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石鹸作り

売上を上げる方法で考えていた、二つの案をリーザさんとトールさんに聞いてもらう。


「まず一つ目の、俺に作業補助を付ける件ですが、錬金術の準備など単純作業をやって貰えれば、もっと多くのポーションが作れると思うんですよね」

「確かにラム君なら作業補助はあった方がいいね、実際に補助を、弟子にやらせている錬金術師はいるからね」

「はい!私がラムさんの作業補助やります!」


リーザさんが元気に手を挙げてくれてくれて、嬉しいんだけどさ。


「リーザさん嬉しいですけど、今回は錬金術師でなくて、一般の人で補助を考えてるんですよ」

「そ、そうですよね・・・」


ショボンとしちゃったけど、子犬みたいで可愛いな。


「結局の所、人を雇わないと駄目なんですけどね」

「それの事なんだけど、僕なりに考えて見たんだけど、奴隷を雇うのはどうだろうか?奴隷なら契約で主人に束縛されているから、裏切りは出来ないだろう」

「奴隷って制度を知らないんので教えてもらえますか?」

「ごめん、僕も縁がなくて詳しくは知らないんだ、一度、奴隷商に話を聞きに行ってみてはどうだろうか?」


猫耳メイドも欲しいから、ぜひ一度行ってみたいな。


「ラムさん、さっき言っていた石鹸て、トールと研究していたレシピですか?」

「メイソンのゴタゴタがあって、止まってましたが、製品化に向けて、詰めていっても良いと思うんですよね。この前作った石鹸が固まってるか、皆で見に行きませんか?」


三人で裏庭に移動し石鹸の固まり具合を確認する。

良い感じで固くなっているけど、匂いはあまりよろしくないな。

実際に三人で手を洗ってみる。


「凄いですね!泡が出てきましたよ!」

「でも、これで汚れが落ちてるのか分かり難いね」


トールさんの意見で、俺のギトギトの頭を洗って試す。

銭湯で貰う粉も悪くないんだけど、やっぱり物足り無いんだよね。

石鹸を使ってさっぱりしたかった。

久々に使う為、泡立ちが悪くて二回使ってしまったが、二回目はしっかり泡だってさっぱりした。

めっちゃ、体も石鹸で洗いたいので、今日は石鹸を持って絶対に銭湯に行こうっと。


「気持ち良くて、夢中で洗っちゃいましたけど、しっかり汚れ落ちてますね。髪が軽いですもん。サラサラですよ!」


乾かした髪を触ってみるとサラサラしている。


「僕も触ってみて良いかな?」

「どうぞ」

「凄い、サラサラしているね」


リーザさんが顔を赤くしてモジモジしている。


「リーザさんも、触ってみてくださいよ」


嬉しそうに、近寄ってきて髪を触って、ニコニコしている。


「すごくサラサラしてますね!私も使ってみたいです!」

「そうですね、使用感とか、副作用も心配なので三人で使ってみましょう」

「この石鹸てお金になりますよね?」

「私が知る限りでは、石鹸を販売しているのは、王都にある錬金術ギルドだけです。主に貴族や金持ちに対して売っていて、一個100Gで販売しているそうですよ。なので売ったら絶対儲かりますよ!」

「じゃあ販路さえあれば、相当儲かりそうですね」


うちのギルドではいくらで売るのか、誰に売るのか、市場のマーケティングが必要だな。

安全性が確認でき次第、サンプルを配って、誰がいくらなら買うか調べてみよう。


「石鹸を作って、販売するにしろ、やはり人手が必要ですね。今のメンバーだと、現状の依頼をこなすだけで、他の仕事をやる余裕が無いですもんね」

「そうだね、石鹸レシピや製造過程については、秘匿内容だから、それこそ余程の信頼の置ける人じゃないと、任せられないね」

「ですよね。一度奴隷商で話を聞いてみますよ。ところで・・・あのー、リーザさん、そろそろ髪撫でるの、止めてもらえますか・・・」


リーザさんがまたシュンとしながら、俺の髪から手を離す。

なんか、メイソン邸から助けて以来、リーザさんの距離が近い気がする。

なんか、本当に気が許せる親友に俺がしてもらえたような、そんな信頼感をリーザさんから感じる。


「じゃあ、安全性が確認でき次第、石鹸のレシピをギルド本部に登録しようか。新規のレシピが開発出来たら、本部に届けなくちゃいけないからね。それは僕の方で書類を用意しておくよ」

「トールさん、よろしくお願いします。後、石鹸を大量に作るなら材料の手配も、必要ですよね」

「ブルースライムの液はミッツさんに発注して、オリーブ油は油屋で古い油が買えるって聞きました」

「一回で大量に油を注文したら、石鹸の材料が特定される恐れがあるから、複数のお店に少量づつ注文をだそう。ギルド名で買えば怪しまれる量じゃないはずだよ」


ある程度、石鹸の今後の方向性を決めて、プランさんにブルースライム液と油の注文をお願いしておく。

プランさんにも石鹸を一個渡して、感想をお願いする。


午後はプランさんに高額な依頼を聞いてそれを中心に作っていく。

今日、新たに挑戦するレシピはスリープポーション

名前の通り飲むと眠くなるポーションだ。

でもこんなの作って犯罪に悪用されないのかな?


