四十七譚 最終決戦
悪魔は人間をも遥かに越える上位種。
それもそうだった。地球の内部にある異界には不思議な異能力の元になるオーラが存在している。そのオーラが一部流れてきただけで私達は強大な力で社会は揺らめいた。さらにオーラが増えれば簡単に地球は滅ぶだろう。
そんなオーラの塊みたいなところにいる悪魔はまさに人間よりも能力で優っているのは明白だ。小さなオーラをマスクに落とし込んでその異能を持ってして強大な力を手にしたと勘違いする者が億劫になる程の実力差。
日本なんて軽々と潰してしまえる存在。
今は日本を潰す手段を日本の中でまじまじと見ている。
もう死を受け入れる段階になりつつあった。
「全くしょうがないわよね。いいわ、私がやってやるわ」
悪魔は吸い込まれることはなく、ビビは悪魔の元へと吸い込まれ、瞬間的に悪魔の背後へとやってくる。すぐに彼女は抱き締め手を絡ませた。
「特別な存在みたいね。重心が特別すぎる。それよりも、いいわ、私と一緒に心中しましょう」
破滅させるエネルギー弾が彼女の方向へと方向転換し悪魔諸共エネルギー弾が飲み込んでいく。
「結局幸せなんかやってこなかった。けど、一生奴隷として死ぬよりも名誉ある死の方が断然いいけどね。こんな罪深いわたくしが死して英雄になるなんて甚だしいことだけど」
エネルギー弾が拡散し広がっていく。町を飲み込んでいく強烈な衝撃。瓦礫に当たれば瓦礫は消失し、地面に触れれば触れた地面ごと消失させる。結局、死を覚悟したが、そのエネルギー弾は私達を飲み込む前に止まり、そして冷たい風に吹かれて消えていった。
「ごねほてkやlふてちnけまjねひまてよれ5ひ」
エネルギー弾は悪魔によって相殺され消えた。その跡から現れた悪魔はもうチート=ヲ=カコウの面影はなくなっていた。十中八九その姿は人外だ。本物の悪魔と呼ぶに相応しい正体が現された。
言語すら話せなくなり、おぞましい鳴き声を放っている。
右側だけ耳があり、さらには右側に肉付きが集中している。
「今がチャンスだよ。もう悪魔は死にかけてる。追い討ちかけようよ」
その言葉を聞いて私はナイフを握った。
師から教えられし暗殺術。利き手側の敵の首を根こそぎ刈り取る。
愛溜もまた悪魔に向かっていく。
私は悪魔の左側から愛溜は右側から首を掻っ切った。
しかし、それで斃すことはできず悪魔の放った周囲に向かう衝撃波を受けて私達は吹き飛ばされてしまった。
追い討ちは終わらない。
リスタが喰らいに走り出す。
しかし、地面から張り出す棘に体を貫かれてしまった。
今度は水のベールで悪魔を包み込まれたが、息を必要とした悪魔には通用しず、さらには簡単にベールが壊された。悪魔はベールを張った相手をサーチし、黒い植物を動かして凛を襲った。
蔓が身体を強く締め付ける。凛はあちらこちらを蔓が絡み縛られ動けなくなった。
「『火魔・烈火斬撃』アンタは人を襲うモンスターだ。躊躇いなく殺させて貰う」
炎の斬撃が悪魔を切り裂いた。
すぐに悪魔は黒い斬撃をし返す。無数の斬撃が偉向かって放たれ、彼は炎を纏う金色の剣で応戦していく。しかし、捌ききれなかった斬撃が彼を襲った。
次々に負傷していくもの達。
マスクの力を持ってしても人間の命は何と軽いものなのか。
「gmsにejnsな6l2の5vg5gぬ3dうkgkj5eにt65nsj」
悪魔は暴走し始めていた。
悪魔の放ったドロドロの液体。その液体が私に向かって放たれた。
「これ、盾。これぐらい、私、できない」
金の盾が私を守った。ドロドロのそれは風により冷えて金属となった。
金色の鎖に繋がれた金色の鎌を四次元から取り出し、悪魔に投げ入れていたが簡単に木っ端微塵にされる。
悪魔は周りに向かって凄まじい一撃を繰り出そうとしている。
そこに槍が刺された。
完全ではない波動が放たれたが、時空のサークルより向こう側に出ることは無かった。それでもサークルの中にいた櫛渕は壮絶なダメージを受け、その場に転がった。死んではなさそうだが、もう立ち上がれはしなさそうだ。
「この俺様を棘で倒せんと思ったか。んなもん、喰ってやったぜ」
棘を喰い脱出したリスタはすぐさま悪魔を喰らいつく。
悪魔の左腕は喰われて消えた。
黒い食虫植物がリスタを喰らった。鋭い牙がリスタの肉を絶とうとする。
「『火魔・御神火』植物は俺の炎で消し去る」
黒い植物は消え失せた。地面に敷き渡るマグマが悪魔を襲うが、すぐに黒い水で消された。
悪魔は大量の黒い水を繰り出し操り、上空に幾つかの水の塊を作る。それらは槍の形をしていた。きっと槍と相違ないのだろう。無数の黒い槍の雨が降る。
しかし、それは真下に落ちるのではなく悪魔に向かって一直線な落ちていった。
悪魔はダメージが嵩張る。
凛が空気を読まずにピースサインをしていた。
リスタが諦め悪く噛みつきにいく、しかし悪魔の放つ衝撃波を諸に受けて吹き飛ばされその場に倒れ込んでしまった。
悪魔はさらに凛に向かっても衝撃波を放った。彼女は水の壁を作り出したが、水を貫通し攻撃は凛に直撃した。彼女はもともと強い訳ではなかったため、その場で戦闘離脱状態となってしまった。
ゼットが動き出す。金色の斧を持って接近していった。
しかし、悪魔は棘のついた氷の壁を作り出しゼットの接近を防いだどころか、ゼットに致命傷を与えた。
さらに、ゼットを囲うように現れる棘の壁。
それらが倒れ、ゼットは棘の壁の下敷きになった。赤い血がどばどばと流れていくのが透明な氷を越して見えていた。
「てそl)は0sね8ぬきlめにてkのゆkにlて」
悪魔の暴走はさらに過熱していった。
悪魔におぞましいオーラが集まっていった。