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最終譚 エピローグ

 この世にコロナウイルスが何年も蔓延した世界になることを誰が予想しただろうか。

 この世に未確認生物(モンスター)が溢れ、まるで異世界のようなファンタジーな世界に成り果てたことを誰が予想しただろうか。


 (おもんぱか)るそんな余裕などない。

 生に必死にしがみつき、生き、そのために知恵を働かす。元からあったグローバル化の風潮が後押しし、地球は人間の枠組みで一つになっていった。


 ただ、変わり果てた生活の中で不味い飯を食わされる人が多く出てしまっていた。助け合って生きようとも大切なのは自分の命。さらには助けられる人も限られており、全員を助けることなどできなかった。

 そんな彼らは社会の溢れ者となり非行へと走っていく。

 彼らの心の拠り所となる所は牙狼会と呼ばれる組織。その組織に身を寄せていった。溢れ者の集まる組織。しかし、統制されたそこでは悪事を働くことはできず、現れる悪は牙狼会によって潰される。悪の撓むろを率いる頭、宇垣リスタによって治安はある程度悪化しにくくなっていく傾向にあった。任侠の道である。


 それでもやはり治安もまた悪くなったのは確かである。

 毎日がモンスターに殺される不安に駆られ、治安の悪さから心を病んでしまう者も多くいる。

 多くの者が恐怖に押し潰されかけている。

 そんな彼らには心の拠り所があった。

 それはとある喫茶店。モンスターなど力で捩じ伏せる強者店員のいる喫茶店。そこにいると何故か安心できる。だからこそ、人々はそこに安寧を求めて足繁く通う。


 カランコロン。


 あなたがそこへと入ると、独特な空間が広がっていることに目を向けるだろう。日本とはまた違った文化が奏でられている。

「いらっしゃいませ」

 初来店者も常連客も誰でも歓迎。丁寧なおもてなしがあなた達を待つ。胸のプレートに「ARU」と書かれた定員が机へと案内する。マスターの黒の作った珈琲が店員の偉、椎奈、澪によって運ばれる。

 温かく迎え入れられ席へとつく。独特の雰囲気の中でいただくほろ苦くも絶妙に甘い『コーヒー』は絶品であり、その店のおすすめ品である。

 温かなアットホーム感と異国情緒感が不思議と砕けた心を優しく包み込んでいく。

 その店の名前は、異文化喫茶『HoLE』──

 変わり果てた日常で疲弊した心身を癒す喫茶店ホーレは本日も開店している。


「本日もご来店ありがとうございました──」


 この日もまた温かな音に見送られながら日常へと戻っていく。どんなに外が辛くても、ここはそんな外の世界とは違う唯一の憩いの場。温かな雰囲気で今日も明日も『HoLE』はいつでもあなたを待っている。




           完





ご愛読ありがとうございました。これにて──マスカルホーレ《MASK call HoLE》【ふとしたきっかけで異能力マスクを手にした一般人がマスク所持者の陰謀に巻き込まれ、異能バトルをしていくことになるバトル奇譚。】──は完結とさせて頂きます。私、成町響魔の次回作に期待して頂けますと嬉しい限りです。ありがとうございました。

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