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リーザ視点2

私、リーザはベルクドの町で錬金術ギルドのギルドマスターをやってます!

よく美し過ぎるギルドマスターてだって誉められます。

そこまですごく可愛い訳じゃないけど、人よりはちょっと可愛いかなっては思ってます。

髪には気を使ってるし、服もなるべく自分に似合った服を選ぶようにしてるし、日焼けしないように帽子を被ったり、夜寝る前にオリーブオイルで肌のケアもしたり結構努力してます。

もちろん可愛くなりたいのはトールの為だけど、女の子なんで可愛いて言われれば嬉しいです。

最近メイソン(豚野郎)のせいで人が辞めちゃって、錬金術の合間に、こうして受付で事務仕事もしなくちゃいけなくて本当に忙しい。


「よう!リーザ、ラムって奴はいるか?」

「ミッツさん、こんにちは。ラムさんですか?いますけど、ミッツさんが、ラムさんに何のようですか?」

「なんかブルースライムの素材採取の依頼が、冒険者ギルドに入ってな、俺が受けたって訳だ」

「そうなんですね、ラムさん呼んできますね」


ラムさんは最近私がスカウトした新人さんですが、新人とは思えない能力の持ち主で、ハイポーションも作っちゃうし、なんかトールと新しい錬金術レシピの開発なんかもしちゃって凄いな。

まー、それを見抜いた私が凄いのかもしれないですけど。

次の日、待ちにまった入札の結果が商業ギルドより伝えられる。


「今回、入札額がリーザさんのギルドが下回ましたので、こちらにお願いすることになりました。ポーション1000個、ハイポーション30個、マジックポーション30個。期日は五日後となります。期日に間に合わない場合、違約金が発生しますのでご注意ください。詳しくはこちらを読んで頂いて署名とギルド印をお願いします」


違約金は結構な金額で、次のギルドの更新に貯めたお金が全部無くなってしまう金額でちょっとびびってしまいました。

でも納品できれば違約金は関係ない!

ある程度は在庫があるので、皆で徹夜で頑張れば納品に間に合います。

さあ!皆を集めて早速作業に取りかかろう。


「プランさん、トール、レントさん、ラムさん、ギルドホールに集まってください」


あれ、ラムさんは??そういえば朝からどっかに出掛けていたような、あ!帰って来た。


「重大発表があります!実はなんと!騎士団の大口注文が当ギルドに決まりました!」


パチパチパチパチ

あれ?皆、反応薄いなー、これでギルドの存続が決まるのに、もーー!


「はい!皆も拍手ー」


パチパチパチパチ

うん、うん、皆も分かってくれて良かった。

私は皆にベルクド騎士団の受注した内容を伝えると、トールから数字が厳しいて意見がでる。

トールのいつも冷静な所が格好いい、冷静にフォローしてくれて凄く安心するんだけど、たまには強引に引っ張って欲しいなー。

その後、私は皆にテキパキ作業を割り当てる。


「それじゃあ、私達は早速ポーション作りに入りましょう!」

「「「おーー!!!」」」


この期間は一般受付を中止して、私も錬金術に集中する。

MPが切れるまでポーションを製作して、MPが回復するまで仮眠をとる。

深夜に起きてまたポーションを製作し始める。

いつもは寝ている深夜に作業するのは、凄く大変。

いつも以上に慎重にやらないと、すぐにミスしちゃいそう。

たぶん、皆も頑張ってくれてるから、私が弱音を言うわけにはいかない!

朝一、素材を手配しに行ったプランさんが、血相を変えてギルドに駆け込んでくる。


「リーザ、大変よ!薬草をどこも売ってくれないのよ!」

「??、プランさん、それてどう言うことですか?」

「素材屋の加工済みの薬草も売り切れだし、冒険者ギルドに納品された、生の薬草も売り切れなのよ!どうやらメイソンギルドが通常より高い値段で薬草を全て買い占めたそうなのよ!」

「え!?そんな事、、、」


私は頭が真っ白になる。

薬草が無いんじゃポーションなんて作れない。

全部買い占めたって、そんな事できるの?出来たとしてどれだけお金を掛けたのよ、、、。

これってギルド員の引き抜きから、このギルドを本気で潰しにきたってこと!?

トール、どうしよう、、、。


「プランさん、直接、冒険者に薬草の採取依頼をですのはどうでしょう?」

「トール、私もそれを思って、相談してみたんだけど、メイソンが圧力をかけてるみたいで、この四日間の薬草採取依頼はメイソンギルド優先の契約をしてるらしいのよ」

「じゃあ、冒険者ギルドでミッツさんに指名依頼するのはどうでしょうか?ミッツさんならメイソンの圧力に屈しないで、受けてくれる可能性がありますよね」


さすがトール、私が慌てている間に話を進めていてくれる。


「おはようございます!」


元気にラムさんが入ってくる、あれ!?なんかラムさんスッキリしてない?!


