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薬草採取2

トールさんについて森の奥に入って行く。

トールさんは時々太陽の位置を確認しながら、手もとの道具を確認しながら進んで行く。


「トールさんその道具はなんですか?」

「ああ、はじめて見るかい?これは方角を確認する為の魔道具だよ。森に入るなら絶対必要だよ」


簡単に使い方を教えてもらう。

太陽に矢印を合わせると、方角が解る仕組みのようだ。


「あ!ラム君見てごらん、これは珍しいマジックキノコだよ!」


トールさんに呼ばれて行くとカラフルなキノコが生えている。


「これはマジックポーションの材料になるんだけど、森の入り口付近ではなかなか見つからないんだ。運がよかったね!」


もちろんマジックキノコも採取していく。

種類毎に袋を分けているので五個の袋をもっている。

そろそろ歩き辛くなって来た。

トールさんは方角を確認したり、メモを録ったりしており自分が持つのが良さそうだ。


「この辺りにマジックキノコがまだある確率が高いから辺りを探してみよう」


トールさんが見える範囲で手分けして探して行く。

見つからずトールさんの所に戻るとニンマリ顔でマジックキノコを抱えている。


「いやー、本当にこんな事はめったに無いんだけど」


るんるんしながら袋にマジックキノコをいれていくトールさん。


そこから少し進むと目的の薬草を発見する。

薬草は淡い緑色で葉はギザギザしておりタンポポの葉を大きくした形をしている。

調合に使う薬草は乾燥させて砕いた物を使っているため、元気な葉を観るのははじめてだ。


「今日のポーションの依頼では乾燥ではなくて生の薬草が必要だったんだ」


トールさんは薬草を丁寧に引き抜き、根の部分から葉の部分まで水で湿らせた布で包んでから、袋にいれる。


「こうしておけば薬草の鮮度を多少保つことが出来るよ。

ここからは時間との勝負になるから、直ぐに戻るよ」


そこからは一切採取をせず、いっきに森を抜ける。

結構、森の奥まで行っていたと思ったが、採取をせずに森を出ると直ぐに街道までたどりついた。

そろそろお腹が減って来てはいたが、トールさんが急いでいるのでそんなことは言えず、そのまま町に向かって歩いていく。


完全に空腹になった時に町に到着する。

そのまま錬金術ギルドの錬金術室に入るとトールさんは早速ポーション作りを開始する。


「まず薬草を根と葉に別けて根は包丁で細かく切った後にすり鉢でする。葉も同じようにすり鉢で擂り潰す」


トールさんは説明しながら手際良く作業を進めていく。


「擂り潰した物を合わせて水を量って入れて、ここに癒し草をこの重りの分入れて、あと血止め草を入れて最後に魔石をいれるんだけど、今日使う魔石はいつも使う物よりも純度の高い魔石を使うよ」


