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未開異世界ソロキャンプ ~旅とキャンプとのんびりスローライフ~  作者: 三毛猫みゃー


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第39話 猫の手も借りたいとは言ったけど、本当に猫を連れて

「にゃにゃ。みなさまお久しぶりですにゃ」


 今私は異世界の拠点に来ている。そんな私の前には白黒の毛皮をした二足歩行の猫がいる。その猫とシルフィーナたちはどうも顔見知りのようだ。この大陸には人類種はいないと言っていたと聞いていたのだけど、ここにいるということは人類種ではないということだろうか?


「オトハさまはじめましてにゃ。にゃーはキャット・シーのミケミルド・シャーといいますにゃ。どうかミケとお呼びくださいませにゃ」


 キャット・シー。ケット・シーなら聞いた事はある。確か猫の妖精だったかな? つまりミケは人類種ではなく妖精なのだろう。


「はじめまして。もう知っているようだけど私は峰崎音羽よ。よろしくね」


 手を差し出しミケと握手をする。肉球がなんともぷにぷにしていて触り心地がいい。ミケの身長は百四十八センチある私の肩くらいに頭があるので百二十センチくらいだろうか。


「そろそろ放してほしいにゃ」

「あ。ごめん。あまりにも肉球の触り心地がよくて」

「それなら仕方ないにゃ」


 この猫はいい猫に違いない。


「それでミケさんはどうしてここに?」

「シルフィーナさまにお呼ばれしたにゃ」


 シルフィーナを見ると頷いている。


「人手がほしいってオトハはいっていたでしょ? だからミケちゃんを呼んだのよ」

「猫の手も借りたいと言った気はするけど、本当に猫を連れてくるとは」

「あとミケは商人よ。作りすぎて余った野菜なんかを買ってくれるよ」

「商売の話ならまかせてほしいにゃ。人出が必要なら連れてくるにゃ。売りたいものがあるのなら買い取るにゃ。欲しいものがあるなら用意するにゃ」

「人出も借りられるんだ……。でもどうやって?」

「仕事は収穫のお手伝いでいいにゃ?」

「そうね、こっちで植えたじゃがいもにさつまいもととうもろこしの収穫の手伝いをお願いしようかな。流石にあちらのはこちらの人を連れて行くわけにもいかないから自分で収穫するけど」


 どうも異世界で作った野菜は成長が早いようで、まだ一ヶ月しか経っていないのに収穫ができるくらいになっている。それも通常の倍くらいの大きさがある。


 というわけで、収穫をしないといけないのだけどついポロッと「猫の手も借りたい」と愚痴ったわけですよ。そしてそれを聞いていたシルフィーナがミケを連れてきたわけだ。


「収穫ならいい人材がいるにゃ。これくらいの広さなら一瞬で終わるにゃ」

「え、本当? そうならお願いしたいけど報酬はどうしたらいい? 私この世界のお金なんて持ってないし」

「それなら現物支給でいいにゃ。収穫したものの三割で手を打つにゃ」


 三割。まあどのみち全部は食べ切れないだろうし問題ないか。


「それならお願いしようかな」

「契約成立にゃ。明日には連れてくるにゃ」


 こういう場合は、何か用意したほうがいいのだろうか?


「何人くらい来るかわかる? あとお茶か何か用意したほうがいいかな?

「人数は百人くらいは呼ぶにゃ。お茶などはお構いなくにゃ」

「百って」


 流石に百人分のお茶を用意してほしいと言われても無理。ここはお言葉に甘えさせてもらって何も用意しないでおくことにする。


「他に何か入り用のものがあったりするにゃ?」

「お金もないし今のところはいいかな」


 今後もミケと取引をするならこの世界のお金があったら便利かな?


「ねえ、もし植え付けもお願いしたいと言ったら頼めるのかな?」

「大丈夫にゃ。収穫も植え付けも得意な者を連れてくるにゃ」

「その時はお金で支払ったほうがいいよね」

「その方がわかりやすいにゃ」


 そうなると何かを売るのはいいのだけど、下手に地球の物を売るというのはよろしく無いと思う。実際はどうかわからないけど、そもそもこの世界の文化レベルやどういう物が売り買いされているかわからない。


 もし売るとしたら、家で作っている野菜類がいいかもしれない。どうせ全部は食べ切れないからご近所に配るつもりでいた。それでも余るだろうからそれを買ってもらうのもいいかもしれない。とりあえず収穫が終わってから相談をしてみよう。


「話も終わったことだしお昼にしましょうか。ミケさんもよかったら食べていってね」

「いただきますにゃ」

「それじゃあ持ってくるから待っていてね。シルフィーナは、グランディーネとウィンティーヌを呼んできてね」

「わかったよ」


 今日は試しに収穫したじゃがいもとさつまいもを使った物を既に料理している。いや料理と言っていいのかわからないけど作ったのはじゃがバターとさつまいもをオーブンレンジで焼いたものだ。


 一度異世界渡りで家に戻って、まずは用意しておいたじゃがバターとさつまいもを持って異世界へ戻る。いつもキャンプメシを食べる時に使っている焚き火台に炭を入れて火を付ける。その上に網を乗せて冷えているじゃがバターを乗せて温める。じゃがバターを食べながら今度はさつまいもをアルミホイルに包んで焼いていく。


「これはおいしいにゃ。これは売れるにゃ。レシピを買い取るにゃ」

「レシピってじゃがいもを切ってバターを乗せて温めただけだよ」


 流石にじゃがバターの作り方でお金を取るなんて出来ない。その代わり少し色を付けて買い取ってもらうことにした。さつまいもも同様に美味しかったようでこちらも買い取ってもらうことになった。


 どうもこの世界ではじゃがいももさつまいもも人は食べていないらしい。まあ日本のじゃがいもやさつまいもは品種改良されているので、この世界原産のものよりおいしいのだろう。


 じゃがいももさつまいもも保存方法さえちゃんとできていれば長持ちするので、自分たちが食べる分を多めに確保して後は売ってしまってもいいだろう。資金ができたら次の植え付けの時に人出を借りるために使おうと思う。

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