表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
55/56

中『原』式日语:お金に『紧张』する? 对钱紧张?

 さて、久しぶりに真面目に日中同形異義語について触れていこうと思う。

 今回は日本語にも中国語にもある漢字熟語で、同じ意味のときもあればそうでないときもあるものを取り扱う。


●原因 yuan2yin1 理由


 原因という言葉は中国語ではよく「我之所以……,就是出于这个原因 私が~したのは、こういう原因に端を発する」というような形で使われるので、中国人が日本語を話すと日本語の「原因」を同じように使って「私が●●したいと思った()()は」というような表現をたまに耳にするのだが、この場合は「理由」の方がふさわしいのではと思う。「原因」は「事故原因」とかもっと悪いことに対して使うイメージがある。


●接触 jie1chu4 関わり


 接触というのは何と何かが触れ合っているという意味では日中どちらも同じような使い方をするのだが、以前ある中国人と日本語で話しているときに


「学校であまり日本人との()()はないです」


 こういう「接触」という言葉の使い方を聞いたことがある。これを聞いて日本人の皆さんも文脈から「ああ、()()()がないのだろう」と推測できるかもしれないが、日本語としてはやはり「関わり」とか言った方が自然だろう。

 中国語の「接触 jie1chu4」には人と関わるという意味があり、开始接触周围的人 kai1shi3jie1chu4zhou1wei2de0ren2と言えば「周りの人と関わり始める」という感じになる。

 日本語の接触は「接触事故」とか「オレオレ詐欺グループのリーダーと接触」というような「触れてはいけない・関わってはいけないものに触れる・関わる」というようなニュアンスがあるので、ただお喋りするとか普通に関わるだけなら「関わる・関わり」でいいだろう。


●出现 chu1xian4 出てくる


还没出现! Hai2mei2chu1xian!(まだ出てきてない!)


 日本人がこんな言葉を聞くと「なんだ、海の中に怪獣でもいるのか!?」とか誤解しそうだが、日本語の「ゴジラ出現!」とは違って、中国語の「出现」は「出现错误 chu1xian4cuo4wu4 エラー発生」とかもっと軽い()()()()ぐらいの意味合いで使われる。

 「表现 biao3xian4」という言葉も日本語の表現と微妙に違って、「態度、表れ」みたいなものを表すときもある。

「青春期的时候有什么()()? 思春期何か()()はありましたか?」

 この「表現」という言葉の使い方に着目してほしい。日本語では「表現」という言葉は芸術や行動による主体的な表現活動というニュアンスがあるが、この「表现」はどちらかと「態度」みたいな意味であまり大げさなものではない。鼻ピアスしてキンパに染めても、反抗的な態度で親の言うことに一々突っかかるぐらいでも「表现」だ。


●严重 yan2zhong4 深刻


 日本語の厳重と言う言葉は厳しく(strictly)という意味で「厳重警戒」、「厳重に管理する」などかなり硬いイメージの言葉だ。

 一方中国語の严重 yan2zhong4には厳しい(severe)という意味もあるのだが使われ方が違う。

 例えば「严重事故 yan2zhong4shi4gu4 重大な事故」とか「病情很严重 bing4qing2hen3yan2zhong4 病状が深刻だ」というような「深刻」、「重大」といった使われ方をする。


●矛盾 mao2dun4 いざこざ


 これも基本的には日本語と中国語で同じ意味なのだが、たまに()()()()()()()()という意味で使われることがある。

 百度なんかで調べてみると、「男女之间的矛盾 nan2nv3zhi1jian1de0mao2dun4」などというキーワードの入った記事が大量にヒットする。


●紧张 jin3zhang1 切羽詰っている


 緊張と紧张 jin3zhang1は日中同形同義語である。つまりほとんど同じだ。しかし中国語の紧张には日本語にない使われ方が一つある。


 对钱紧张的人 dui4qian2jin3zhang1de0ren2


 お金に()()()()()()人というと日本語としては意味不明だが、中国語では「切羽詰っている」、要するに「お金に困っている」というような意味で使われることもある。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