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その1

すぐに終わるプロローグ






次元にはいくつも世界がありいくつもの争いがある。

その内の一つの世界。



いくつもあるから光の女神も覚えてない一つの世界にも人間と魔王が争っていた。


これは、人よりもちょっと(?)めんどくさがりやでだらだらしたい女の子のお話しです。



第一章


だらけるためには勇者であることを隠してもいいですか?






私の名前は、シアルカ。

生まれは平民のド平民。

しかし、そのことに贅沢は言わない。

だって。だらけられるおうちがあるのだから。

雨の日だってごろごろ出来るんだもん。

ベッドでぬくぬく出来るのが幸せなのだよ。




幼い頃からそうだった。みんなが外を駆け回る中。

私は夏は氷魔法の効いた部屋。冬は熱魔法の効いた部屋。素敵なごろごろライフを過ごしていた。







それは、16才になった今日も変わらない。

あだ名で寝太郎やら、眠り姫と皮肉られようとも気にもしない。

自分のことだからいくら言われようとも気にもしない。


シャンプーが切れたりしたらお店まで買いに行かないと行けないのが憂鬱だったりする。


生活魔法を使えばいいんだけど、今はそれすらもめんどくさい。





あ~あ。貴族だったらごろごろしながら、なにか困ったらメイド任せでいいのにな。





この世界は平和。昔は人同士で争っていたけど、今じゃ魔物の方が多くて冒険者ギルドなるものが出来た。


ぽかぽかの平原でみんなでごろごろすればいいと思うの。

そうすれば争いなんて起きないよ。








ある晴れた日。私は授業を聞き流しながら空を眺める。

あの雲に乗って居眠りしたら気楽だろうな~。

ナマケモノってだらだらしてて羨ましいな~とか。

授業は眠たくなる。寝ていいのか。それとも叱られるから我慢するか。


ともかく私は、眠たいのだ。お日様ぽかぽか。

陽の当たる草原とかでごろ寝したい。

早く休みの日にならないかな~とか考えながら考えているといつの間にか授業が終わっていた。




ここは、王都スタシルフェルトの王立学校。

普通の勉学を学ぶ場所ではなく魔王を倒すための戦士を育成する学校です。


魔王を倒すために命を懸けるために学ぶと言うことで、試験をパスすれば学費ただで学べる太っ腹な学校だ。


とはいえ魔王なんて勇者が倒して何百年も経ってるからこの学校の目的も疑問だけどね。



そして私と言えばいつも部屋でだらだら。たまに外へ出たかと思うと公園でぼ~っとしているので、変わった人と巷では有名だ。


それなりに人と話すのは好きではあるけどバレないようにしないと行けないことがあるから、余計に憂鬱でだらけたくなるのだ。






鐘が鳴り響き放課後のざわめきが広がる。

みんなこの後の部活。剣術部に行くもの。

魔法研究部に行くもの。様々だ。



「シアルカ、お疲れ~。相変わらずだるそうだね~」

のんびりと帰り支度をしていた私の元へセフティが来る。活発なセフティが来る!


「早くお家へ帰ってごろごろした~い」

「ははは、相変わらずだね。まあ、あなたらしいけどさ」

「セフティはギルド?」

「今日は休み。新しいスィーツのお店が出来たらか行かない~?」

「はは。ホントに好きだね~」

「まあね。食べることは人生の楽しみの一つです。行くよね?行こう!」

「はいはい。オッケー」

さて。起き上がりますか~。

美味しいご飯を食べて夜はだらだらすっぞ~。

そして、セフティと教室から出ようとすると、挨拶される。特に男子に。


何故なら、だらだらしてる私でも見た目美女で憎めないと思われてるらしく挨拶される。


しかし、男子の下心よりも家でごろごろしたいのだ。

ま、たまにそれが気に食わなくて睨みつけてくる人もいるけど相手にするのもめんどいのでスルー。するするっとね。




「それでさ~。ロフトのやつがまた振られたのよ」

「あ~、なんかかわいそうだね~」

パスタを食べ終わり今は、食後のケーキを堪能している。うまうま。


ちなみにロフトは戦士の男の子。振られるのが宿命みたいなスキルの持ち主なのだ。


セフティは、魔弓士。魔法も使え剣士としても強い。

魔弓士と言えば中途半端な魔法しか使えない印象だけど、弓士としての腕前がそれを補っている。


そして身分は貴族でなく平民。だからとてもウマが合うと言うか。

だらけてる私を馬鹿にしないので友達として仲良くやっていけてる。


「そうだ。週末ダンジョン行くんだがどうだ?

ロフトが憂さ晴らしに探索したいって言うんだけど」

「う~ん。どうしよ。それよりショッピングは~?」

「そうだね。それもいいこも!」

ショッピングと言う言葉に瞳をキラキラさせるセフティ。

賑やかな場所が好きなのがセフティなのだ。

ロフトも誘えばまたナンパとかするでしょ。

それにしても、この辺のダンジョンは行き慣れてるしな~。

うちの学校は月に一度はダンジョンに潜らないと成績に響く。

まあ、卒業後は騎士団や魔法師団に所属したり、冒険者になったりとほとんどが実戦のある職場なので、出来るだけ実戦を経験させたいのだろう。


そしていいとこは、身分に関係なく才能があれば入学出来るのだ~。


どうせなら、昼寝とかでいいのにね。

昼寝の職場とかだったらいいんだけどね~。


まあそれでも前世よりはマシだと思う。

ブラック起業で働かされてあっけなく事故で死んだ愚かな転生者。


いくつもの世界を管理する光の女神と言う綺麗な女性がこの世界に転生させてくれたのだよ。


「あなたにはどんなスキルでも願いでも叶えましょう」

優しく微笑んで言われれば、願わなくては失礼だと思いいくつか願った。


「恵まれた生活と、のんびりごろごろさせて下さい!」

もう働きたくない。いや、仕事するならのんびりしたいと。


「か、変わった人ですね。ですが、あなたの人生を考えれば同情の余地はあります。

あなたの願いを叶えましょう」

光の女神は優しく微笑んで。世界はフラッシュバックした。


そして次には平民の娘として誕生していたのだ。金持ちにしてくれよ~。

でも、そんなに偉くなくても屋根のある家でベッドでぬくぬく出来ればいいのです。





まあ、前世の記憶を思い出したのはある程度成長してからだったけど。


いやだいやだ。あの地獄のような忙しい日々。

あまりに忙しかったので、逃げた。逃げました。

辞めさせてもらえなかったので無断欠勤しました。








「お~い!聞いてるの?」

「おっと。昼寝の誘いだっけ?」

「ちげ~よ、小娘。ダンジョン……じゃなくて。ショッピングに行こうってことさ」

にやりとセフティは笑う。


「おし。それは行かねばな。でもだるい。おばちゃんの二の腕みたいにだるだるだよ~」

「なにそれ。でも。掘り出し物があるかもよ~」

セフティの声は誘惑の魔力があるのかしら。


「そうだね~。欲しいものもあるしね~」

寝心地の良い枕が欲しい。それを買うにはいいかもね。


「じゃ、決まりでいい?」

「は~い。バイトで費用貯めとかなきゃ~」

それでもだるいな~とか思いながら。

平民の私は贅沢出来ないからね。働かないとね。

それは前世の記憶からかもしれない。

日本人てまともに働きすぎなんだよね。


ま、そんなことよりこっちの世界は見えないものに縛られなくていいなと思う。



つづく

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