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マシックガールズ  作者: まーだ
第四章 メルメティック・シンドローム
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第49話 ロロの秘策

☆登場人物☆


『ロロ』

主人公。白いボブヘアの少女。瞳の色は水色。

「希望がなくても前に進む」と決心し、本物の魔法少女として覚醒。

エリアCという地獄から生還し、出会いと別れを繰り返しながら成長。

魔法少女形態【色の魔法少女】

白と黒と金色を基調とした高級感のあるドレス。様々な色の宝石が散りばめられている。

帽子は虚空に繋がっているため、端から見たら頭が欠損しているようにも見える。

羽のような大きな黒いリボンを背負っている。

使用武器は「マジックパレット」

空間に自分の思い通りの絵を描くことが出来る。相手の視覚を妨害できるが攻撃力は皆無。



『レイス・アタラクシア』

天才研究員リンネの元助手。黒のポニーテールに黒い瞳。21歳の女性。

リンネの研究を引き継ぎ、「魔法少女病」の特効薬を開発している。

それなりに成果が出ている模様。「デミ化」手術の開発者であるが、「デミ」の闇については知らされていなかった。



『アビス』

レイスの助手、兼魔法少女。レイスと同じく黒髪に黒い瞳。

シロとクロが消えてから数日後、突然レイスの目の前に現れた。

本名はルシア・マキナ。魔法少女軍のメンバー。

リンネの実験台にされたクロエの復讐のため、自ら志願して研究室に潜り込んだが、

レイスに悪意が感じられなかったため、彼女の研究に協力するようになった。

魔法少女形態【空間の魔法少女】

黒いスーツのようなデザインの衣装。所々空間に溶け込んでおり、欠けているように見える。

虚空に身を潜め、疑似的な瞬間移動ができる。




---------------------------------


『衛堂ミコト』

黒のショートボブヘアで赤い瞳の女性。

魔法少女だったが、暴走する親友を止め魔法少女を引退する。

その後は、より多くの人を救うため貧困地エリアBに教会を作る。



『カイザー』

カウボーイハットをかぶった時代遅れの男。

目元は陰になっておりよく見えない。

ミコトの教会に住み着く浮浪者。

ミコトの教会をガールズバーに改装した変態。


『エフィ』

シスターの長を務める少女。身元不明。


『ガブリエラ』

ミコトの教会に迷い込んだ幼い少女。

金髪で透き通るような青い瞳をしている。



『ユイ』

奈落に住む少女。レンの妹。

黄色い髪に金色の瞳。姉とよく似ているが、髪は長くない。

「突然いなくなった姉を探す」という願いのもと、魔法少女として覚醒。

魔法少女形態【電気の魔法少女】

長めの黒タンクトップ一枚だけで非常に動きやすい衣装、所々青色に発光している。

電気を操る魔法を使うが、不器用なため姉のように電気で武器を生成することはできない。

そのため、ひたすらに出力を上げ火力にモノを言わせた攻撃を得意とする。


『アルカ・ディアナ』

赤のメッシュが入った黒髪の少女。

探偵の服を着ており、どこからどう見ても探偵。


---------------------



『天道リンネ』

赤色のショートヘアで赤い瞳。

世界的に有名な研究者であり、魔法少女になってしまう病気「魔法少女病」の研究をしていた。

シロに惨殺されたはずだが、なぜが生きている。


『メルメル』

リンネに仕えている魔法少女。

ピンク色のおさげに、黄色の瞳を持ち、黒い革ジャンを着ている。

他の魔法少女を寄せ付けない圧倒的な実力を持っている。



『天道カルマ』

リンネの父。諸悪の根源。

自殺を試みたリンネを臓器移植までして救った。



一台の軽トラックがとある場所に到着した。

トラックからは普段着のリンネと黒いマントを羽織ったメルメルが現れた。


メガロブラック大空洞。

エリアBに存在する大きな洞穴だ。


縦に深く空いた穴は底が見えず、見ただけでも引きずり込まれそうになる。

自然に発生したと言われているが、原因は不明。


調査は数年前に一回行ったきり、打ち切られている。

危険すぎるため、観光名所にもならず、人は寄り付かない。


「つまり、密会の場には最適ってこと。」


レイスは手に持っていたアタッシュケースを地面に置いた。


「なんだそれは。」


レイスはアタッシュケースを開けた。

中にはメモリカードがたった一つだけ入っていた。


「伝えた通りよ。これは政府の機密情報。アビィから聞いたの。」


レイスはメモリカードを手にして、それをリンネに向かって掲げた。


「ロロにかけた呪いを解くこと、それが交換条件よ!」


瞬間、レイスはささやかな風を感じた。

その直後、レイスの手にあったメモリカードは消失していた。


「だめだよ~ちゃんと隠しておかなきゃ盗られちゃうよ?もっと賢くなろうね、おねーちゃん?」


メルメルがメモリカードをひらひらさせながら見せびらかした。


にも関わらず、レイスは焦りを見せなかった。

怪しく思ったメルメルはメモリカードを分析した。


「これは、鍵か……」


「そう、それは機密情報が入った箱を開けるための鍵。箱はこのメガロブラック大空洞のどこかに隠した。メルメル、それを返しなさい。」


「チッ…」


メルメルは舌打ちしながらも、レイスにメモリカードを返した。


「ロロを治療するのが先よ、案内するわ。」


そう言い、レイスは歩き出した。


「行くぞ、メルメル。」


リンネはレイスに続いて歩き出し、メルメルもそれに続いた。


---------


三人がしばらく歩くと、一台のキャラバンカーが停まっているのが見えた。

そこにロロが眠っている。


「さあ、メルメル。ロロの呪いを解きなさい。」


