表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔法なき世界の異端魔導士 ~冤罪で捕まりかけた大魔導士は異世界で自由気ままに旅をします~  作者: 出雲大吉
第3章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

97/106

第097話 魔性の中学生……


「どうする?」


 イレーネを見る。


「4日なら良いんじゃない? ここにいても仕方がないし、行きましょうよ」

「そうするか。ベニー、王都に行ってみる」

「良いと思う。そこでなんだけどさ、頼まれごとを聞いてくれない?」


 ん?


「仕事か?」

「そうそう。ほら、昨日、次の仕事を探すって言ったじゃない。探したというか、ぜひともお願いしたい仕事があるんだよ」

「王都に行くことと関係ある感じか?」


 さすがに薬草を採ってこいではないだろう。


「まさしくね。実はさ、ウチの町って港町だから産業の9割が漁業なわけ。そして、獲れた魚なんかを王都やさっき言った中継地のスリーフに運ぶわけだよ」


 まあ、そうだろうな。

 昨日、食べた魚料理は美味かったし、町から魚の匂いがした。


「それで?」

「運ぶのは行商人。でさー、昨日、王都から魚介類の買い付けに来た商人さんがいるんだけど、階段から滑って、足の骨を折っちゃったんだよ」


 ドジだな。


「それはご愁傷様」

「うん。しかも、かなりの重症。10日は絶対安静だってさ」


 想像したくないが、相当だな……

 ポーションがあるみたいだが、厳しいだろう。


「そいつを王都に連れていけって依頼か?」

「違う、違う。馬車の振動もダメなくらいだからその人はしばらくベッドの上。大事なのは荷物」


 荷物……魚介か。


「もう買ってたのか?」

「そうだね。それでその荷と奥さんへの手紙を王都まで送っていってほしいって依頼がギルドに来た」


 あー……ちょうどいいと言えば、ちょうどいいな。


「いや、それ、良いのか? 俺達が馬車ごと持ち逃げするかもしれないぞ。冒険者なんてロクでもない底辺だろ。ましてや、お前は俺達のことを二重登録とか言ってただろ」


 信用なんてできない。


「いやー、君ら、犯罪による二重登録じゃないでしょ。絶対に駆け落ちだよ」


 ここでもそう思われた。

 俺とイレーネにはそういう空気が出ているのだろうか?


「違うんだが……いや、それはどうでもいいが、どちらにせよ、信用できないだろ。俺達、Eランクだぞ」

「Eランクだけど、これまでの仕事は完璧だし、護衛の仕事を2回も受けているじゃん。しかも、ギルドの頼み事を積極的にやっている。十分に優良冒険者だよ」


 護衛は指名依頼だが……


「いや、別に持ち逃げなんかしないからそっちが良いなら良いんだけどな」

「そうそう。それに持ち逃げなんかしてもすぐに捕まるよ。バカはやらない方が良い」


 俺は捕まらないがな。

 いや、もう逃亡生活はごめんだし、そもそもそんなことはしないんだが。


「荷が魚介って話だが、冷凍か? 期限がある仕事だろうか?」

「馬車の荷台が冷凍庫になっているんだよ。だから遅れて腐るってことはない。でも、奥さんに早めに伝えてほしいから早めでお願い」


 クール便か。

 魔道具の発展がすごいな。


「わかった。俺達には渡りに船の仕事だ。俺達も馬車が欲しかった」

「でしょ? 僕もこれだって思ったね。依頼料は10万ソル。安いけど、足付きだからこんなもん」


 無料でもやる。


「イレーネ、良いか?」

「ええ。ちなみにだけど、馬車の操縦はできる? 私はできるけど」

「大丈夫だ」

「私もできます」


 馬車はそんなに難しくない。


「お嬢ちゃんもできるの? 可愛いのに偉いね」

「どうも……」


 リーエはベニーのことを好きじゃないなー。


「ベニー、明日の……9時?」


 どうしようかと思ってイレーネに確認する。


「いや、早めって言ってたし、8時半……8時には出ましょうか」

「8時に出る」


 すぐジト目になる可愛いお嬢ちゃんだ。


「そう? じゃあ、こっちも用意しておくからここに来て。馬車と共に手紙と書類を渡すからさ。馬車と手紙を奥さんに届けて、書類にサインをもらってね。それを王都のギルドに提出したら10万ソルをもらえるって流れだから」

