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紅いぱんつプレゼント計画!

 二人の敵が背後から火錬に襲いかかる。一人は銃、もう一人は素手だった。

「くっ……!」

 言われるまで気付けなかった己の迂闊さに舌打ちしながら、火錬は『宝』を恵へと放り投げる。

 およそ三階分の高さからだが、恵なら問題なく受けとめてくれるだろう。

 そして火錬自身は迷わずに屋根上から飛び降りた。

 三階分の高さから、一切の躊躇いを見せずに飛び降りた。

 さすがに敵二人は慌てるが、しかし火錬は棒を鉄骨部分に引っ掛けてぶら下がっていた。かなり際どい体勢だが、一応は助かっている。

 敵二人はほっとしながらも正気に戻って追撃を開始しようとする。

 あの高さなら頭から落ちない限りは大怪我で済む。棒の持ち手を狙い撃とうとするが、

「させるかよ!」

 そこはロングレンジ担当の桐継が見事に防いだ。

 火錬を撃とうとしていた敵その三は正確に頭を撃ち抜かれて倒れた。……もちろんゴム弾なので貫通していない。

 敵その四は一時撤退。

 残りの一人と合流するつもりだろう。

 しかしそれを許すほど恵は甘くない。即座に階段へと駆け上がる。

 火錬のように飛び降りることが出来ない以上、あの場所からの脱出ルートは屋根を飛び越えるか階段を降りるか。どちらにしても階段から追いかけないとどうしようもない。逃げ道の一つを塞げるし、屋根伝いに逃げられたとしても追いかけられる。

 しかし敵その四は運よく階段を降りてきてくれた。

 恐らくは混乱して冷静さを失った結果だろう。

 恵はぎょっとした敵その四に容赦なく峰打ちをお見舞いする。

「これで四人、と。あと一人いるから油断は出来ないが、まあ大丈夫かな。こっちは三人いるんだし、リーダーは潰したし、一人で挑んでくるなんて無謀はしないだろう」

 恵はそう結論づけ、桐継の所へと戻る。


「た~す~け~て~……」

「………………」

 戻ってみると火錬がまだ鉄骨を引っ掛けた棒にぶら下がったままだった。

 高さは一.五階分。きちんと衝撃に備えて飛び降りれば大丈夫な高さの筈だが……

「火錬ちゃん。それくらい自分で何とかしようよ」

 恵は呆れ混じりに火錬を窘める。

 戦闘要員として参加している以上、その程度のことも出来ないのは情けないとでも言いたげだ。

「あう~。師匠鬼! 悪魔! 鬼畜! 可愛い女の子が困ってるのにちょっと助けてあげようとか優しい気持ちになったりしないわけ!?」

「女の子である以前にチームメイトであり戦闘要員だからねぇ。信頼しているんだよ、信頼~」

 などと言いながらも楽しそうににやにやと眺めている。

 いや、本当に楽しいのだ。

 恵が戻ってくるまで何故桐継が助けなかったのか理解できてしまった。

「その態勢だとパンツ丸見えだからね。お兄さんとしてはもう少し眺めていたいところだ」

「っ!!」

『アウトロー・ヘヴン』のメンバーは同じデザインの服を着てSGに参加しているのだが、女性メンバーである火錬だけは下半身がミニスカート仕様なのだ。

 火錬としては全力で拒否したかったのだが、恵達の強い希望と、彼らのマスターがこの服しか用意してくれなかったので仕方なく着用している。

 もちろん着用しないという選択肢もあったのだが、悔しいことにこの制服(!?)は防弾性能、対衝撃性能、耐熱耐寒防御に優れている。戦闘行為を行うに当たって非常に都合の良い仕様になっているのだ。

 元々は軍事用に開発された服らしいのだが、試験的に『アウトロー・ヘヴン』のメンバーが使用している。

 もちろん使い心地や動きやすさ、攻撃を受けたときの耐久度などを計測する義務も課されているが、性能のいい服を与えられた以上その程度は安いものだ。

 このSGは非公式ではあるが、非致死性新型兵器や防具などの性能実験の舞台でもある。

 ……しかしそんなミリタリー的な真面目事情よりも、今の至福的光景の方が恵達にとっては大事なのである。

 下から遠慮なく女の子(美少女)のパンツが眺められる。

 しかも眺め放題。

 両手が塞がっている火錬は隠すことも出来ない。

 眺め放題楽しみ放題。

 ……俗に言う視姦行為である。

「いやあ、お手柄だよ草薙隊員」

「まあな。パンツは見られるときに思う存分見るものだ」

「そうだな」

「ば、ばかばかばかばか~~っ!! 助けて! いや助けろ! 今すぐ私を助けろ~~っ!!」

 ぶら下がったまま真っ赤になって抗議する火錬。

「しかし白なのが惜しいな。火錬には紅いパンツが似合うと思うんだが……」

「そうだな。今度はオレ達で紅いパンツをプレゼントしよう」

「いらんわ――っっっ!!」

 こうして、散々辱められた後に火錬が助けられたのは、およそ十分後のことであった。

 ……つまり火錬の筋力が限界に達してそのまま地面に落ちたところを恵が颯爽と受けとめた、という顛末である。

『アウトロー・ヘヴン』の男性二人は正真正銘の鬼畜根性の持ち主であった。

 ……あと、正真正銘の変態なのかもしれない。


 ……で、散々辱めを受けた火錬はふくれっ面のまま二人に文句を言いまくりながら、一応は戦闘領域からの撤退に同意した。

 念のため戦闘領域を出るまでは残り一人の襲撃を警戒していたのだが、やはりほぼ万全な状態で三人固まっている中でたった一人仕掛ける気にはなれなかったらしい。三人は無事に戦闘領域である倉庫街を出ることに成功した。

 そしてこの時点でSG本戦第一ゲームの勝者は『アウトロー・ヘヴン』に決定したのだった。


結局この路線……

水月の変態路線はスタンダード仕様になっております。

まあパンツくらいは可愛いものだよね~。

んでもって鬼畜二人組。もっとパンツ眺めてあげて!

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