#6『TRUE 』真実
今まで遅れててスミマセン!諸事情により掲載できませんでした。お詫び申し上げます。
でも、頑張るので応援よろしくお願いします(>_<)
彼に会いたい。今すぐにでも。
「けど、もう…」
改めて薬に目をうつす。
こんな身体でさえなければきっとあの人と、
いつまでもいられたはずなのに。
死ぬのかな、私…
〇〇〇〇〇
春と聞いて思いつくのは多々あるが、そのどれにも共通して言えることはいい知らせや、陽気な雰囲気ばかりだということだ。
だが、全てがそういうわけではない。
それは社会と同じように裏には闇があり、
それは人間と同じように裏には悪があり、
それは人生と同じように裏には死があり、
そうやって世界は回っている。
生きていたい、死にたくない、あなたと共にいたい
そう言う水篶さんの前に自分はいた。
「死ぬ?」
「正確には、死ぬ確率が高いということです」
…バカな、バカな。
「なぜ、黙っていたんですか?」
「怖かったってのもあるけど、やっぱり正直に言うと別れがつらくなるからかな」
別れ。いつかは誰もが体験することだ。
人の命は無限じゃない。はっきりと終わりがそこにやってくる。
なんのためらいも無しにだ。
だけど、これは余りにも…
いきなり過ぎる。
出会ってからまだ1ヶ月も経っていない。
これからまだまだ色々と思い出を作りあげていく
はずなのに。なぜ?
わからない、わからない、わからない。
俯く彼女。
やがて顔を上げる。
「ごめんなさい」
なぜ謝る?
「変ですよね、私…」
なぜ泣く?
「でも話せて良かったです。聞いてくれてありがとうございます」
なぜ礼を言う?
「…また、明日」
なぜ笑う?
何で苦しいはずなのに、そんな態度をとる?
何でだ。
彼女の姿が見えなくなる。
その背中はどこか悲しそうに 見えた。
追いかけようとは思わなかった。
そうしたらそのまま自分も泣いてしまいそうで
ただ見つめることしかできなかった。
一週間後、
それが彼女の峠という。
切り抜けられたら、生きられる。
失敗したら、死ぬ。
「恨んでいいですか、神様?」
ボソッとそう呟いて、曇り空を一人眺めた。
#6『TRUE 』 真実END.
#7へ続く。
語られた、隠してきた篠原の秘密。
彼女の今までの言動がひとつに結び付いた。
それを知った葛城はどうするのか。
次回、衝撃の決断…
愛をもって、死に立ち向かう。
葛城永斗の人物語は最高潮へ向かう。
生きるとは死ぬことの延長線上である。