「わかった。じゃあ、今日の精算を頼む」

「はいはーい」


 魔石を出し、ベニーから12万ソルを受け取ると、ギルドを出た。


「良い仕事が来たわね。案外、できる男なのかも」

「絶対にヴェルナー様の方ができますよ。格が違いますね」


 リーエ、良い子。


「まあ、それはねー……叡智の魔勲章でしょ?」

「他にもいっぱいありますよ。ちょっとコミュ症ですけど、それ以外はとてもすばらしい人です」

「わかったから……ヴェルナー、缶詰とかを補充した方が良くない?」


 イレーネがリーエの頭を撫でながら聞いてくる。


「そうだな。さすがに残りが少ない。出費になってしまうが仕方がないだろう」

「ちなみになんですけど、ベッキーさんや教授さんは携帯食料を食べてましたよね? あのクッキーみたいなやつです」


 食べてたな。


「あれ、嫌い。昔はあれを水で流し込んでいたけど、舌が肥えた令嬢の私には無理。缶詰よ、缶詰。缶詰一択」


 相当、不味いらしい。


「俺も軍属の時に栄養満点のレーションを食べていたが、その辺の雑草を食った方がマシと評判だったな」


 しまいには敵の矢の方が美味いと言われていた。


「でしょ? 食は大事よ」

「賛成だな」

「では、缶詰を買いに行きましょうか」


 俺達は缶詰を売っている店を探し、中に入ると、色々な缶詰を籠に入れていく。


「魚が多いわね」

「魚の町だからな」

「相変わらず、高いのは高いですね」


 リーエが前に良いって言っていたヘブンバードの缶詰を見ている。


「5万ソルはダメだって」

「わかってます。そういえば、イレーネさんがいます」


 リーエがイレーネを見る。


「ん? そりゃいるでしょ。ずっといたわよ」

「以前、マリティアで缶詰屋に来た時はいなかったので……」


 いなかったな。

 救出する準備をしていた時だったから。


「あー、そうね。その節はありがとう。お礼にこれから毎日、私を起こす権利をあげるわ」

「はい……でも、それはヴェルナー様に……無理か」


 すまん、無理だ。

 俺も寝てると思う。


「大丈夫。ヴェルナーには一緒に起きる権利をあげたから」


 ど、どうも……


お読み頂き、ありがとうございます。

この作品を『おもしろかった!』、『続きが気になる!』と思ってくださった方はブックマーク登録や↓の『☆☆☆☆☆』を『★★★★★』に評価して下さると執筆の励みになります。


よろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【新作】
スマホ転移で始める異世界ゆるゆる生活 ~日本の商品が高値で売れたのでスローライフを目指すことにしました~

魔法なき世界の異端魔導士 ~冤罪で捕まりかけた大魔導士は異世界で自由気ままに人生をやり直すことにしました~

【予約受付中】
~漫画~
~6/8発売予定~
その子供、伝説の剣聖につき(1)
web版(カクヨムネクスト)はこちら

~7/9発売予定~
35歳独身山田、異世界村に理想のセカンドハウスを作りたい ~異世界と現実のいいとこどりライフ~(2)

~書籍~
~7/10発売予定~
左遷錬金術師の辺境暮らし 元エリートは二度目の人生も失敗したので辺境でのんびりとやり直すことにしました(4)

【新刊】
~漫画~
35歳独身山田、異世界村に理想のセカンドハウスを作りたい ~異世界と現実のいいとこどりライフ~(1)

左遷錬金術師の辺境暮らし 元エリートは二度目の人生も失敗したので辺境でのんびりとやり直すことにしました(1)

~書籍~
左遷錬金術師の辺境暮らし 元エリートは二度目の人生も失敗したので辺境でのんびりとやり直すことにしました(1)
左遷錬金術師の辺境暮らし 元エリートは二度目の人生も失敗したので辺境でのんびりとやり直すことにしました(2)
左遷錬金術師の辺境暮らし 元エリートは二度目の人生も失敗したので辺境でのんびりとやり直すことにしました(3)

覇王令嬢の野望 ~絶対平和主義の少女に転生した最強女帝の帝国再建譚~(1)
web版はこちら

宮廷錬金術師の自由気ままな異世界旅 ~うっかりエリクサーを作ったら捕まりかけたので他国に逃げます~(1)

【現在連載中の作品】
元暗部の英雄、再び暗躍する ~娘のために正体を隠して無双していたら有名になっちゃいました~

宮廷錬金術師の自由気ままな異世界旅 ~うっかりエリクサーを作ったら捕まりかけたので他国に逃げます~

その子供、伝説の剣聖につき (カクヨムネクスト)

週末のんびり異世界冒険譚 ~神様と楽しむ自由気ままな観光とグルメ旅行~

左遷錬金術師の辺境暮らし ~元エリートは二度目の人生も失敗したので辺境でのんびりとやり直すことにしました~

バカと呪いと魔法学園 ~魔法を知らない最優の劣等生~

35歳独身山田、異世界村に理想のセカンドハウスを作りたい ~異世界と現実のいいとこどりライフ~

最強陰陽師とAIある式神の異世界無双 〜人工知能ちゃんと謳歌する第二の人生〜

【漫画連載中】
その子供、伝説の剣聖につき
コミックグロウル

35歳独身山田、異世界村に理想のセカンドハウスを作りたい ~異世界と現実のいいとこどりライフ~
カドコミ
ニコニコ漫画

左遷錬金術師の辺境暮らし ~元エリートは二度目の人生も失敗したので辺境でのんびりとやり直すことにしました~
ガンガンONLINE

最強陰陽師とAIある式神の異世界無双 〜人工知能ちゃんと謳歌する第二の人生〜
カドコミ
ニコニコ漫画

【カクヨムサポーターリンク集】
https://x.gd/Sfaua
― 新着の感想 ―
その権利は拒否出来ないヤツじゃないですか〜 ヤダー!!(笑)
どこら辺が魔性なのかw
冷凍食品を作る魔法を……保冷庫がないから無駄か
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