表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

【承】小さな揺らぎ

作者: 秋暁秋季

注意事項1

起承転結はありません。

短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。


注意事項2

創作部。の二人。

トラウマ、なのかも知れません。

「私も『起承転結』作りは苦手だからね。映画とか見ると良いよ。続編が出たとしても、途中で終わる事は無いわけだから。別に小説の短編でも良いのだけど」

と兄さんからアドバイスを受けて、私は昔好きだった小説を読んでいた。

この小説の端的にテーマを述べるならば、少女の成長物語。引っ込み思案だった子が魔女と入れ替わって、そこで接した人々と関わって少しだけ前を向く物語。オチが結構面白く、最後に大どんでん返しが待っている。ここまで書ければ本望だろう。

これを選んだ理由は、個人的に起承転結が明確だと思っているから。起、魔女と入れ替わる。承、周りの人々と触れ合う。小さな問題の解決。そこから育まれる淡い恋愛描写。転、想い人と決別。其れから和解。結、元の世界へ。

好きな小説である。起承転結もわかりやすい。一巻で綺麗に纏まっている。が、読む度に胸が苦しくなる。特に想い人との決別の場面。相手が言っている事が真理を突いていて、甘ったるい幻想から冷たい現実に引き戻され気持ちになるから。ぶっちゃけ、ここだけ読み飛ばしたい。此処が無ければ苦しい思いをしなくて済むから。

そこまで考えて、ある事に気が付く。……自分、転 を読むことが苦手なんだ。と。

物語に関わってくる起承転結。中でも最も山場になるのがこの『転』である。だからこそ、読者に最も衝撃を与える話でもある。嬉しい場面もある。悲しい場面もある。けれどもわたしはその急激な変化が恐らく受け付けないのだろう。

「兄さん……」

「なぁに?」

私はテレビを占領してアニメを見ている兄さんに話し掛けた。兄さんはテレビから目を逸らす事無く簡単に返事をする。

「私……転 が苦手で……。昔から急激な山場が苦手で……だから……緩やかな転になると思う」

すると兄さんはテレビから視線を離し、じっとこちらを見詰めて来た。其れから何かを考える様に視線を逸らすと、またテレビへと目を向けた。

「このミステリー、嫌い?」

促されるままにテレビを見ると、昔好きだった小説のアニメ映画が流れていた。このジャンルはミステリー。私が本を好きになる切っ掛けになった本だ。

「好き」

「個人的にはミステリーの山場って謎解きにあると思うんだよね。謎解き、嫌い?」

「好き」

寧ろ謎が解明されないまま放置されたらミステリーでは無いだろう。そんなのはミステリーとは言わない。

「あのね、転 って一口に言っても、要素要素で違うと思うんだよね。個人の意見だけど、ミステリーならば謎解きが一番嫌の山場で盛り上がるだろうし、恋愛ならば告白が盛り上がるだろうし。君、それさえも嫌い?」

「好き」

そう伝えると、兄さんはニヤッと笑った。

「君が負担にならないぐらいの山場から初めて見ると良いよ。小さな山場で良い。少しの揺らぎで良い。まずはそこから始める事さ」

ここに登場した小説、アニメ映画、モデルがあります。

勿論、著作権を考慮してかなりぼかしてます。


小説はオチが凄い。

何一つ明言されてませんが、全ての読者が分かるように出来てます。

ただ 転 が私の中でもう二度と読みたくないぐらい鬱で。

主人公に感情移入していると、心がボッキリいきます。

他の方は大丈夫だと思います。


そういう事が過去に何個があって、あんまり 転 らしい 転 を作るのが苦手なんです。


でもミステリーの山場、つまり 転 って謎解きにあると思うんですよ。

謎解きのないミステリーはミステリーと呼ばないと思ってるんですよ。

だからこの子らしい 転 が出来れば良いなと思います。


ちなみにこの小説の 転 は兄さんに質問するところ。

これぐらい緩やかで行こう。精神持たないよ……。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