戦闘始まります。
誤字、脱字はご容赦下さい
『左翼の第2陣が崩れる』
『・・・ガガ・・・、こちら側からも確認出来た。司令部からの指令はないのか?』
『・・・もう指示は出てるよ。詩織に行ってもらうから大丈夫だよ。それより準備はO.K.?』
『狙撃位置に到着。いつでもいけるぜ!!』
漆黒の機体が狙撃銃を構えて合図を待つ。距離は約2Km、狙いは左翼を崩している敵部隊隊長機。その機体だけ色が違うからだ。
「・・・さて、俺達がこの群雄割拠の時代で最強の傭兵集団って事を教えてやるよ!!″雑賀衆″赤井直樹、戦闘開始の合図を奏でるぜ!!」
ドン!!と腹に響く音が辺りにこだまする。少しして爆発音が聞こえてきた。
スコープで隊長機の沈黙を確認してから狙撃銃を肩に担ぐ。
肩には三本足の鳥のエンブレムが描かれている。
日本の神話に出てくる八咫烏。
このVRゲーム『群雄割拠』最強傭兵集団″雑賀衆″の旗印である。
狙撃の音が″雑賀衆″の戦闘開始の合図となった。
敵部隊隊長機が狙撃で崩れ落ちるように倒れて爆発すると戦線が一瞬止まる。
しかし、その一瞬がこの戦場を″雑賀衆″の独擅場にしてしまう。
新たに深紅の重厚な機体が左翼敵部隊を薙ぎ払っていく。
肩には八咫烏のエンブレム。
「最強ギルドと云われる″風林火山″もこの程度なの?・・・つまらないよ」
『・・・そのまま敵本陣に突貫しないでね。私が邊ちゃんと智に怒られるんだから。・・・聞いてるの!!』
『・・・ガガ・・・私が仕上げをしてくるから~、直樹、援護宜しく』
『突っ走るな!!あいつに誤爆されても知らんぞ』
『・・・ガガ・・修理費は自分持ちなら突っ込んでも良いよ(笑)』
無線からケラケラと笑い声が聞こえくる。
無線からは下らない罵声しか聞こえてこない。
『・・・ガガ・・全員指示を聞きなさい!!修理費と弾薬費、諸経費諸々、自費にするわよ!″雑賀衆″の内務は私が全てを指揮してるんだから。判った?・・・判ったら指示通りに動け!!』
4人のパイロットは頷くだけで一言も発しないで作戦を実行していく。
″雑賀衆″VRゲーム『群雄割拠』に突然現れ、僅か半年で最強傭兵集団の地位を確立した素性が殆ど解らない集団だが、金さえ支払えば期待以上の戦果を上げるため、どのギルドも大事な戦の前には交渉を持ち掛けてくる。
少数精鋭のこの集団。彼らの戦闘はまだ続いていく。