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ギタリストとリペアマン  作者: ハル
1/2

恋と加入と専属は同時にくる

処女作です!!


いやー。こんな事があったらいいなと妄想膨らまして膨らましすぎたから書きました。


呼び方は

深弦→みつる

隣→りん

咲樹→さつき

輝夜→てるよ

です。

 俺こと深弦は中1の時に古いギターを買った。三日で壊れた。幸いボリュームポットの半田が取れただけだったからはんだをつけ直したら治った。

 その3日後ナットが折れた。流石に直せなさそうだったから修理にだそうとした。そうしたらもう1本このギターが買えそうな値段になることを知った。それを知って修理に出すのは諦めた。

 その日の夜に音楽好きの親の前でギターの修理方法を習いたいなぁって言い出してみたら大手ギター会社のリペアマンスクールに通うことになった。


 三年たって俺は高校生になった。リペアマンスクールも無事卒業して、性にあってたのか大手ギター会社の公認リペアマンになれた。そうしたらそこが売り出しちゃっていろんなアーティストのリペアマンになってくれと言われるようになった。専属とかそういうのも、ギター弾く時間が削られるのも嫌だったからこんなことを言ってやった。

「俺は富や名声、金のためにリペアするんじゃない。俺が仲間だと思えるやつのためにしかリペアする気はねぇ。」

 今思うと中二病だったと反省している。

 でも一人だけあきらめなかった奴がいた。しかも同じ高校に転向してくるくらいに熱心なヤツだった。


 秋月 隣。コイツはいろいろおかしいヤツだ。名前も最初漢字を疑ったよ。なんで「凛」とかじゃないんだよって突っ込んだら「隣にいて欲しい人に隣にいてと言える子に育つように」って意味だって言われて納得してしまった。


「なぁ、みーくん。いい加減ボクのギターのリペアだけじゃなくてバンドのギタリストにもなってくれよ。」

 いつものように屋上で昼ご飯を食べていたら隣が隣に来た。文字で見ると「隣」「隣」うるさいって?気にするな。

「だから、なんで先輩のバンドのギターまでしてやらないといけねぇんだよ。俺はリペアマンだぞ?リン先輩が求めてるようなギターテクニックは持ってねぇよ。」


「だから...。その...いいだろ!君が居ればボクは嬉しいんだよ!それに!先輩はいらないって言ってるだろ!」


 何いきなり怒ってるんだ?リンは。

 リンはこう見えて大人気3ピースバンド「サイコパス」のギターボーカルをしている。

 身長は158cmで腰まで明るい茶髪を伸ばしているボクっ娘だ。

 いや、普通に可愛いんだよ。今も顔を赤らめてモジモジしてて本当にそそられる。

 ...ん?モジモジ?

「リン?大丈夫か?」

「言える分けないじゃないか...ボクが君を好きだから少しでも一緒にいたいなんて...。でも、言わないといけないんだよね...。」

 何を言ってるのか小声すぎて解らないがとりあえず何かを悩んでるのはわかった。

「リン?またギター壊しちゃったの?」

「ふぇ!?壊してないよ!?」

「なら何を悩んでるの?」

「な、何でもないよ!!」

 ふむ...。何を考えてるんだろう。

 ギターじゃないとしたら...。

「恋したのか?」

「うぇ!?......うん。」

「誰にしたんだ?」

 リンちゃんを誑かしたやつ...絶対に許さん。ギターやれ、リペアマンになれってずっと言ってくるけどリンちゃんは可愛いんだ。

「キミに...なんて言ったら驚く?」

「悪質な冗談だね。」

 もし本当だったら校庭の真ん中で全裸で逆立ちしてやるよ。

「じ、冗談なんかじゃないよ!」

「本当に?」

「本当に!もうこの際だからいうけどね!ボクは君の荒削りなギターと正確無比なリペアの技術に惚れて君の隣にずっと居たいから君をバンドに誘ったんだ!他のメンバーだって納得してる!」

