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未開異世界ソロキャンプ ~旅とキャンプとのんびりスローライフ~  作者: 三毛猫みゃー


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第57話 偶然? 必然? タイミングが良すぎる

 てっきり事務所あたりに案内されると思ったのだけど、連れて行かれたのは巫香子の部屋だった。入るのははじめて、というよりもお互いの家に行くほどの関係ではなかったので当たり前といえば当たり前なのだけど。


「ふむ、これがいわゆるこどおばというやつか」

「あのさ本人を目の前にしてそれはないんじゃない? まあ実家ぐらしなのは事実だけど」

「冗談よ。でもどう見ても子どもの頃に買ってもらった机をみちゃうとそう思い浮かんだのよね」


 巫香子の部屋にはかなり年季の入った勉強机があるのが見えた。ぱっと見は小学生が使うような勉強机の上には大きな液晶モニターが二つ置かれていて、机の下には大きいパソコンが置かれている。他にはヘッドホンとマイクがある。椅子はいわゆるゲーミングチェアのようだった。


 床は畳のようだけど、その上にラグが敷かれていて畳に直接傷がつかないようにしているようだ。あとはベッドがあるけど流石にこれは小学生から使っているようなものではなかった。


「それで音羽は平日の朝からこんなところで何をしていたの?」

「散歩かな?」

「なぜに疑問形」


 首を傾げて答えた私にツッコミを入れてくる。こういうやり取りがなんだか懐かしく感じる。


「ほら、冬って食べ過ぎちゃうじゃない? だからわかるでしょ」

「そういうことね。でも音羽って太っているように見えないけど、それどころか最後にあったときから全く変わってなくない?」

「誰が高校生じゃい」

「どちらかというと中学生に見えるけどね」


 巫香子の用意してくれたお茶を飲む。少し温くなっているけどちょうどいい温度ともいえる。


「それで巫香子はずっと実家ぐらしなの?」

「悪い?」

「別に悪くはないけど神社を継ぐのかなと思ってね」

「今のままだとそうなるかな。それで音羽は今何をしているの? こっちに引っ越してきているのよね?」

「今は失業保険をもらってのんびりしているわ」

「そうなのね。やっぱり家に関係しているの?」

「家は関係ないかな、関係ないよね?」


 病気で生死をさまよったのも、その後会社を首になったのも家はさすがに関係ないはず。あれ? 私が生き返ったのってもしかして家を継承したからだったりするのだろうか。


「どうかしらね」


 巫香子は苦笑している。


「もしかして私の家に関して何かしっていたり?」

「まあ多少はね。とはいえ不思議な家としか聞いていないけどね。あとは住んでいる人を不幸にするものではないってところかな」

「詳しくはわかってない感じ?」

「そうなるわね」


 神社になら何か伝わっていたりするのかと思ったけどそうでもないようだ。


「さてとそろそろ御暇しようかな」

「そう? 音羽はしばらく仕事をしないつもりなのよね?」

「そのつもりだけど、どうして?」

「それなら近い内に栞も呼んで遊びに行くのはどうかなと思ってね」

「栞もこっちにいるの? 確か大学は東京の方にいったはずよね」

「大学をでてしばらくは東京にいたみたいだけど、三年ほど前にこっちに戻ってきているわよ。それも彼氏を連れて戻ってきていて今年結婚するみたいよ」

「え、マジ?」

「マジよ」

「私結婚式に呼ばれてないんだけど」

「それはそうよ。結婚云々は少し前に聞いただけだし、いつやるかも式場もまだ決まってないみたいだからね」

「まだその段階なのね。わかったわ。遊びに行く日時が決まったら連絡して」


 帰るために立ち上がり、そういえばシルフィーナはどこへ行ったのかと部屋を見回すと、どうやらパソコン周りが気になるのかペタペタ触ったりしている。


「(シルフィーナ帰るよ)」


 巫香子に聞こえないように小声でシルフィーナに話しかけると、私の声に気がついたのかふよふよと飛んできて私の肩に座った。


「どうしたの?」


 先に部屋を出ていた巫香子が部屋を覗き込みながら声をかけてきた。


「いや、すごいパソコンだなと思ってね」

「あー、まあね」

「もしかしてすごく高かったりする?」

「そうでもない、と言いたいところだけど結構いい値段がしたかな」


 どうやら私が思っているよりもパソコンは高価なようだ。


「ちなみにパソコンで何をしているの?」

「えーっと、笑わない?」

「内容を聞かずに笑わないと言われても困るのだけど」

「それもそうね。音羽になら言ってもいいかな」


 巫香子は少し頬を赤らめながら恥ずかしそうにしている。


「無理していわなくてもいいけど」

「そこは聞きなさいよ」

「仕方ないわね。で、何をしているの?」

「……ber」

「ん? なんて? バー? お酒でも飲んでいるの?」

「何でそうなるのよ。VtuberよVtuber。まだ始めたばっかりだし、個人勢だから登録者は少ないけどね」

「ふーんVtuberをしているのね。え? 年齢的に大丈夫なの?」

「ふふん、Vtuberには年齢は関係ないのよ」

「そうなの?」

「そうなのよ」


 そういうものらしい。まあ巫香子の声は特徴的だし声から年がバレるというのはなさそうだ。


「良ければ今度Vtuberについて色々と教えてもらえない?」

「もしかして音羽もVtuberに興味がある感じ?」

「そうとも言えるし違うとも言えるし」


 実際のところVtuber自体には興味はないけど、シルフィーナがヨウツーブで配信をする時に身バレ対策の一つになるかもしれないと考えていた。もう少しで私の失業保険も終わるので、シルフィーナはそれに合わせて収益化申請をしようとしているのは聞いている。


 ベストタイミングというか、偶然にしては出来すぎているというか。やっぱりこれは、うちの家系に何かあるのかもしれない。

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