表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔法なき世界の異端魔導士 ~冤罪で捕まりかけた大魔導士は異世界で自由気ままに旅をします~  作者: 出雲大吉
第3章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

100/124

第100話 手を繋ぎながら寝てます……


 俺達が話しながら進んでいると、日が沈みだしたので今日はここまでにし、馬車を街道から逸らし、止めた。

 そして、テントを設営すると、中で夕食を食べる。


「明日は何時?」

「5時ですね」


 リーエが即答する。


「早いわね……」


 早いな。


「いや、どうせやることもないですから早めに寝ましょうよ。それにだらだら進んで何日もかけるより、早めに着いて、お風呂とベッドがある宿屋に泊まる方が良いじゃないですか」

「「ごもっとも……」」


 夕食を食べ終えると、早めに寝ることになったとはいえ、さすがに早すぎるのでトランプをする。


「明日には着くかねー?」

「どうかしら? 今回の旅は詳しいダリアがいないからね」


 なんだかんだでガイドしてくれた良い奴だったな。


「ちゃんとベニーから聞いておけば良かったな」

「スリーフの町では聞きましょうか」

「そうだな……ん?」


 魔力?


「何か来ますね……」

「え? 魔物?」


 いや……


「人だと思う」

「ミスディレクションをかけているんですが……」


 まあ、ミスディレクションも万能ではないからな。


「どうする?」


 イレーネが剣を取った。


「一人だし、盗賊ではないと思う。でも、いつでもやれるようにしておけ」

「了解」


 俺達はトランプをやめ、いつでも戦闘ができるようにする。

 そうやって待っていると、テントの数メートル前で魔力が止まった。


『すまない! 誰かいるだろうか!?』


 男性の声だ。


「どうします?」

「俺が出る」


 2人を残し、テントから出た。

 すると、馬を引く皮製の鎧を着た冒険者らしき男が立っていた。

 男は短めの茶髪であり、中肉中背だが、鍛えられた身体をしているのが鎧の上からでもわかる。

 そして、魔力の大きさから弱くないと判断できた。


「冒険者か? どうした?」

「こんな時間に声をかけてすまない。怪しいのはわかっているが、食料を分けてもらえないだろうか? もちろん、金は払う」


 食料?