 まじかよ。校庭の真ん中で逆立ちなんて誰が言ったんだよ。あ、俺か。

「んー。リンの想いは受け取るよ。俺も好きだし。」

「じゃぁ!リペアマンの話も「まって!」...え?」

「ほかのメンバーにも会わせて?俺の信条は知ってるだろ?」

「仲間のためにリペアする。」

「そう。ほかのヤツらがいけ好かないやつだったら俺はリンのリペアしかこれからもしないし、ギターも弾かない。」

「わ、解った!放課後にスタジオに行こう!」

「あぁ。」


 という事で高校から三十分で行けるスタジオに来ました。

 なんと言うか...。キャラが濃いわァ...。

「あら?ボクっ娘のリンリンが連れてくるから可愛い顔の子なのかなって思ってたら...男前じゃなぁい。この子が例の最年少リペアマン?」

 ベース担当の西田 咲樹は舌なめずりをしながら言った。

「咲樹!みーくんはボクのだからな!」

「でもみーくんとりんちーは結婚してないんやろ?ほんならまだ別れさせて付き合える可能性があるっちゅうわけやな?」

 ドラムの小野寺 輝夜がいった。関西弁はネタじゃなくて本当に関西出身だからこうしているらしい。

「みーくん!今から結婚しに行こう!それか指輪付けよう!」

 リンが顔を赤くしながら言い返してる。可愛いなぁ。

「リンリン。そんなに心配なら首輪でも付ければいいじゃない?」

「咲樹さん。それは洒落にならないのでやめてくださいっす。それとリンは本気にするな!指輪なら今度の土曜日にでも買いに行けばいいだろ?」

「あー。見せ付けてきおるよ咲樹ー?ブラックコーヒーが飲みたいわ。」

「リンリンはスキンシップ好きだからハグとか積極的にしてあげてね?」

 もうキャラ濃すぎですアンタら!でも明るいな...楽しい気分になってくる。

「アハハハ!」

「どどどどどうしたんだいみーくん!?」

「リン。俺はサイコパスなら専属になってもいいと思えたよ。」

「本当かい!?」

「あぁ、ツアー行くならついていってもいいくらいだ。」

「いいこと聞いたわぁ。来月から全国ツアーやからな?覚悟しとき?」


 なにか選択を間違った気がする。


 何日か経って、サイコパスの面々とも仲良くなってきた頃スタジオを出る時に咲樹に話しかけられた。

「ねぇ。このベース何やけど、なんか弦がビビるのよ。直してくれない?」

「んー。ネックはストレート?」

「えぇ。」

 困った。フレットが磨り減ってそうなっているのか、弦高が低いだけなのかここではわからない。

「一旦持ち帰っていいか?フレットを交換しなければ行けないのなら時間はかかるけどそうじゃなければ明日には持ってくるよ。」

「あら、ずいぶんと早いのね?」

「俺はギターを専門にやってたけど、別にギターしか出来ないわけじゃないからな。」

「ならお願いしようかしら...。弦高はできるだけ弄らないで欲しいのだけれど...。」

 咲樹が心配そうに言ってきた。

「わかった。出来る限り善処しよう。」

 咲樹はありがとうといってケースごとベースを渡してくれた。

「咲樹さん...。もう少し用心深くなれよ...。もし俺がこいつを壊したらどうするんだよ。」

 商売道具である相棒を他人にほいっと渡せるなんてマジかよ...。

「あら。私はあなたを信用しているもの。」

「出会って数日しか経ってないのに?」

「あの可愛い可愛いボクっ娘のリンリンが惚れた相手よ?いい人に決まってるじゃない。」

 何とも照れる信用の仕方だな。でも信用には答えなくてはな。

「んじゃ、明日には直してくるよ。」

「えぇ。お願いね。」


 家に帰って両親と飯を食ったら直ぐに自室に引き篭もった。俺の作業部屋であり寝るところでもある。

「深弦ー?可愛い女の子が来てるわよー?」

 お母さん...。その言い方はないでしょ...。てか誰だ。今からテンション上げてこうと思ってたのに。

「はいよー。今行くー。」


「やぁ、来ちゃった。」

「来ちゃった。じゃねぇだろ...。」

 なんと隣が家に来ていた。

「てか、リン。家近くにあるのか?」

「ん?歩いて十分くらいの所にあるかな?」

「え?昔からなの?」

「いや?最近だよ?」

「なんで引っ越したんだ?」

 俺と一緒にいるためとかだったら抱きしめるわ。

「き、きみと一緒に登校したいなって...。」

 リンが言い終わった瞬間に抱きしめた。

「なななな!何するんだい!?」

「明日から一緒に登校しようね。」

「うん...。」

「深弦?玄関で抱きいってないで入ってもらえば?あと、恋人でもない人に抱きついてるなら絞めるわよ?」

 いい所だったのに...。


「さあ、入って入って。」

「お、おじゃまします。」

 リペア開始!さぁ、テンション上げていこうか!

 俺は曲をコンポからかける。

「あれ?これ...。」

「サイコパスの曲だよ。全部集めた。」

「ぜ、全部!?」

「何驚いてるんだよ。まだ発表してないとはいえメンバーになったんだ。全部の曲パワーコードで合わせられるように練習してるよ。」

「そんな熱心にやってくれてたんだ...。それなら次のツアーで披露してもらおうかな?」

「そこら辺はメンバーで話し合おうよ。」

 リンはそうだねと言ってベッドに座ってこちらを見ている。

「それで、どうだい?咲樹の相棒は。」

「んー。まぁ、フレットが減ってるな。リフレットするべきだ。」

「なら咲樹に言っておくよ。どれくらいかかるんだい?」

「明日には持っていけるよ。」

「そうかい...。」


 磨り減りに強いステンレス製のジャンボフレットを用意する。

 フレットとネックの隙間をカッターで切る。そうする事で塗装まで剥げることを阻止することが出来る。

 そうしてフレット抜き用の工具を使い少しづつ取っていく。

 その後にフレットの溝を掃除する。溝を切り直す必要は今回はなかった。

 後はフレットをはめていき、食い切りでフレットの端を切り、45度位の傾斜に削る。

 ネックを持った時フレットの端で手を怪我しないようにする。

 そうしてからハイフレット以外のフレットが全て同じ高さになるようにネックをマスキングしてから削る。因みにハイフレットは少し削り気味にするといいぞ。

 そしてフレットの山を出すためにまた削り、コンパウンドで磨きマスキングを外したら完成だ。

 文字で見ると簡単そうだけどやると結構面倒くさいんだぜ。


「リン、終わったぞって...寝てるし。」

 くー。くー。と可愛い寝息を立てて寝ていた。まぁ、深夜4時だし眠くなるか。

「明日になったら起こしてやるからゆっくり寝とけ。」

 さぁ、悶々とするであろう二時間半を般若心経で凌ぐとしようか。

登場人物の呼び方

深弦→みつる

隣→りん

咲樹→さつき

輝夜→てるよ


です。

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