平原の川
平原の中に流れの落ち着いた川が流れており、一つの魚の罠が設置されていた。しかし魚の罠には魚ではなく迷人が引っ掛かっていた。
そこに一人の少女がやってくる。お〜さか〜なお〜さか〜な入ってるとい〜な〜♪
ん……あれ?
少女は異変に気づくと一目散に迷人の元へと駆け寄った。
だ、大丈夫!?
返事はない。
よく見たら凄い重傷じゃん。一体どうしてこんな……まさか。
少女は迷人を川から引きづり出すと急いで家へと運んだ。
平家の小さな家の和室に敷かれた布団。そこで横になっていた迷人は目が覚め体を起こす。
あれ……ここは。
目が覚めた?ここは私の家。凄い重傷だったから運んできたんだけど一体何があったの?
迷人はこれまでの経緯を話した。
それは災難だったね。
命からがら逃げてきたら今度は人食いの魔物に襲われて激流に流される。君この世界に来る前相当な悪人だったんじゃないの(笑)
笑い事じゃないよ。本当に死ぬとこだった、いてて。
治癒術をかけたけどまだ完全には治ってないからあんまり動かないで!
この世界の治癒魔法や治癒術はそこまで万能ではないようだ。
ありがとう助けてくれて。僕は迷人。君は?
私は仙人!ある魔物を追ってここに来ているの。この家も貸して貰ってて実は自分の家じゃないんだ〜。
へえ、見た目11歳くらいにしか見えないのに凄いね。
仙人になると歳をとらなくなるの!仙人になってもう一年くらい経つから本当はもっと大人なんだから!
それでも12歳だけど……(小声)そうなんだ。そういえば追っている魔物ってどんなやつなの?
たぶん聞いてる限り迷人を襲った魔物がそうだと思うの。この付近にいるって情報を聞いてたけどまさか迷いの森の方まで行ってたとはね。
見つけてどうするの?まさかあんな化物を一人で倒すつもり?
私こう見えて結構強いんだよ?あれも相当だけど私にかかればいちころね!
不安しかない。でもこれはチャンスだ。
あの、お願いがあるんだけど。仕事の合間に僕の事を鍛えてくれないかな。どうしても助けたい人がいるんだ。
さっき言ってた魔法使いの子だね。うん、いいよ!
ありがとう。
明日の朝には体も治ってると思うから修行は明日の朝から始めるよ!
お願いします。師匠!
こうして迷人の仙術修行が始まったのだった。