王太子殿下と転入生
転入生はすごく美少女
戦争があってから一ヶ月が過ぎました。今日はなんと、学園の、私達のクラスに転入生さんが入って来るそうです!なんでも元は庶民で、その美貌を買われ子供のいない侯爵様の養女にされたとか。まあ、その侯爵様と妾の庶子という話もありますが。どんな綺麗な子なんでしょう。楽しみです!
「エルシー、同じ教室に新たな仲間が加わるようだな」
「ミーリク殿下、嬉しいですね」
「いやー、どんな子なんだろう?楽しみだよねー」
「まあ俺たちはミーリク殿下とエルシーの害にならなければそれでいいがな」
「でもめっちゃ綺麗な子らしいよー?シューリク、簡単に惚れちゃダメだよー?」
「何を言う。俺はそんなに軽い男ではない」
戦争はありましたが、こうしてまた皆様と和やかに話をできて、とっても嬉しいです!
そして学園の鐘が鳴ります。いよいよ朝礼開始です。転入生さんが早速入ってきます。わあ!すごく可愛らしい綺麗な子です!
「じゃあ早速ですが、皆様に紹介します。転入生のオリガ・オーブルチェフさんです。」
「あ、え、えっと!オリガ・オーブルチェフです!気軽にオーレチカと読んでください!よろしくお願いします!」
「じゃあ席は自由だから空いている好きな席にどうぞ」
「は、はい!」
オーレチカさんがストロベリーブロンドの髪を揺らしてこちらに来ます。フェリューシャ様のお隣に来ました。
「あの、お隣いいでしょうか?」
「あ、うん、どうぞー。おいでおいで」
近くでみると益々可愛らしいです!高い鼻とぷっくりとした唇、歯並びの良く小さなお口。なにより真っ赤な瞳がストロベリーブロンドの髪とマッチしてすごく綺麗です!でも、私に目を向けて一瞬あれ?という顔をしました。どうしたんでしょう?
「やあ、はじめまして。僕はフェーリクス・カントロフ。オーレチカちゃんだよね?これからよろしくー!」
「は、はい、改めまして、オリガです!よろしくお願いします!」
「はじめまして。僕はミロスラフ・アントノヴィチ。これから学友として仲良くしよう、オーレチカ君」
「はじめまして。俺はアレクサンドル・イグナチャフ。これからよろしく頼む」
「はじめまして、アリス・ウォーカーです。これからよろしくお願いします!」
「はい、よろしくお願いします!」
わあ、こんな綺麗な子とお近づきになれるなんて嬉しいなぁ!
「私、庶民上がりで、貴族社会については何も知らない世間知らずなんですけど、お友達になって仲良くしてくださると嬉しいです!」
「もちろんだ、よろしく頼む」
「よろしくねー」
「ああ、よろしく」
「よろしくお願いします!」
そうするとまたあれ?という顔をします。どうしたんでしょう?
「ところであの、アリスさんはフェーリクス様とアレクサンドル様とミロスラフ様とどんな関係なのでしょう?」
きょとん、とした顔で聞いてくる。ああ、男性ばかりの中に一人だけ女性がいたから驚いていたんですね!
「ああ、さっきからエルシーを気にしていると思ったらそういうことか。別に何のことはない、僕の婚約者だ」
「えっ…婚約者ってアグラーヤ・バクーニナ様じゃないんですか!?」
「あっははは!本当に世間知らずさんなんだねー」
「こら、フェリューシャ。失礼だろう。すまないな、オーレチカ。フェリューシャには悪気はないんだ」
「あの、私、最近婚約者に決まったばっかりなんです。だから気にしないでください!」
私がそう言うとオーレチカさんは驚いた顔をした後すぐに申し訳なさそうな顔をしてぺこりと頭を下げてくれました。
「そうとは知らず申し訳ありませんでした!ごめんなさい!でも、あの、えっと…仲良くしてくれると嬉しいです!」
「もちろんです!オーレチカさんって呼んでいいですか?」
「はい!もちろんです!私もエルシー様って呼んでいいですか?」
「もちろんです!」
女の子同士仲良くなれてとっても嬉しいです!ミーリク殿下達もそんな私達を微笑ましく見守ってくださいました。
さてこれからどうなるか