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ようこそシア

シアの奴隷の腕輪をサプライズで外して、シアの慌てる表情を肴にワインを楽しむ。


俺が腕輪を外したのはシアを信頼しているからでは無い。

むしろ信頼なんて全く無いね!

喋らないし、睨むし、信頼なんて出来る訳ないよね。

でもそれってシアも一緒で、奴隷の腕輪を付けられた相手を信頼出来るはずない。

もし、そこに信頼が生まれると言うなら、信頼じゃなくて、洗脳だね。

だからこそ、一歩を踏み出す為に俺はシアに信頼を預けた訳だ。

この預けた信頼を返してくれて、始めて俺もシアを少し信頼が出来る。

それに俺の獲物探知能力で逃げても追い詰められるからね。


「結構、ボリュームもあって美味しそうだね」


配膳されたステーキにナイフを入れ、大きめに切り別け、大口でかぶり付く。

野性味溢れる肉汁が口一杯に広がる。


「ほら、シアも食べなよ」


シアはさっきからずっと、肉から目を離さないで凝視しているのに、一向に手を付けない。

今度は俺と肉を交互に見て、ナイフとフォークを使って、肉の端っこをちっちゃく切って口に運ぶ。

そんな、ちょっとじゃ、味わかならいでしょ。

シアは口をゆっくり、ゆっくり動かし、小さな肉を何度も咀嚼する。

気付くと、シアの頬が濡れていたけど、何も言わずそのまま食事を続けた。


「美味しかったね、お腹は一杯になった?」


シアが小さく頷く。

結構な量があったが、シアは全て完食していた。

ちょっと反応を返してくれただけで、頬が緩んでしまう。


ちなみに肉定食は24Gワインは5Gで二人で60Gだった。

店を出て、月明かりを頼りにギルド宿舎に足を向ける。

二人で、とぼとぼ会話も無く歩いていると、服をつんつん引っ張られる。


「あの・・・」

「ん?どうした?」

「ご飯、ありがとう・・・おいしかった・・・」

「美味しかったね、また食べに行こうね」


シアの方は見ないようにして声だけ返しておいた。

シアには見せられないけど、俺の顔は緩みぱなしだった。


ギルド宿舎の空いてる部屋に、シアを案内する。

勿論、部屋には何も置いていないので、俺の毛布を渡す。


「ごめん、これしか無くて。明日買いに行こう。俺は隣の部屋に居るから困った事が有れば来て良いかからね。お休み」



朝方、寒さで目を冷ます。

流石に掛け布団無しは肌寒い。

朝早く流石にシアも起きてないだろうから、久々に短剣の練習をする為に外に出る。

冒険者とメイソンを倒してから久々に短剣を握ったが、体の切れが上がった気がする。

メイソンを蹴っ飛ばした時も想像以上に吹き飛んでいた。

キングウルフを倒してメイソンを吹き飛ばせた。

冒険者達を倒して今日、体の動きが良くなっている。

以上の二点から、目に見えないだけでレベルて概念が、存在するのかも知れないな。

錬金術だってレベル9て言われたしな。


一通り短剣の型の動きを確認して自分の部屋に戻る。

あまり、早く起こしてもシアが可愛そうなので、少し部屋でのんびりして過ごす。

控えめにノックされる。


「どうぞ、空いてるよー」

「・・・」


シアが入ってきて、俺の部屋をキョロキョロ見回す。


「おはよう、シア。はは、ギルドマスターて言っても、10日位前までは無一文で、この町に来たからね。何も持ってないんだ」


シアの金瞳はそれ以上、開かないんじゃないって位、見開いている。

その後、逆に細目になって俺を見る。

なにその目、何が言いたいのよ!


「良し、顔を洗ったら、ギルドに行こう」


タオルを渡して井戸の場所を教える。

シアが戻って来たのでいつのも屋台に移動する。


「おはようございます、お粥二杯貰えますか?」

「おはよう、いつもありがとね、今日は珍しく連れがいるのかい」


おばちゃんがお粥をまず俺に、続いてシアに渡してくれる。


「おはよう、はい。お粥だよ」

「おはようございます」


!!!

シアを二度見してしまった。

今、この子普通に挨拶したよね!?

俺が驚きのあまり凝視していると、その視線に気付き、シアが睨みつけてくる。

慌てて目を逸らしちゃったよ!

