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未開異世界ソロキャンプ ~旅とキャンプとのんびりスローライフ~  作者: 三毛猫みゃー


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第7話 倍化という能力の検証作業

「それでは次の検証に入ります」

「はーい」


 異世界渡りの検証を済ませた後、私とシルフィーナはお昼を済ませ次の検証を始めることにした。ちなみにお昼は袋麺に卵やお野菜たっぷりいれたものを作って食べた。シルフィーナも美味しいと言って半分ほど食べられてしまった。あの体にどうやって入ったのかは謎だけど。


 私の目の前には様々なものが置かれている。


「まずはこれから」


 一枚の紙幣を手にとりこれを倍にするように願う。私の見ている前でひらりと一枚の紙幣が現れてテーブルの上に落ちた。


「できちゃったかー」


 テーブルの上に落ちた紙幣を手に取ると、今も手に持っている紙幣と見比べてみる。


「これは使えないね」

「そうなの? 同じように見えるけど」

「そこが駄目なんだよね」


 アレクシア様から授けられた倍化という能力を使うことで紙幣を増やすことができた。だけどこの紙幣は使えない。なぜなら紙幣に書かれている番号がコピー元と全く一緒だからだ。


 同じ場所で同じ数字のものを使わなければバレることはないだろうけど、偽造紙幣なんて作った時点で犯罪になる。そんなわけで、無用なリスクを負う必要はないので紙幣を増やすことは辞めておくことにする。


 硬貨なら番号が割り振られているわけではないのでバレることはないと思うけど、こっちも紙幣同様に偽造なのでやる気はない。それに大量の硬貨とか持ち運びが大変なことになりそうだし。


 増やした紙幣を消せないかと思って、マイナスにするイメージで倍化と念じてみたが消すことはできないようだった。どうやら物体に対して減らすということはできないみたい。できないものは仕方ないので、コピーした紙幣は証拠隠滅のためにビリビリに破いて適当な紙に包んでゴミ箱に放り込んでおく。


「次はこれを試します」

「それってなに?」

「スマホです」


 とりあえずスマホをテーブルにおいて、スマホよ倍になれと念じる。すると元のスマホの横に、同じスマホが現れた。


「触れていなくてもいいってことね」


 コピーされたスマホを手にとり電源をいれる。


「ちゃんと動くしwifiも繋がっているね」


 元になったスマホの電源をいれるとこちらもwifiがちゃんと繋がっている。どうやら設定などもそのままで増やすことができるようだ。さてこの携帯から電話はできるのだろうか? 早速試してみよう。


 まずは元の携帯から自分の電話番号を発信する。


「……繋がるんだ」


 増やした方のスマホから着信音が聞こえる。これっていわゆるクローン携帯みたいなもののスマホ版ってことになるのだろうか? 通話ボタンを押すと普通に繋がった。通話を切って二つのスマホをテーブルに並べる。


「これどうしよう」


 増やしてはみたものの扱いに困る。ただしその御蔭でわかったこともある。この倍化の能力は精密機械も増やせてしまうようだということだ。その事を考えると色々と使い勝手がいいのかもしれない。


「まあついでだからこれを使ってもう一つ検証をしてみますか」

「何をするつもりなの?」

「できるかどうかわからないけどね」


 シルフィーナにそう答えながら、増やした方のスマホを見ながら念じる。


「お、成功したみたいだね」

「これってどうやったの?」


 シルフィーナがそのスマホを手に取ると珍しそうにツンツンと突いている。私が何をしたかというと、スマホの大きさをマイナスに倍化になるように念じてみた。できるかどうかはわからなかったけど、できてしまったことに少なからず驚いた。


 大きさを変えることはできるだろうとは思っていた。ただしプラスに大きさを変えることはできても、マイナスに大きさを変えることができるかはわからなかった。ということで、検証を兼ねてマイナスつまりスマホを小さくすることを念じてみただけだ。


「つまり私の倍化の能力は、大きさを大きくできるだけではなく小さくもできるというわけだね。ただし数を減らす事はできないので、むやみに物を増やすことはやめたほうがいいってことね」

「ねぇねぇオトハ、このスマホっていうやつ私にちょうだい」

「別にいいけど大きくない?」

「それなら大丈夫よ」


 シルフィーナはそう言ってスマホに手を添えた。するとスマホが更に小さくなりシルフィーナの手に収まるサイズになっていた。


「えっと、もしかして私の倍化の上位スキルみたいな感じ?」

「んー、少し違うかな。わたしたち妖精って小さいでしょ? だからいろんな物を自分のサイズに合わせることができるのよ」


 妖精さん最強か?


「まあそれならいいけど、あっちの世界だと通話や通信は使えないと思うよ」

「そうなの?」

「あーでももしかしたら……、これも検証してみないといけないかな」


 家の中でならwifiが使えるし、通信に関しては無制限にしているので問題ない。課金に関してもクレジットカードを登録していないので勝手にできはい。シルフィーナがスマホに関して色々と聞いてきたので自分の物を使いながら説明をする。


 スマホの中には電子書籍がそこそこの量が入っているので暇つぶしにはなるだろう。あとは動画サイトと動画のサブスクの使い方を教えた。さっそくシルフィーナは昨日見ていたアニメの続きを再生している。そんなシルフィーナを置いておいて、次の検証に移ることにする。


 次の検証は私にとっていちばん大事なことかもしれない。とはいえ検証の一つは直ぐに結果が出るものではない。それは結果が出るのを待つことになるがまずは対象を増やすことができるかの検証をはじめますか。


「それじゃあやるよ」


 誰に言い聞かせるでもなく私は目の前の対象を増やすように念じた。

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