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転生四日目

転生四日目


朝日差しが差し込み目が覚める。

体が痛い。

お風呂に入らなくなって4日目、さすがに限界だ。


ギルド宿舎のあるこの細い通りの真ん中辺りに、共同の井戸があるのでそこに水を汲みにいく。

桶に水を汲み、うんこ座りで桶に頭を突っ込みごしごし洗う。

体はタオルで拭く。

冷たい水なのでシャキッとする。


なんとか日銭を稼ぐ目処が立ったので今日からは生活の質を上げていきたい。

まずベット、服、歯磨き、石鹸、着替えをなんとかしたな。


昨日と同じ朝食を食べて、ギルドに行ってポーションを二個製作する。

これから午後のMPが回復するまで時間が出来るので、町を探索することにする。


「リーザさん少し町を見たいので出て来ますね」

「ラムさんはこの町は初めてでしたよね。

明後日の午後でよければ町の中を案内しましょうか?」


なに!?リーザさんからデートの誘いだと!


「ぜひ!お願いします。」

「じゃあ、明後日、私の仕事が終わったら声かけますね」

「楽しみにしてます!」


リーザさんの笑顔にこちらも最高の笑顔で返す。

たぶん爽やかに微笑んでいるはずだ。


そうすると明後日までにまず石鹸、着替えをなんとかしなくてはいけない。

臭い男なんて絶対モテないからね。


ギルドを出てリーザさんに教えてもらった露店が並ぶマーケットの方に歩いてい行く。


この町は港町で回りを山に囲まれており、西にある街道が唯一の陸路となる。

港がある海側から山側に向かい段々に家々が並んでいる。

港から山側の一番上には白い大きな屋敷が見える。

きっと、ここの偉い人が住んでいるんだろな。


ギルドからマーケットのある港方面に道を下って行くと、何処までも続く青い海が太陽の光を反射し、シャンデリアの輝きの様に輝いている。


ギルドから海に向かって下って行くと、だんだん賑やかさが況していき、威勢の良い声が聞こえてくる。


「お!!猫耳!!」


人間に猫耳と猫の尻尾が生えている一般的な猫獣人だ。

この世界が猫の二足歩行でなくて良かった。

いや、全身毛むくじゃらの猫獣人もいいんだよ、きっともふったら最高だと思うよ。

でも、ご飯に毛が入っちゃうし、掃除してるそばから、毛がつきそうじゃん。

違ったら、先に謝っておくね。

それに、メイド服を着せるなら、人間に猫耳の獣人かなっと。


さらに下って行くと大きな広場に出る。

ところ狭しとテントが建ち並び、色々な物が売られている。


果物屋は色とりどりのフルーツが並んでいて、日本でも見るオレンジ、赤いトマト位の大きさの果実、芋にトゲが生えた果物、ヒョウタン型の茶色い果実など、色彩を意識し並べられていて、見ているだけで楽しい。


あの背の低い人はドワーフかな?

ほとんどが人間だが、ドワーフや猫耳の人もちらほらいる。

ファンタジーの定番エルフは見当たらない。

猫耳はいるが犬耳はいない。


目当ての服と石鹸を探し、マーケット内をさ迷う。

大体、売る物で場所が決まっているようで服が並んでいる一画を発見し見に行ってみる。


結構な数の服が並んでいて、色鮮やかな服が多い。

黒、茶、なんて地味な色は数が少ない。

現代、日本だと白、黒、茶、紺なんて無難色ばかりきてしまう。

気付くと全身真っ黒コーデや、全身灰色、全身茶色なんてことになっている。


その中で無難な皆が着てそうな青い服を手に取る。

もちろん値段なんかは付いていない。


「すみません。この服いくらですか?」

「はい!いらっしゃい!その服は人気のデザインですよ。

さらに大変お買い得!たったの200Gです!」

「高い‥‥」

「180G!うーん!150G!ではいかがですか?」


黙っているとどんどん値段が下がっていく。

結構下がったけど、買えないけどね。

他の服の値段も聞いてみたけど、生地の良し悪しで値段が決まるようで、デザインはあまり関係ないようだ。


だいたい80Gから200Gくらいあれば一着買えそうだ。

とりあえず値段が把握出来たので次に石鹸を探しに行く。

石鹸を探していると肉の焼けた香ばしい匂いがしてくる。

ここの辺りのテントは飲食を扱っているようだ。


「一つ下さい」

「うちのリーザドサンドは最高だよ!」

「リザードなんて初めて食べますよ」

「鶏肉より身が締まってて噛めば噛むほどうまいぞ!」


昨日も同じような昼飯だったが、この匂いは反則でしょ!

