洞窟の中の戦い
感じる……中から師匠の聖力を感じる。
感じるということは死んではいない。本当によかった。
仙人の聖力を辿りながら洞窟を進むとそこには例の魔物と仙人が戦いを繰り広げていた。
仙人はメイド女が使っていた強化魔法と同じような仙術で体を強化し速さで翻弄し強烈な一撃を魔物に食らわしていた。魔物も負けずと抵抗し攻撃するが仙人を捉える事ができない。
仙人は更に強烈な一撃を食らわし見事魔物を倒した。
倒れた姿を見て仙人は安堵する。迷人もそれを見て岩陰から出ようとしたその時、倒れた魔物の口から大量の触手が勢いよく飛び出す。
咄嗟のことで強化仙術を使うのが遅れ逃げ損なった仙人は何本もの触手に捕われてしまう。
きゃあ……!
触手は仙人の体を締め付け、先端部分からはドロドロとした液体が吹き出し仙人の体を濡らす。
う……あう……!
口も抑えられ声が出せなくなり、様々なところを撫で回され声が出そうになっても無理やり抑えられ声が出せない状態だ。
仙人は強化仙術を使い振り払おうと必死にもがくがその抵抗も虚しく触手の数に押され更には聖力がどんどんと吸い取られてしまう。どうやらこの触手の好物は聖力のようだ。もがき苦しむ仙人の姿を、長い長い禁欲生活のせいで我を失い呆然と眺めていた迷人は賢者タイムに入りようやく我に帰る。
触手の元へ迷人は走ると、松明を掲げ触手を振り払おうと頑張る。すると光か火が苦手なのか触手は見る見る内に萎んでいき枯れ果ててしまった。
はあ……はあ……げほっげほっ……
師匠!しっかり!
迷人は仙人に駆け寄り介抱する。
待っててって書いたのに……
でもありがとう迷人……助かったわ……
迷人は仙人に肩を貸し洞窟を出て二人は家へと帰った。
迷人は聖力を大量に吸い取られた仙人の為、聖がつき自分にも精がつく料理を作り二人は食事をし仲良く就寝したのだった。