表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/33

地獄のような時間と後悔



楽勝だと楽観していた部分は確かにあった。



進化種の脅威については理解しつつも所詮はスライム種、しかも元々が雑魚なポイズンスライムだから能力の向上があったとしても高が知れていると…本気でそう考えていた。



村が半壊したのだって、進化というアドバンテージがあっただけだと…



しっかりと遠距離からの行動を意識すればやれない相手じゃない…いや、むしろ楽勝すぎる相手だと考えていた。



だから、村の中で戻るかどうか話していたあいつらを見つけた時、心の底から馬鹿にした。



そもそも、役にも立たない道化師をパーティーメンバーに加えていながら俺たちより上にいるのが気に食わなかったのもあるが、臆病風に吹かれたんだと嘲笑った。



…だが、結果は…



「…ぅッ…ぅぅぅッ…」



「…ぁぁ……た…たす……け」



そこら中から聞こえる“パーティーメンバーの虫の息のような声”。



俺自身も既に体を動かせないくらいのダメージを負っていた。



……何もかもが間違いだった。



これは経験したから言える実体験談。



あいつらは臆病風にふかれたんじゃなく、英断をした。



俺たちは勇敢ではなく、無謀に挑んで敗北した。



それが現実だった。



「ぐ…ぐぞぉぉ…ぉ…ッ」



俺は悔しさと後悔で泣いてしまう。



泣かないわけがない。



可能なら、数時間前の俺をぶん殴り、今直ぐにでもギルドに戻って対策を練るように報告すべきだった。



何故なら、俺は“こんな状況になる不安要素に気がついていた”のだからッ…



ジュゥゥゥウゥゥゥウっ



あの化物が、捕食する音が聞こえる。



…喰ってるのは間違いなく俺のパーティーメンバーだ。



…俺の驕りのせいで…これまでの栄光も頑張りも…大切なあいつらも全滅に追いやってしまった。



それが何より悔しいッ…



ただただ、捕食される順番を待つしかないこの身が…ただただ情けない。






評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