突っ込むと睨まれるだけなので、一旦、忘れる事にして、温かいミルク粥を流し込む。


「ふーふーふー」


シアは一生懸命お粥に息を吹き掛けてから口に運んでいる。

俺がお粥にパンを付けながら食べていると、それを見ていたシアも自分のパンを少しちぎってお粥にちょっとだけ浸けて食べる。

気に入ったようで次は大きめにちぎって、しっかり浸けて口に入れて幸せそうな顔をしている。

朝御飯を食べ終えてギルドに出社し、皆に集まってもらう。


「リーザさん、おはようございまーーーーー。痛い、痛いーー!」


笑顔なんだけど目が笑っていない、リーザさんに頬を引っ張られる。


「ラムさん、なんかすごく可愛い子ですけど、仕事する子を探しに行ったんじゃないんでか!こんなに可愛い必要、あーりーまーすーか!」

「いーーーー!」


語尾が伸びると共に俺の頬も伸ばされる。


「リーザさん!違うんです!そんなつもりは無くて!」

「じゃあ!なんでこんな美人の子を選んだんですか!」

「紹介された五人の中で、唯一、読み書きが出来て、計算が出来る子だったんですよ!」


リーザさん、そんな、腐った物を見る目で見ないで下さいよ。

シアも一緒にそんなに睨まないでよ。

癖になったらどうするのさ・・・。


なんとか誤解を解いて、シアの自己紹介をする。

まー誤解は解けて無さそうだけど・・・女の感は鋭いからみんな注意しようね。

      

「まず始めに僕はトール、宜しくね」

「・・・」


やはり、俺だけじゃなくてトールさんの事も睨んで、返答しない。

トールさんはシアに睨まれ、目が泳いでいる。


「私はリーザよ。宜しくね。シアちゃん」

「分からない事ばかりで迷惑掛けると思いますが、宜しくお願いします」


シアが頭を深々と下げる。

え!シアがめっちゃ、しっかり挨拶している!


「あらー、しっかりした子ね、私はプランよ。宜しくね、シアちゃん」

「はい、色々教えて下さい。宜しくお願いします」


!!!

あれプランさんにもしっかり挨拶している!


あれ?これってもしかして・・・


俺には挨拶してくれない。

屋台のおばちゃんに挨拶した。

トールさんに挨拶しない。

リーザさんに挨拶した。

プランさんに挨拶した。


シアは男性嫌いなんじゃないか!?


自己紹介を終えた後、シアの教育はプランさんにお願いして自分の仕事に取り掛かる。

昨日で溜まっていたギルドの仕事は片付いてしまったので、今日は午前中のうちに依頼分とポーション作りは終了。


「プランさんお疲れ様です。シアの教育ありがとうございました」

「シアちゃんいい子ねー。物覚えも良いし、直ぐに戦力になりそうよ」


それを聞いて安心した。

昼飯後にミッツさんが訪ねてのくる。


「よう!ラム元気でやっているか?」

「ミッツさん、この前、薬草ありがとうございました」

「おう!今日はブルースライムの液を持って来たぜ」

「流石、ミッツさん仕事が早いですね」

「そう言えば、ラム、メイソン所の冒険者四人倒したらしいな」

「まー、狩人のスキルで眠らせたり、トラップに引っ掛けたりですけどね」

「運はあったにしろ、最近まで剣すら握った事が無かった奴が、良く倒せたな。あいつら悪さばかりしてたけど、腕はそこそこだからな」

「リーザさんを助けるのに必死でしたからね。もう当分危険目には遇いたくないですね」

「ま、安全が一番だな!聞いた話だが、メイソンと冒険者四人は、リーザの件以外にも色々やらかしてて、鉱山送りみたいだな」

「ざまあ、ないですね!」

「じゃあ、また採取依頼が有ったら宜しくな!」


ミッツさんは手をヒラヒラさせながらギルドを出ていった。


「シア、シアー、午後は錬金術の手伝いを宜しく」


午後はシアと石鹸作りを開始する。



ここまで読んでくれた方々、ブックマークしてくれた方々、評価してくれた方々、皆様、誠にありがとうございます。

読んで頂ける事が励みになります。

少しずつ、勉強して面白く書けるよう頑張っていきます。


物語は新しいヒロイン、シアちゃんが登場し、ハーレム感?イチャイチャ感がまして行きます!

金持ちに向けての商売も加速していきます。

今後ともよろしくお願いいたします!

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