ハニカミながらシアもキングウルフは肉を頬張る。


「うん、おじいね。わげなだがらよぐ出来てる」


 シアこの前リーザさんにも注意されたでしょ、心の中で呟いておいた。


 それから数日は家とギルドの往復が続いていく。


「大変だよ!マスター」


 プランさんが慌てて錬金術室に入ってくる。


「どうしたんですか?」

「ゆ、勇者様が負けたって!」

「えーー!」



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