表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔法なき世界の異端魔導士 ~冤罪で捕まりかけた大魔導士は異世界で自由気ままに旅をします~  作者: 出雲大吉
第3章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

94/126

第094話 とんだお嬢様です


 イレーネと海を見ていると、リーエが上がってきたので次にイレーネが風呂に向かう。

 しばらくすると、イレーネも上がってきたので最後に俺も久しぶりの風呂を堪能した。

 そして、風呂から上がると、2人がテーブルについていたので俺も座る。


「良い湯だったな」

「ええ。クリアダストも悪くないけど、やっぱりさらさら感が違うわ」


 イレーネが下した髪を手で靡かせる。

 綺麗な銀髪がふわっと広がり、さらさらーっと元に戻っていくのはちょっとドキッとした。


「お綺麗です。それでイレーネさん、地図は?」


 それそれ。


「ええ。安いやつだけど、買ってきたわ」


 イレーネがカバンから丸まった1メートルくらいの大きな紙を取り出し、テーブルに広げる。


「リーンド大陸の地図か?」


 紙は海に囲まれた大陸が描かれており、国境の線や国名、さらにはある程度の都市の名前や山の名前なんかも書いてあった。


「ええ。簡単なやつだけどね。私達がいるメラニカ王国がここ」


 イレーネが大陸の南西の方を指差す。

 どうやらメラニカ王国はそこまで大きい国ではないらしい。


「あ、マルーン王国もありますね」


 リーエがメラニカ王国からさらに北西の方を指差した。


「教授とベッキーの目的地か」


 あいつらももう着いたんだろうか?


「ですね。それでどうしましょう?」


 地図を見てもわからんな。


「私的にはまず王都を目指すべきじゃないかなって思ってる」


 イレーネがこのクレイナの町を指差し、右になぞっていく。

 そして、王都と書かれた町で止めた。


「東か」

「地図が大きすぎてどれくらいかかるかわかりませんね」


 この地図の精度がわからないしな。


「明日、仕事をして、納品する時にでもギルドで聞きましょうよ」


 そうするか。


「明日は何時起きだ?」

「うーん……9時……あ、いや、8……7時半に起きましょうか」


 イレーネがリーエの顔色を窺いながらどんどんと早くしていった。


「そうするか……」

「朝日でも見たらどうですか? 綺麗ですよ」


 いや、それはいいや。


 俺達はその後、トランプをしていくと、夕方になったので夕食を頼んだ。

 そして、やってきた魚料理を食べると、イレーネの魔法の練習をしていく。


「綺麗ですね」


 部屋中にイレーネの複数の光が飛んでいた。


「上手なもんだな」

「まだ色は付けられないけどね」


 それでもすごい。


「リーエ、明日、海に行くし、人がいなければ水魔法でも教えてやれよ」

「良いですね。水があるとわかりやすいです」


 最悪、見られても水遊びでもしてるかなって思ってくれるしな。


「水魔法? リーエが飲み水をくれるやつ?」

「そうですね。あれは水を集めて、さらにクリアダストと冷やす魔法を使っていますが」


 そのまま飲むとちょっと危ないのだ。

 ほとんどの人は気にしないだろうが、俺はその辺に敏感。


「へー……じゃあ、お湯とかも出せるの?」

「出せますよ。缶詰を温めるのと同じ要領です」

「便利ね。そういう魔道具もあるけど、旅では持って行けないし」


 魔道具か……


「なあ、魔道具っていつくらいから普及したものなんだ?」


 ずっと気になっていたが、今までそれどころじゃなかったから聞かなかったことを聞いてみる。


「普及って言われてもね。ずっと前じゃない? 私、学がないから詳しくない。それこそ教授に聞いてみれば良かったんじゃない?」


 専門家だったもんな。

 聞けば良かったのはそうだが、変に怪しまれたくなかったのだ。


「うーん……この世界の魔法が気になるんだよな」

「何が? 魔法なんてないじゃん」


 今、使ってるだろ。


「イレーネの強化魔法もベッキーの魔力探知も魔法だ。本人に自覚がないだけ。それにエンチャントは知っているんだろ?」

「うん。聞いたことはある。魔道具を作る技術の一つかな」

「そこがものすごく違和感だ。エンチャントなんてどう考えても魔法だろ。付与しているんだぞ」


 物に魔法を付与することをエンチャントという。

 そもそも魔法がないと言っているのに変な話だ。


「そうかな?」

「ああ。昔はこの世界にも魔法があったんだよな?」

「そうね。最初に説明したけど、大きな魔法の戦争があって、その後に魔法使いの迫害があったわけよ」


 聞いたな。


「でも、エンチャントや魔道具作りのノウハウは残ったってことか?」


 強化魔法や魔力感知はまだ目に見えないから仕方がないと言える。

 魔法が完全になかった世界にいたこともある俺はあのありえない動きを見て、魔法だと思うが、すごい身体能力や第六感だと言い張れば、それで通じる世界なんだろう。


「じゃない? 魔道具って便利だし」


 便利ってことはそれが兵器にも繋がるってことだぞ。

 実際、銃が作られている。

 そんなこともわからなかったのか?