「落としたのか?」

「いや、近くの村で缶詰を買ったんだが、古くてとても食える状態じゃなかったんだ。朝から何も食べてないし、このままでスリーフに戻るのはきつい」


 目的地は一緒か。

 しかし、こいつは馬だ。

 多分、俺達より早く着くだろう。


「まあ、缶詰はあるし、分けても良いが……」

「頼む。そちらが買った値段の倍で買い取る。1つ2つで良いんだ」


 ふーむ……


「ちょっと待ってろ」


 そう言って、テントの中に戻った。


「缶詰ですか?」


 テント越しに話を聞いていたリーエが聞いてくる。


「ああ。イレーネ、どう思う?」

「私達は余裕があるし、分けてあげるべきよ。こういうのは助け合い。というか、断るとね……」


 素直に帰ってくれるかわからんか。


「じゃあ、売るか。どれにする?」

「オーソドックスな鶏肉とオイルサーディンで良いんじゃない?」


 まあ、それで良いか。


「リーエ、出してくれ」

「どうぞ」


 リーエが空間魔法から取り出し、渡してきたのでテントの外に出た。


「待たせたな。これで良いか?」


 冒険者の男に缶詰を渡す。


「助かる。いくらだ?」

「どっちも1500ソルだ」

「じゃあ、6000ソルだな」


 男は財布を取り出し、金を渡してきた。


「確かに」

「恩に着る。俺はBランクのロビンだ。ここで食べるのは悪いから先に行くが、またどこかで会えたら礼をさせてくれ」


 ロビンとやらはそう言って、缶詰をカバンに入れると、馬に跨った。


「別に礼なんかいらん」

「そういうわけにはいかない。恩は返すものだ。それでは。本当に助かった」


 ロビンはそう言い、馬を走らせていったのでテントに戻る。


「Bランクだと」

「そのくらいの魔力はありましたね。ベッキーさんより上でした」


 ダリアくらいはあったな。


「強そうだった?」

「イレーネほどじゃない」

「ふーん……まあ、儲かったし、良いんじゃない? 私達も同じようなことがないようにしましょう」


 ちゃんとしたところで買うようにするか。


「困ったらイレーネが交渉してくれるから良いな。お前が頼めばスムーズそうだ」

「全然。身体を要求してくるわよ」


 マジか……


「食料には気を付けよう。もし、そういう場合が起きても俺が交渉する」

「そうしてちょうだい。はい、手」


 イレーネが手を出してきたので握る。


「そろそろ寝ますか」

「そうするか」


 俺達はトランプをしまうと、ライトを消し、就寝した。


 翌日、朝というか、まだ暗い時間にリーエに起こしてもらうと、準備と片付けをし、出発した。


「朝日が綺麗ね」

「ホントだな」

「今日は本当に朝日ですね。良いことです」


 眠いがな。


 俺達は朝食を食べると、昨日と同じく、お互いの昔の話をしながら進んでいく。

 すると、昼食を食べ終えた辺りで前方に森が見えてきた。


「森だな」

「森の中を通るんですかね?」


 んー……


「いや、街道が左に逸れている。森は迂回するっぽいな」

「近いかもしれませんね」


 人は生活のために自然が豊かなところに町を作るってやつだな。


 そのまま進んでいくと、街道に沿って左に曲がる。

 さらに進んでいくと、森に沿って、右に曲がった。


「あ、町です」

「そんなに大きくないけど、町ね」


 前方にはクレイナの港町よりは大きいが、そこまで大きくない町が見えていた。


「やっとだな」

「今日はお風呂に入るわよ」

「賛成です」


 ギルドで湯船のある宿屋を紹介してもらうか。


 俺達はさらに進んでいき、町に入った。


お読み頂き、ありがとうございます。

この作品を『おもしろかった!』、『続きが気になる!』と思ってくださった方はブックマーク登録や↓の『☆☆☆☆☆』を『★★★★★』に評価して下さると執筆の励みになります。


よろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【新作】
終末世界の帰還錬金術師 ~日本に戻ったら人類と悪魔が戦争をしていましたが、異世界で勇者になれなかった俺達はスルーして適当に生きたいと思います~

【予約受付中】
~書籍~
最強陰陽師とAIある式神の異世界無双 〜人工知能ちゃんと謳歌する第二の人生〜(2)

【新刊】
~漫画~
その子供、伝説の剣聖につき(1)
web版(カクヨムネクスト)はこちら

35歳独身山田、異世界村に理想のセカンドハウスを作りたい ~異世界と現実のいいとこどりライフ~(1)
35歳独身山田、異世界村に理想のセカンドハウスを作りたい ~異世界と現実のいいとこどりライフ~(2)

左遷錬金術師の辺境暮らし 元エリートは二度目の人生も失敗したので辺境でのんびりとやり直すことにしました(1)

~書籍~
左遷錬金術師の辺境暮らし 元エリートは二度目の人生も失敗したので辺境でのんびりとやり直すことにしました(1)
左遷錬金術師の辺境暮らし 元エリートは二度目の人生も失敗したので辺境でのんびりとやり直すことにしました(2)
左遷錬金術師の辺境暮らし 元エリートは二度目の人生も失敗したので辺境でのんびりとやり直すことにしました(3)
左遷錬金術師の辺境暮らし 元エリートは二度目の人生も失敗したので辺境でのんびりとやり直すことにしました(4)

覇王令嬢の野望 ~絶対平和主義の少女に転生した最強女帝の帝国再建譚~(1)
web版はこちら

宮廷錬金術師の自由気ままな異世界旅 ~うっかりエリクサーを作ったら捕まりかけたので他国に逃げます~(1)

【現在連載中の作品】
スマホ転移で始める異世界ゆるゆる生活 ~日本の商品が高値で売れたのでスローライフを目指すことにしました~

魔法なき世界の異端魔導士 ~冤罪で捕まりかけた大魔導士は異世界で自由気ままに人生をやり直すことにしました~

元暗部の英雄、再び暗躍する ~娘のために正体を隠して無双していたら有名になっちゃいました~

宮廷錬金術師の自由気ままな異世界旅 ~うっかりエリクサーを作ったら捕まりかけたので他国に逃げます~

その子供、伝説の剣聖につき (カクヨムネクスト)

週末のんびり異世界冒険譚 ~神様と楽しむ自由気ままな観光とグルメ旅行~

左遷錬金術師の辺境暮らし ~元エリートは二度目の人生も失敗したので辺境でのんびりとやり直すことにしました~

バカと呪いと魔法学園 ~魔法を知らない最優の劣等生~

35歳独身山田、異世界村に理想のセカンドハウスを作りたい ~異世界と現実のいいとこどりライフ~

最強陰陽師とAIある式神の異世界無双 〜人工知能ちゃんと謳歌する第二の人生〜

【漫画連載中】
その子供、伝説の剣聖につき
コミックグロウル

35歳独身山田、異世界村に理想のセカンドハウスを作りたい ~異世界と現実のいいとこどりライフ~
カドコミ
ニコニコ漫画

左遷錬金術師の辺境暮らし ~元エリートは二度目の人生も失敗したので辺境でのんびりとやり直すことにしました~
ガンガンONLINE

最強陰陽師とAIある式神の異世界無双 〜人工知能ちゃんと謳歌する第二の人生〜
カドコミ
ニコニコ漫画

【カクヨムサポーターリンク集】
https://x.gd/Sfaua
― 新着の感想 ―
『善意で』絡んできて『余計な情報漏洩』しそう枠かな?
ロビンはこの先、物語の重要人物になりますねW
ミスディレクションだから確固たる意思をもって他の旅人を探してるから見つかるんだなあ
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