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王太子殿下と戦争

戦争

あれから一週間が過ぎました。今日は戦争が始まる日です。とりあえず一週間分の魔力石は貯めておいたので、これでなんとかなるんじゃないかと思います。


「エルシー。本当に大丈夫か?」


「はい、任せてください」


「エルシー。アルーシュカ。私が公平に審判をくだすからここで魔法を使ってくれ」


「は、はい」


そうして戦争は始まりました。私はまず魔法石を使って国内全体的に結界を張ります。建物も人も動物も、みんなを守ってくれる魔法です。もちろん軍の人々にも本陣にも結界を張ります。これで結界が壊れるまではこの国の人が怪我をすることはないです。


「ほう、結界を張ったか。これで国民を守れるな。ありがとう」


「はい!一生懸命頑張ります!」


「さすがエルシー、優しいな。それに軍人にも結界を張ったのだから、十分戦争でも国に貢献出来ている」


「よかったです!」


「貴女は守りを固めるのね。では私は敵を殲滅致しますわ」


そういうとアルーシュカ様は敵に向かって風の刃を振りかざしました。まだ遠くて見え辛い位置にいますが、血飛沫がたくさん飛んでいます。続いて雷を撃ち込みます。さらに水責めもしています。あちらでは炎の柱が上がっています。…すごい。


「…す、すごいですね」


「高位貴族として、戦争で活躍し国に貢献するのは当然ですわ」


そういいながら攻撃の手を緩めないアルーシュカ様すごい…。これ、私勝てるかなぁ。


「きゃー!」


「市内で悲鳴が!」


「敵が転移魔法を使って入ってきたんだ!」


「ですがエルシーの結界のおかげで誰も怪我を負ってはいないようだ。建物も動物も無事だな」


アルーシュカ様は少し悔しそうな顔をされましたが、すぐに切り替えて市内に入ってきた敵を殲滅します。私は薄れた結界を張り直します。


「アリスさん、さすがですわ」


「ありがとうございます。アルーシュカ様もすごいです!」


「でもね、私、貴女に負ける訳にはいかないの。ごめんなさいね」


「えっ、あっ…えっと…」


「さ、市内の敵は殲滅できたし、あちらから突撃してくる人達も倒さないとね」


「え、えっと、軍の皆様も結界を張ってあるので怪我はしないはずです、頑張ってください!」


ミーリク殿下との婚約がかかっているのです!負ける訳にはいきません!私が結界を張った人が戦果を上げればそれも私の貢献になるのです!頑張ってください!


「うーん、さすがこの国でもトップクラスの魔力保持者同士。今のところ接戦だな」


「国王陛下、今のところどちらが優勢ですか?」


「今のところはアルーシュカだな」


「それは良かった」


「そ、そんな…」


「アリスさんも頑張ってね」


「は、はい!」


「でも、この調子でいけば私の勝ちかしら。もし私が勝ったら約束を守ってね」


「も、もちろんです!でも絶対負けません!」


「そう。頑張ってね」


敵からの遠距離攻撃もついに来ました。でも私の結界の力で負傷者は誰もいません。


「結界張り直します!」


「おお、いいぞいいぞ。どんどんやれ。それによって国への貢献になるからな」


「アリスさん、やりますね…でも私だって!」


アルーシュカ様はどんどん敵を殲滅していきます。


そうして、この防衛戦は私達の勝ちで終わりました。国を守ることが出来ました!


「国王陛下」


「ああ、公平に判断を下そう」


「…」


みんなが固唾を飲んで国王陛下の審判を待ちます。


「この勝負。…僅かの差で、エルシーの勝ちだ」


「…あー、よかったぁ」


「やった!エルシー!やったな!」


「はい!」


「そ、そんな、どうして…」


「何の罪もない民や建物や動物を守ってくれたからな。それに軍人達もエルシーの結界のおかげでガンガン敵陣に突っ込んでいけたからな」


「そう…ですか。わかりました。私は身を引きます」


こうして国に平和は訪れ、ミーリク殿下との婚約も守れました!よかったです!

平和になりました

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