「ほら、リーザ、大丈夫だから、薬草の件は僕がどうにかするから、今は僕達に出来ること、ポーションを作ろう。リーザは一人じゃない、プランさんもノットさんもラム君も僕も居るんだから、一人でしょいこまなくて良いんだよ」

「ありがとう、トール。そうよね、、、皆がいてくれるもんね」


トールに励まされて、なんとか気持ちを立て直して、ポーションを作り始める。

でも色々な不安が頭をぐるぐる回ってぜんぜん集中出来ない。

そんな中、ラムさんが薬草を貰いに来る。

あれラムさんの部屋の薬草はもう無くなたのかしら?

一昨日の夜、棚卸しをした時は規定の量はあったはずだけど?

ラムさんも頑張ってくれてる、私ももっと頑張らなくっちゃ!

ポーション作りを再開するとラムさんが再度部屋に入って来る。


「リーザさん、俺が成長したんで、ポーション作りみてくださいよ」

「え!?」


その後、ラムさんが私に変わってポーションを作り始めたんだけど、凄く早くビックリした!

最近、錬金術を始めたばかりなのに私よりぜんぜん早い。


「早い、、、ラムさん早いです。私の倍以上のスピードで作ってます」


ラムさんが私に優しく微笑んでくれる。

その笑顔にドキッとしました。


「だから、一人で抱えこまずに俺や、トールさんノットさんもいますから、一緒にがんばりましょ」


落ち込んでる私を励ます為にラムさんは、私の部屋でポーションを作り始めたんだ、僕はこんなに早くポーションを作れるから、安心してくださいって、言いに来てくれたんだ!

そんなラムさんの優しさに、今まで新人で後輩だと思っていたのに、優しくて頼りになるラムさんの見る目が変わりました。


「そうですね!まだ諦めるの早いですよね!元気でてきました!ありがとうございます!」


その後、プランさんが冒険者ギルドから帰って来ましたが、どうやら駄目だったようで、トールとラムさんが薬草採取に明日、行くことになりました。

私の父も自分で素材採取に行ったきり、戻って来ませんでした。

だから、また大切な人を失うんじゃないかって、不安で仕方がないです。

メイソンの罠に嵌まった自分が情けなくて、許せなくて、もう押し潰されそうだけど、頑張ってくれている二人の為に、少しでも助けになりたくてお弁当を作ることにしました。

ポーション作りの合間にマーケットに、買い出しに行ったけど、微妙な時間でお店もやってなくて、港まで行って漁師さんになんとか、獲れたての魚を分けて貰うことが出来て良かった。

後は家にある、お米とジャガイモでなんとかお弁当を作って、

ギルドに戻ってトールに渡します。


「トール、私の大切な人が、お父さんに続いて貴方も帰って来ないんじゃないかと、不安でしょうがないの、、、もう依頼は諦めていいから、行かないで欲しい、、、」


泣きそうになりながら、何とか言葉を伝える。


「リーザ、僕も君の事を大切に思っている。だからこそ行かなくっちゃ行けないんだ。この依頼に失敗したら違約金の他にもメイソンが、どれだけ金額を要求してくるか分からない。たぶん、今回僕たちにした妨害工作に掛かった費用は、請求してくるだろう。君を借金奴隷になんかさせないから!」


トールが決意の表情で私の目を見つめてくる。


「君がなんと言おうが僕は行くよ。大丈夫、必ず帰ってくる!」


私が借金を背負えば、それで済むならもう、そうして欲しい。

だけど私はトールの目を見たら、それ以上引き留める事が出来ない事を悟った。

トール無事で帰って来て。


「おはようございます!」


ラムさんがやって来て元気に挨拶してくれる。

今日もラムさんはスッキリしているけど、なんでそんなに元気なの?もしかしていっぱい寝ているの

・・・そんな訳、ないよね、きっと皆を元気付ける為に頑張ってくれてるんだ、ありがとうラムさん!


「ラムさん、お弁当作ったので食べてください」


私は感謝の気持ちと、無事を祈ってラムさんにお弁当を手渡すと、ラムさんは凄く喜んでくれた。

こんな事でこんなに喜んでくれるなら、帰って来たらちゃんとした料理を作ってあげたい。

残った私に出来る事は二人の無事を祈りながら、ひたすらポーションを作る事だけ。






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