修行
日が昇り小鳥が囀る。澄んだ空気が風に乗り戸の隙間から入ってきて部屋中を満たす。昨日の出来事がまるで嘘のような清々しい朝。迷人は最高の目覚めを感じつつふと横を見る。すると同じ布団に仙人の少女が寝ている。最高の目覚めと最高の状況、永遠噛み締めていたい気持ちから二度寝する。
だが少し気まずくなり体を起こすと仙人少女に声をかける。
朝だよ〜。
んー……あれ、私寝ちゃってたのか。凄く気持ち良かった〜。
横を見たら師匠が寝てたからびっくりしたよ。
あわわ、ごめんね。あの、布団が一つしかなくて。つい……あ、朝ご飯の支度してくるね!
慌てた様子で仙人少女は台所へと早歩きで向かっていった。
天国か。
迷人は台所に料理の手伝いをしに行きつつ不安で眠れない夜が続いたけど昨晩は安心して眠れたと気を利かせた。
朝食を食べ早速修行が始まった。
まずはランニング。それに体操。体力と柔軟は大切だ。他に薪用の木を切ったり薪を割ったりそれらを迷人は楽しそうに取り組んだ。
そしていよいよ仙術の修行。迷いの森は危険なので別の森の中で座禅を組み自然に耳を傾ける。空気中には魔力や聖なる力(聖力)が漂っていて、その後者を体に取り込む事が第一段階だそうだ。
聖力は草木が多い場所により多く漂っていて洞窟や岩山、人工建造物の密集する場所ではあまり漂っていないらしい。
今日はここまで〜!中々センスあると思うよ!
ありがとうございました!師匠。
迷人と仙人少女は家へと帰り夕食を食べ、薪で火を起こし順番に風呂に入り同じ布団で就寝した。