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#2『DAILY 』日常

どんどん、面白くしていきます。よろしくお願いします。どうぞ、お楽しみください。

葛城の働く自動車整備工場では従業員がある話題で

盛り上がっていた。

話の中心は葛城永斗だ。

「よお、葛城、それでその女の子とはどうなったんだよ」

一人の男が話しかける。

「電話番号を聞いて…」

『オー』と、歓声が上がる。

「…ダメだった。」

『アー』と、残念がる。

「だっせぇ、フラれてやんの!」

葛城をハハハとあざけ笑う男。

「なっ、フラれたんじゃないぞ、断られただけだぞ」

「同じ事だろ」

「うっさいなぁ、そういう山崎はどうなんだよ」

「オレか?オレはもちろん両脇に花よ」

「悟はモテるもんなー」

別の男が言う。

確かに山崎はモテる。しかし、余計なことは言わなくてもいいだろうと葛城は思う。

「ありがとよ、直樹」

山崎が余計に笑う。

「おーい、山崎、志村、葛城こっち手伝ってくれ」

「今行きます、工場長」

葛城たちは道具を手にして向かった。

仕事がはかどる一日だった。

〇〇〇〇〇

仕事を終え夕食の材料を買いに近くのスーパーへ

寄った。こう見えても葛城は料理が出来る。

「え~っと、これと、これと、あとこれ…」

パシッ

伸ばした手が別の人の手と重なり合う。

「あ、すみません」

「いや、こちらこそ」


「「えっ?」」


二人の声が重なり合う。

葛城の目の前には見違えるはずもないその人、あの女性篠原水篶がいた。

「水篶さん!?、篠原さんですよね」

「水篶で構いませんよ、葛城永斗さん」

「名前、覚えててくれたんですね」

「ええ、まあ」

会話は途切れた。

「今日も大学行くんですか?」

葛城が尋ねる。

「一応」

一応とはどういう意味なのか、葛城にはその意味がよく分からなかった。

〇〇〇〇〇

「今日は良い天気ですね、昨日の大雨が嘘のようだ。」

大学への登校中葛城は何度も何度も篠原に声をかけていた。

「……」

だが、何の反応もない。

「…!」

葛城は何か意を決したように足を止める。

「どうして、どうしていつもそんな風につまらなそうにしているんですか!?」

ずっと気になっていたことをぶちまける。

「…それを聞いてあなたの人生に変化はありますか?私の人生に得はありますか?答えはNO です」

篠原の表情は明らかに葛城を疎ましいと物語っていた。

「私は私の決めた通りに生きます。あなたにいちいち強要されないといけない理由がありますか?」

「確かに、理由なんてないかもしれません。でも…

僕があなたに笑っていてもらいたいっていう気持ち

に理由がいりますか!?」

声を高くして言う葛城。

クルリと体を反転させる篠原。

「行きましょうか、学校へ」

スタスタと歩いていく篠原。

「水篶さん……」

〇〇〇〇〇

見慣れた天井で手を上げ握ったり開いたりする運動を繰り返す葛城。

部屋には相変わらずテレビの音だけが流れ続ける。夕日が部屋を眩しく照らす。

「もうこんな時間か…夕飯作らないとな」

よっこいしょっと親父臭いかけ声を上げ布団の中から起きる葛城。

キッチンには買ってきた食材が並べて置かれている。エプロンを着ける葛城。

もともとレストランで料理人をしていたこともあるためその姿はとてもよく似合っていた。

「さて、調理開始だ」

ものすごい速さで料理していく葛城。

やがて、一息つく。

「ふう~、完成だ」

出来たのは、

トマトのクリームスープに

エビとアボカドのサラダ、

牛の腰肉のステーキ、マッシュルーム添え、

そして、

ヘーゼルナッツのムースラズベリーソースかけ

どれもどれも美味しそうに出来ていた。

イスに腰掛け手を合わせる葛城。

「いただきます」

ナイフで肉を切り分け一口、口にする。

モグモグモグモグ

「………ハハッ」

苦笑いする葛城。

「んだよ、この料理…」

フォークをテーブルに置く。

「めちゃめちゃ、不味いじゃんかよ………」

●●●●●

いつも私は一人。

何時何処で何をしていようと一人だ。

あの男と会っても、私は一人だ。


「………葛城永斗」


何て不思議な人だろうと思った。

あんなに自分も周りさえも明るくしようとする人

初めて見た。

まるで私とは対極的な人間。

交わるわけがない。

今日は、スーパーでも会った。彼もこの近くに住んでるのだろうか。

いや、そんなことどうでもいい。

ムダなことだから。

内服薬A

私はもうすぐ…

〇〇〇〇〇

こんな言葉がある。

明けない夜はない

たとえどんなことが起きようとも朝はやって来る。

ずっとこのままがいいと思うこともある。

けども、朝はやって来る。

明けない夜はないからだ。

「おはようございます、7時になりました。今日は

人気の桜名所を案内します。それでは、みなさん

ゴー、吉野」

画面に日本三大桜名所の内の一つ吉野の桜が映し出される。

季節は、春。

心地よい風がなびき、

空がピンク色になる頃だ。

すぐにそこにある大きな桜の木から淡紅色の花が

一枚、開いている窓から足元に落ちてくる。

ヒラヒラヒラヒラと、

「桜か、あの人と見に行けたら楽しいだろうな」

ホント、楽しいだろうなぁ。

人生は物語だ。

形作るのは自分だ。けど、他人も変わらないといけない。

これが自分の、

葛城永斗の人物語の


ー日常だ。


#2 『DAILY 』 日常END .


#3へ続く。


少し、休みます。代わりに恋愛ものの新しいの一本(高校生用)と、ファンタジーもの一本、詩や、バトルものも書いていきます。そちらの方もお楽しみください。また、アルカディアTIME MANAGEMENT もよろしくお願いします。頑張りますので、応援よろしくお願いいたします。では、また。

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