「純度の高い魔石て、なんですか?」

「純度の高い魔石て、のは強いモンスターからとった魔石だね。値段が高いから普段は使ってないけど、効果の高いポーションを作るのには欠かせないね」


トールさんは真剣な顔で作業を進める。

全部の材料を混ぜ終え最後に錬金術をかける。

光に包まれ、光が収まるとそこにはいつも以上に淡い緑色の光を発するポーションが出来上がっていた。


「綺麗なポーションですね!」


今までのポーションとは比べられないくらい、芸術品のような美しさがある。


「これはハイポーションと呼ばれるポーションより効果の高い物になるね。よし!品質も問題ないし、早速納品しよう」


トールさんはリーザさんにハイポーションを納品する。


「トールさんお疲れ様です。早速依頼者に渡しに行って来ますね」

元気な笑顔でリーザさんはギルドから出ていく。


「ラム君お疲れさま」

「採取に連れて行ってくれて、ありがとうございました」

「今日は思った以上に収穫が有ったね。後で今日採った素材はギルドに納品しておくから、後でリーザからお金受け取ってね」


「俺なんか、ついて行っただけなんで受け取れませんよ」

「ははは、しっかり荷物も持ってもらったし、採取もしたじゃないか、受け取っておきな」


お金も無いし、ありがたい申し出だ。

トールさんには錬金術や採取を教えてもらって、優しくしてもらって凄く感謝している。


「ありがとうございます。お金が少ないんで助かります」

「うん。今日はお疲れさま、疲れたからちょっと休憩するよ」


トールさんはそのまま自分の錬金術室に入っていった。

まだ自分の錬金術室は無いのでギルドの待合室の椅子で朝に買った、サンドイッチ食べる。

疲れていたようでそのまま眠ってしまった。

目を覚ますとリーザさんに温かい笑顔を向けられた。

恥ずかしい。


外を見るともう夕方でいつもなら、そろそろ帰る時間だ。

お金が欲しいので錬金術室で三個ポーションを製作しリーザさんに納品する。


「お疲れ様でした。採取にも行ったのにポーション作りまで、がんばりますね」

「採取で体力は使いましたがMPは使って無いですからね、少しでも納品しないと」

「ラムさん助かります。その調子でがんばってください。

私、応援してますから!」


リーザさんにとびきりの笑顔を向けられ、今日の疲れもすっ飛ぶ。


「これが今日の報酬100Gになります」

「おお!多いですね!」

「マジックキノコがあの量採れたのはよかったですね」

内訳

ポーション納品:30G

採取 薬草:5G

   マジックキノコ:50G

   パワーキノコ:10G

   胃薬花:2G

   胃薬草:2G

   解熱草:1G   


採取した買い取りの報酬はトールさんと半分づつ。

マジックキノコが採れたのが大きかった。

マジックキノコがなければ20G。

一人で採取すれば倍の40G稼げる。

効率を上げていけばもう少し稼げるとして、危険な森の中で一日採取して60G。

町の中でちょろっと錬金術をして60G。

確かに錬金術は美味しい職業のようだ。


外に出ると暗くなり始めている。

いつもの食堂に行く。

今日も並んでいるメニューの中から、焼き魚と鶏肉とジャガイモの煮物を選らんで席につく。


いつも酒場の女の子がドリンクの注文をとりにくる。


「やあ、こんばんは」


今日は自分から挨拶する。

昨日話掛けてくれたんだから、顔見知りだよね。


「いらっしゃい、今日はいつもより遅かったね」


笑顔で迎えてくれる。

なんか常連になった気持ちで気分が良いな。


「今日は錬金術に使う素材を森に採りに行ってたからね」

「へー素材も自分で採りに行くんだー。冒険者に採りにいかせるのかと思ってたわ」

「さーて、どうなんだろうね。なったばかりだから、よく知らないけど、普通はそうするのかも知れないね。今日は勉強も兼ねての素材採取だよ」


「そっかー、とりあえずお疲れ様。今日は飲みのはどうする?

いつものにする?」

「なんかおすすめはある?」

「私が好きなのは果汁を入れたお酒かなー。今だとガッツていう酸っぱい果物を絞ったのが旬でおすすめだよ」


「じゃあ、それとお水をお願い」

「はーい、じゃあちょっと待っててね」


ドリンクが来る間に魚を突っつく、見た目は赤い魚で、さっぱりした味だ。


「お待たせー」

「ありがとう。頂くね」


ごくごく、ガッツ入りのお酒を飲んでみる。

さっぱりしていて飲みやすい。


「おすすめだけあって美味しいよ」

「よかったー。私も好き。美味しよねー」


ニカって笑うとなんか親しみ易くてかわいい。


「ちょっと聞きたいんだけど、お風呂ってこの町にあるの?」

「お風呂?あるよ」

「お風呂に入りたいんだけど近いの?」

「んー初めて行くと迷うかも‥‥」


外は暗いし初めて行くなら明るいうちがいいか。


「ありがとう。明日ギルドの人に聞いてみるよ」


ご飯を食べ終えて外に出るとすっかり暗くなっていた。

ギルドの宿舎はすぐそこなので困ることはない。

その日は明日のリーザさんとデートのイメトレをしながら眠りについた。


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