かぶり付くと口の中に肉の焼けた香ばしい香りが広がる。

いやー、鶏肉みたいな味で旨い!


お腹もいっぱいになり、さらに石鹸探しを開始する。

見てるだけで楽しくて時間が経つのが早な。

そろそろ戻る時間なので石鹸探しは諦めギルドに戻る。


「今、戻りました!」

「おかえりなさい」


リーザさんが笑顔で出迎えてくれる。

「トールさんが探してたので、部屋に行ってみてください」


返事をしてトールさんの錬金術室に向かう。

トントン

「トールさんラムです」

「入って、ちょうど話があったんだ」

「なんですか?」

「明日に、薬草取りに行くんだけど、勉強の為にラム君も一緒にどうかと思ってね」

「ぜひ、お願いします!」


これは願ってもないチャンスだ。

町の外を見るには一人では心細かったから。


「じゃあ明日の日の出の時間にギルドに来てくれるかな」

「早いんですね‥‥」

「暗くなると危ないからね、夕方には帰ってきたいね」

「分かりました、起きれるかちょっと心配ですが頑張ります」


目覚まし時計があるならまだしも、そんな時間に起きれるかな・・・。


その後、ポーションを製作して計六個納品する。

リーザさんに気分が悪くないか心配されたので、これ以上数を増やすのは止めておこう。

当面は毎日、六個納品することにしよう。


ん?待てよ、八時間でMPが回復するなら朝六時、昼の二時、夜十時の計三回、錬金術を使えることになる。

夜の十時は真っ暗なんで異世界転生後はすっかりご就寝の時間だ。

この世界じゃ、明かりを点けて錬金術なんてしないかー。


「今日の給金60Gです。頑張りましたね」


はい!あなたに臭く思われたくないので頑張りました!と心の中で答えておく。

爽やかな笑顔を作って挨拶してギルドを後にする。


ギルドを後にして昨日の食堂にいく。

今日のメニューは焼き魚が大皿に盛っていたのでそれとビーフシチューのような物をチョイスしご飯を注文。

昨日と同じ8G支払い、昨日と同じ席に付くと

昨日と同じ女の子が注文を取りに来たので

昨日と同じドリンクを注文する。


「ねえねえお兄さん昨日も来てくれてたよね?」

女の子がドリンクをもって来たときに話掛けてくれる。


「そうだよ、最近そこの錬金術ギルドに入会してギルドの裏に住んでるよ」

「え!お兄さん錬金術師なの!お金持ちじゃん!」

「え?錬金術師てお金持ちなの?」

「違うの?錬金術師はお金持ちじゃないの?

あたしの知ってる錬金術師はみんなお金持ちだよ」

「そうなんだ。でも残念ながらなったばかりでお金は無いよ」


ちょっとガッカリする女の子。

え?!なんでガッカリするの?!

チップ!チップの制度があるの?!


「でもー今は無くても錬金術師ならそのうちお金持ちになるよねー」

ガッカリしたら自分で納得してニカっと笑う。

ソバカスがあって日焼けしていて茶色の髪の女の子。

なんかお金好きなのか?

まー、世の中お金がないとね。


「チップが出せるように頑張るよ」

「期待してる」

またニカと笑って席を離れていく。


自分の中で錬金術師お金持ちの言葉がぐるぐる回っていた。

トールさんそんなにお金持ってる様に見えないけどなー。


魚は白身でカマスみたいな味で美味しかった。

ビーフシチューみたいなのはちょっとピリ辛でこちらもうまかった。


お腹いっぱいになって外に出ると潮風がなんとも心地よかった。

さあ!明日は早起きだから寝るかなー。





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