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王太子殿下とお披露目式

お披露目式

あれから一週間が過ぎました。今日は正式にミーリク王太子殿下の婚約者として認められる日です。そして私のお披露目式の日です。緊張するなぁ。


「エルシー。ドレス、とても似合ってる」


「あ、ありがとうございます」


「そんなに緊張しなくていい。大丈夫だから肩の力を抜いて」


「は、はい」


そうしてお披露目式は始まりました。まず国王陛下と王妃陛下の前で正式にミーリク殿下の婚約者となることを誓います。緊張します。


「これから先、苦労も多いだろうがミーリクのことをよろしく頼む」


「はい!一生懸命にミーリク殿下をお支えします!」


「ミーリク、ちゃんとエルシーちゃんを守って差し上げるのですよ」


「もちろんです」


「ではみんな!今日はミーリクの正式な婚約者が決まった喜ばしい日だ!存分に騒ぎ楽しむがいい!」


こうして誓いの儀は終わりました。ここからはみんなでパーティーを楽しむ時間です。


といっても、王太子殿下の婚約者になった私と、ミーリク殿下の元に貴族の皆様が群がってきましたのであまりゆっくりは出来ませんでしたが…。


「…アリスさん、はじめまして」


人だかりがある程度引いた時、なんだかすごく優雅な雰囲気のご令嬢が現れました。


「あ、はじめまして。私はアリス・ウォーカーです。えっと…」


「私はアグラーヤ・バクーニナ。気軽にアルーシュカと呼んでくださいね」


「あ、は、はい!よろしくお願いします!」


「ええ、よろしくお願いします」


アルーシュカ様はすごく綺麗な笑顔で挨拶してくださいますが、なんだか雰囲気が刺々しいです。


「この度はご婚約おめでとうございます」


「ありがとうございます」


「でもね、貴女が現れる前は私が婚約候補者の筆頭だったのよ?私、公爵令嬢の中でもトップクラスの魔力保持者だったの。当然よね」


「えっ、あっ…えっと…」


「アルーシュカ、それは…」


「いえ、いいの。それだけなら私は身を引くつもりだったのですもの」


でもね、とアルーシュカ様は悲しそうなお顔で一度俯いてしまいました。


「内々の話だけれど、隣国がうちの国に目をつけたみたいなの。いきなり経済的にも豊かになり、民の暮らしもより良いものになったのですもの。当然よね。だから近々、戦争が起きそうなの」


「え、それって…」


「ええ。貴女のせいで戦争が起こりそうなのよ」


「違う!そんなことはない。エルシーは皆のために…」


「わかっています。でも、それでもこれが現実なのです。だから私はただでこの婚約を認めるわけには参りませんの」


「そ、そんな…私のせいで…」


「だからね、勝負をしましょう?」


「え?」


「この戦争でどちらがよりこの国に貢献できるか。国王陛下に判断していただくの。もし貴女が勝ったら素直に身を引くわ。でも私が勝ったら貴女が身を引いて。どうかしら?」


「何を言っているんだ!そんなの認められない!」


「そうだよねー。ちょっと有り得ないかなー」


「アルーシュカ様、どうか大人しく引いてくれませんか」


いつの間にかシューリク様とフェリューシャ様が加勢しにきてくださいました。…でも。


「その勝負、お受けします!」


「え!?」


「エルシーちゃん!?」


「エルシー…?」


「私のせいで起きる戦争なら、私も何かしら力になりたいのです!それに、そんな状況なのに一人だけ婚約に舞い上がってるんるん気分でいるわけにもいきません!」


「じゃあ、決まりね。ということです、国王陛下」


「そうか、なら公平に判断を下そう」


「ち、父上…」


「なに、エルシーの決めたことだ。エルシーを信じてやれ」


「…わかりました」


「戦争が始まるのはおそらく一週間後よ。貴女も存分に準備してきてね」


「はい!」


なんだか偉いことになっちゃったけど、頑張るぞー!おー!

偉いことになりました

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