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マシックガールズ  作者: まーだ
第五章 アンチマギカ炎症
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幕間 運命の始まり

ミコトがまだ10歳だったころ。

両親とはそこまで良好な関係とは言えなかった。


ミコトが悪さをしたときはともかく、彼らは不満のはけ口としてミコトに幾度も暴行を加えていた。


そんなある日、ミコトは捨て犬を見つけた。

彼女はひどく弱っており、運命を感じたミコトはその犬をラッキーと名付け、家で飼うことにした。


両親はミコトが犬を飼うことに反対しなかった。

まるでミコトに関心がなかったのだ。


当然、エサなど買える余裕がなく、ミコトは自分の食事をラッキーに分け与えた。

するとラッキーは奇跡のように回復した。

対して、ミコトはだんだんと瘦せ細っていったが、ミコトは木にしていなかった。

ミコトの友達、唯一愛せるものはラッキーだけだったからだ。



ある日のことだ。

ミコトが部屋でラッキーと遊んでいたところ。

ミコトの父親がドアを蹴りあけた。


「ひっ……」


ミコトの父は非常に気が立っている。

母と喧嘩でもしたのだろう。

手には金属バットが握られている。


こんなとき、ミコトは自分自身が何をされるか、経験で知っていた。

父がミコトの髪を掴む。


「や、やだ……!」


その時だ。

ラッキーがミコトの父に嚙みついた。


「痛ッ、この犬ッ……!」


父がラッキーを振り払っている内に、ミコトは部屋の隅に逃げた。


「やりやがったな……!」


父がラッキーに向かって金属バットを振り下ろした。

それはラッキーの頭に命中した。


ラッキーは血を流し、ぴくりとも動かなくなった。


「ケッ……」


父は満足したのかミコトの部屋から出て行った。


「ラッキー……?」


ミコトは恐る恐るラッキーに近づく。


確認するまでもなかった。

ラッキーは死んでいた。


ミコトは何度も何度も彼女の名前を叫び続けた。

生き返ってくれと願った。

だけど彼女が再び動くことはなかった。


どうして、何の罪もない命が消えなければならないのか。


そのときからかもしれない。

ミコトが狂ってしまったのは。


ミコトは父親の部屋の引き出しに入っていた拳銃を取り出した。


深夜零時、ミコトはリビングの様子を確認した。

泥酔した父と母がいる。


ミコトは震えながら拳銃を構える。


「ミコト、何をして……」


父がミコトの存在に気づいた。


「わぁぁぁぁぁぁ!!!」


ミコトは引き金を引いた。

大きな音を立てて弾が発射された。

父は頭から血を流し倒れた。


至近距離の銃撃。小学生で初心者のミコトでも簡単に当てることが出来た。

引き金は非常に重たかったが、恐怖で力んだこともあり、難なく引けた。


「ミ、ミコト……!」


事態に気づいた母が驚いた様子でミコトを見つめた。

ミコトは慌てて母に銃口を向ける。


「や、やめて……ミコト……」


母は命乞いをしたが、ミコトには関係なかった。

ここで殺さないと、何をされるかわからない。

未知の恐怖がミコトを支配していた。


「うるさいっ……!」


ミコトはもう一度引き金を引いた。

先ほどと違い、距離があったが、運よく急所に命中し、母は倒れ絶命した。


「はぁ……はぁ……」


ミコトは息を切らしながら、ソファに座った。

そしてテレビのリモコンを取り、電源を入れた。


『強い願いを持った少女は魔法少女になれるんだ』


ミコトは暗闇で光るテレビをただずっと見ていた。

ミコトの目には華麗に戦う少女が写っていた。


「強い願い……」


血まみれの部屋など目に入らないぐらい、ミコトはその番組に夢中になった。



-----------------------


時は過ぎ、17歳になったころ。

ミコトは歩道橋でマジンによる災害を受け、魔法少女になった。


その願いは今と昔も変わらない。


「死にたくない。ただ平穏に生きたいだけ」


そのためには危険を排除しなければならなかった。


ミコトの活動はその日からだ、犯罪者やそれに加担する人間を徹底的に排除した。


美音と出会ってからもだ。

すごく疲れている時を除き、毎晩深夜に家を飛び出した。

人を殺し、帰宅する。


ミコトは魔法少女としての力を存分に利用した。


そしてついには、親友であった美音ですら殺した。

さすがに、苦戦を強いられ、何人もの命が犠牲になったが。


ミコトは美音の死体を前に泣き崩れた。


「後悔、しているの?」


と、()はミコトに聞いた。

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