罪の猛攻
「グゥォォォ……!!」
膨張した罪は醜悪的な身体をサタンへ向ける。
そして、六本の腕から黒い魔力の光球を生み出すと、幾つかに分裂して敵対者であるサタンに向けずに、上空へと向けて打ち出した。
「何をしている? 我はここにいるぞ? むッ!?」
サタンは罪の放った謎めいた攻撃に首を傾げた。
意味不明な攻撃。しかし、その意味をすぐに知ることになる。
打ち上げるように放たれた幾つかに分裂した黒い魔力の光球が雨のように降り落ちて来たのだ。
「ほう、そう来るか。しかし、この程度であれば結界を張るだけで事足りる」
降り落ちてくる黒い魔力の光球群をサタンは即座に闇の結界を念のために幾重にも張り巡らせて防ぐ。
用心に越したことは無いのだから。
だが、それが裏目に出てしまう。
雨のように降り落ちてきた黒い魔力の光球群は、膨張した罪の陽動。
サタンは黒い魔力の光球群を防いだ後、膨張した罪を見据え、失態を理解する。
「なッ!? 対応を誤ったかッ!」
膨張した罪は先ほどと同じように三対の腕に黒い魔力の光球を生み出していたが、竜狼のような口に、巨大で高密度の闇の吐息を収束し練り上げていたのだ。
しかも、防ぐ時間は僅かも無い。
そして、罪は嘲笑うかのように高密度の闇の吐息をサタンに向けて吐き出した。
「……グゥガァァァァ……!?」
サタンは吐き出された高密度の闇の吐息をまともに浴びてしまい、苦痛を上げながら地へと落とされる。
ーーその隙を罪は見逃さない。
罪はサタンの落下地点へと進み、上段の一対の腕をサタンの背に向け、冷酷に打ち込む。
「……ガハッ!」
サタンの身体は拳を受けた反動で、落下地点が僅かに逸れた。
しかし、中段の腕が落下中のサタンを掴み、竜爪を食い込ませる。
「……ガァァァァ!?」
そして、下段の腕がはたくかのように地面へと落とした。
罪の暴虐的な連撃にサタンの身体はボロボロだ。
それでもなお、サタンは罪を睨むように見据える。
創造偽神デミウルゴスが産み出してしまった罪を滅ぼすためにーー。