スリープポーションのレシピ


ベゲタケ、三草、紫花、水、魔石

このベゲダケはキノコなんだが、これだけ食べても高い睡眠効果がある。

三草、紫花も同様にそれらを単体で使ってもある程度、睡眠効果が期待できる。

各種、計量し容器にい入れていく。

それらを均一になる様に乳鉢で擂り潰して、混ぜ合わせていく。


「錬金術!」


光が収まると、青いポーションが出来上がっている。

キュアポーションも青系ではあったが、こちらの方が薄い青で間違える事はないだろう。

その後も値段の高いポーションを中心に作っていき、今日は奴隷商に話を聞きに行きたいので、早めに切り上げ、プランさんに納品しに行く。


「お疲れさまです、今日の分の納品お願いします。」

「マスター、お疲れさま。マスターが作るの早くてほんと助かるわ。今、計算しちゃうわね」


一度、カウンターから裏に下がって、重そうな袋を持ってくる。


「今回の騎士団のラムさんの分の報酬が入っていから、確認してね」

「おお!」


数えてみると4000G入っていた。

今日の納品

キュアポーション 三個×75G

スリープポーション 三個×75G

ポーション 十個×5G

ハイポーション 三個×100G

マジックポーション 一個×300G

計1100G

これで所持金が7000Gを越えたので、引っ越しも出来そうだし、服や家具も揃えていきたいな。

ちなみにスリープポーションは医者が依頼をだしていたので、治療に使う様で安心した。


何時もより少し早くギルドを出て、教えてもらった奴隷商の店に行く。

奴隷商の店はこの町では三軒あり、どこも高級住宅地に近い商店街の端に建っている。

港に近いマーケットはテントで庶民の買い物の場で、町の上の商店街はしっかりしたお店になっている。

下で買うよりも、物価は高くなっているが、扱っている商品は質が良い物を扱っていて主に、お金持ちが買うらしい。


奴隷商館は綺麗な立派な建物だった。

相当儲かっていそうだし、なんか敷居が高いよな。

猫耳メイドの為に勇気をだして、呼び鈴をならす。

直ぐに綺麗な服を着た男性がやってくる。


「本日はどのようなご用件でしょうか?」

「奴隷の事について少しお聞きしたいんですが」

「畏まりました、こちらにどうぞ」


綺麗な個室に通され椅子に座る。


「で、今回は奴隷について聞きたいとの事ですが、どの様な事ですか?」

「私、錬金術ギルドのギルドマスター代理をやっている、ラムザールともうします。今回、当ギルドで雇用を考えているのですが、錬金術と言うのは秘密が多い物で、秘密を口外しない者を雇いたいと考えております。ただ、信頼とはなかなか目に見える物ではありませんので、絶対と言うことが有りません。そこで奴隷という制度に興味を持ちまして、お話を聞きに上がった次第です」


すると奴隷商の目の色が変わって、雰囲気もガラッと柔らかくなる。


「そうですか、そうですか、お若いのにギルドマスター代理とは凄い優秀なんですね」

「小さなギルドなんで、上が居ないだけですよ」

「ご謙遜を、それにしてもギルド費なんかも高額ですし、若いのに謙虚でラムザール様は素晴らしいですな」


最初は冷やかしだと思われてたな。

まー、この服で、この年齢なら当たり前か・・・


「ラムザール様のご明察の通り、奴隷は今回のラムザール様の秘密を守るという観点ではぴったりだと思いますよ。奴隷には奴隷契約のルールが有りますので、秘密を漏らすリスクは低いと思いますよ。余程、奴隷に恨まれない限り、裏切ることはありません」


奴隷商が饒舌になり、どんどん話始める。


「奴隷契約について詳しく教えて貰えますか?」

「まー、基本、その心配には及びませんが・・・。話は後にして、まず、実際にご覧ください!当館では美しい女性しかおりませんので、気に入ると思いますよ!ああ!勿論、その様な理由で探しに来ていない事は重々承知しております」


しばらくして、五名の女性が入ってくる。







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