「本当に迫害で魔法使いがいなくなったのか?」

「そう言われるとわからないわよ。私も子供の頃に聞いた話だしね」


 ふーむ……


「イレーネさん、歴史の資料とか残っていないんですか?」


 リーエが聞く。


「歴史? 研究機関とか? あ、でも、リーフェルの王都には図書館があったかな? 行ったことないけど」


 図書館……


「誰でも入れるのか?」

「さあ? 冒険者に聞かれても……私ら、近所の教会とかで字とか簡単な歴史なんかは習ったけど、それだけだからね。だから冒険者なわけだし」


 学がないから底辺の仕事に就いたんだったな。

 もっとも、そこで出世して、Bランクになったわけだが。


「この国の王都にも図書館があるかもしれないな」

「あるんじゃない? 行ってみる?」

「そうだな。王都に着いたら探してみよう」


 魔法のことはわからないかもしれないが、細かな歴史がわかれば見えてくることもある。


「頑張って!」


 そういえば、トランプをしたり、魔法の練習ばかりでイレーネが本を読んでいるところを見たことがない……


お読み頂き、ありがとうございます。

この作品を『おもしろかった!』、『続きが気になる!』と思ってくださった方はブックマーク登録や↓の『☆☆☆☆☆』を『★★★★★』に評価して下さると執筆の励みになります。


よろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【新作】
終末世界の帰還錬金術師 ~日本に戻ったら人類と悪魔が戦争をしていましたが、異世界で勇者になれなかった俺達はスルーして適当に生きたいと思います~

【予約受付中】
~書籍~
最強陰陽師とAIある式神の異世界無双 〜人工知能ちゃんと謳歌する第二の人生〜(2)

【新刊】
~漫画~
その子供、伝説の剣聖につき(1)
web版(カクヨムネクスト)はこちら

35歳独身山田、異世界村に理想のセカンドハウスを作りたい ~異世界と現実のいいとこどりライフ~(1)
35歳独身山田、異世界村に理想のセカンドハウスを作りたい ~異世界と現実のいいとこどりライフ~(2)

左遷錬金術師の辺境暮らし 元エリートは二度目の人生も失敗したので辺境でのんびりとやり直すことにしました(1)

~書籍~
左遷錬金術師の辺境暮らし 元エリートは二度目の人生も失敗したので辺境でのんびりとやり直すことにしました(1)
左遷錬金術師の辺境暮らし 元エリートは二度目の人生も失敗したので辺境でのんびりとやり直すことにしました(2)
左遷錬金術師の辺境暮らし 元エリートは二度目の人生も失敗したので辺境でのんびりとやり直すことにしました(3)
左遷錬金術師の辺境暮らし 元エリートは二度目の人生も失敗したので辺境でのんびりとやり直すことにしました(4)

覇王令嬢の野望 ~絶対平和主義の少女に転生した最強女帝の帝国再建譚~(1)
web版はこちら

宮廷錬金術師の自由気ままな異世界旅 ~うっかりエリクサーを作ったら捕まりかけたので他国に逃げます~(1)

【現在連載中の作品】
スマホ転移で始める異世界ゆるゆる生活 ~日本の商品が高値で売れたのでスローライフを目指すことにしました~

魔法なき世界の異端魔導士 ~冤罪で捕まりかけた大魔導士は異世界で自由気ままに人生をやり直すことにしました~

元暗部の英雄、再び暗躍する ~娘のために正体を隠して無双していたら有名になっちゃいました~

宮廷錬金術師の自由気ままな異世界旅 ~うっかりエリクサーを作ったら捕まりかけたので他国に逃げます~

その子供、伝説の剣聖につき (カクヨムネクスト)

週末のんびり異世界冒険譚 ~神様と楽しむ自由気ままな観光とグルメ旅行~

左遷錬金術師の辺境暮らし ~元エリートは二度目の人生も失敗したので辺境でのんびりとやり直すことにしました~

バカと呪いと魔法学園 ~魔法を知らない最優の劣等生~

35歳独身山田、異世界村に理想のセカンドハウスを作りたい ~異世界と現実のいいとこどりライフ~

最強陰陽師とAIある式神の異世界無双 〜人工知能ちゃんと謳歌する第二の人生〜

【漫画連載中】
その子供、伝説の剣聖につき
コミックグロウル

35歳独身山田、異世界村に理想のセカンドハウスを作りたい ~異世界と現実のいいとこどりライフ~
カドコミ
ニコニコ漫画

左遷錬金術師の辺境暮らし ~元エリートは二度目の人生も失敗したので辺境でのんびりとやり直すことにしました~
ガンガンONLINE

最強陰陽師とAIある式神の異世界無双 〜人工知能ちゃんと謳歌する第二の人生〜
カドコミ
ニコニコ漫画

【カクヨムサポーターリンク集】
https://x.gd/Sfaua
― 新着の感想 ―
魔法使い迫害の歴史、イレーネが言ったように単純な理由か? 実は何かの陰謀が……
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