テスト始めます。
「ようやく試作機の完成か・・・」
技術士班は疲労困憊で床に座り込んだ。
最後の1週間はほぼ不眠不休で組み立てを行ったのである。
「OSも完璧だよ。何時でも起動出来ると思う」
コクピットから頭だけ出してメンバー全員に大声で叫ぶ。
大仕事からの解放に喜びの声を騰げる技術士班。
リアルで夜に慰労会をやろうと段取りを決めていく年長組。
と、そこに、
「お疲れ~。今後の日程表が出来たから確認して、意見あれば言ってね」
と、この拠点の持ち主で全体のリーダー(リアルでは下町の工場経営者)で副職が作戦総司令のガタイの良いオッサンである。
まだ喋っているが配られた日程表を確認する。
・テストは4人で交代制で行う
・1人2日間で動作や整備の確認
・同時並行で余ったメンバーが新兵器の試験と開発を行う
智幸は最後のテスターになっていた。
そのため最後の最後に1つ試験を行うことにした。
試作機フレームは
″F-001-T″と名付けられた。
智幸はこのテスト結果が、机上算出よりも良ければベース機として開発して、さらには試作機フレームを個人で改造しようと企んでいる。
話し合いの結果、テスト開始が二日後に決定した。
最初の2日間は整備士班が担当。性能テストに整備の確認、摩耗、損傷の著しい箇所を洗い出す。スペアパーツの製作目標を設定して技術開発班に資料提出。
性能は机上算出より10%高い数値データが取れた。
テスターも「乗りやすくタイムラグ無く反応してくれる」と評価。
整備面では「耐久性の向上と複雑化された部分の簡素化の要望あり」が整備班全員の意見であった。