レイスにそういわれた、メルメルはリンネの顔を見た。

リンネはメルメルの瞳を見ながら頷いた。


「わかった。」


メルメルはロロの方へ歩き出した。

そして、レイスとすれ違いざまにつぶやいた。


「でも、大した情報じゃなかったら皆殺し確定だから。」


スキップしながら通り過ぎたメルメルを横目にレイスはリンネに質問した。


「リンネ博士。あの子は一体何者なんですか。」


「メルメルは最強の魔法少女だ。私の野望を叶えるため協力してもらっている。」


リンネは意外にも素直に話した。


レイスは遠くからメルメルたちの様子を眺めた。


「まるで親子みたいですね。悪い意味で。」


「親子……か……」


レイスは皮肉で言ったつもりだったが、リンネは感傷に浸った。

しばらく空を見つめたあと、リンネはレイスに聞いた。


「他に聞きたいことは?」


「って言って、話さないのでしょう?」


「私のことよくわかってるじゃないか」


リンネは笑いながらレイスの背中を叩いた。


「別にいいですよ。必ず聞き出しますから……」


「?」


リンネはいつもと違う雰囲気のレイスに疑問を持った。


---------------------


メルメルはロロの元にたどり着くとすぐさま呪いの解除に取り掛かった。


ロロは苦しそうな表情をしているものの、目を瞑った状態で眠っていた。


「鎮痛剤でも使っているのかな、意味なんて無いのに……」


メルメルは治療の手を止めた。

それは解呪が終わったからではない。


「本当は起きてるでしょ?不意打ちしようとしたって無駄……」


メルメルはロロの耳元でそうささやく。

寝たふりが気づかれたロロは仕方なく目を開けた。


「はは……ばれてたか。」


「普通の人なら騙せたかもね。」


ロロはベッドから降り、立ち上がった。


メルメルはロロに聞いた。


「あれ?まだ半分しか呪い解いてないけど。」


ロロは体を伸ばし、呼吸を整えた。


「いや、もう十分だ。それよりも早くやらなければならないことがあるからね。」


「やらなければならないこと?」


ロロはレイスに手を振った。


レイスは真剣な眼差しでロロを見つめた。

そして手に持っていたメモリカードをロロに向かって投げた。


ロロはそれを受け取ると不敵にほほ笑んだ。


「準備は整った。」


空に向かって指を鳴らすと、空間にひびが入り、そして割れた。

ロロは魔法少女の衣装を身にまとっている。


「……!!しまっ」


メルメルは慌ててスマホを取り出した。

しかし時すでに遅し。

大きな爆発が起きた後、地面は崩落した。


「本物の大空洞はここ、あいつの魔法で隠していたのね、私たちが来る前に……!」


メルメルは冷静に敵の姿を確認した。


「だけど、自分が逃げる余裕はなかったみたいだね……」


共に落下するロロ。

その姿を見てメルメルは笑みを浮かべた。


交渉が決裂することを期待していたのだ。

そうすれば、リンネは自分に殺戮を命令してくれる。


「やっと、殺しあえるね……」


殺しこそがメルメルの本質。

彼女の存在する理由。


--------


地上に残された二人は大きく空いた穴を眺めた。

二人の魔法少女の姿はもう見えない。


「なるほど、最初から私とメルメルを分離させるのが狙いか。」


「うん。」


次の瞬間、虚空からアビスが現れた。


アビスがリンネの喉に剣を突き立てると、リンネはおとなしく両手を挙げた。


「あの魔法少女は囮、レイスもなかなか非道なことをするね。」


「私は、ロロを信じただけです」


「本当か?心のどこかで都合のいい駒だと思ってないか?」


「アビィ、連れて行って。」


アビスはリンネを虚空に誘導した。


「ロロ……」


レイスも後ろを振り向きながら、アビスの作り出した虚空に消えていった。


--------


場所はミコトの教会


「あなたたち何をやっているの……」


その光景を見たミコトは絶句した。

アビスとミコトは本堂の椅子にリンネを縛り上げていた。


「尋問?」


「いや、そうじゃないでしょ……その机の上の道具は……」


ミコトは動揺していた。

友人が見知らぬ女を連れ込み、椅子に縛り上げている。

そして、机の上には拷問用具が並べてある。


「んー?なになにー?」


そこへガブリエラがやってきた。

ミコトは慌ててガブリエラの目をふさいだ。


「と、とにかく大きな騒ぎは起こさないでね。」


ミコトとガブリエラは奥の部屋へと去っていった。


「今頃、ロロは死んでいるだろうな。」


「黙ってください……」


「おーけー、望み通り黙っておくよ。」


縛り上げた程度ではリンネは事のすべてを話そうとしない。

レイスは机の上からのこぎりを取り出した。


「うぅ……」


「拷問する方が怯えてどうするんだよ……」


次の瞬間、協会の扉が開いた。


「むむっ、事件の予感!」


アルカが元気よく飛び出してきた。


---------


2年前


(……)


リンネは真っ白な空間で目覚めた。


「ここは……」


リンネは自分の体を調べ始めた。

痛覚はある。服は着ていない。

自分が考えるままに行動できることを確認した。


「これが死後の世界?」


リンネは疑問に思った。

死後の世界を直接経験したわけではないが、違和感を感じていた。

まるで生きているみたいだ、と。


「私は確かに死んだはずだ。」


リンネは死んだ。

血の魔法少女シロに惨殺されたのだ。


リンネ自身も死ぬまでの苦痛を覚えていた。


「ああ、たしかにお前は死んだ。」


「……!!」


リンネは声のする方を振り返った。


「久しぶりだね。リンネ。」


ホログラムに映し出された白衣を身に纏った男の姿。

リンネはその人を忘れたことはなかった。


天道カルマ。

リンネの父だ。


「どうして、あなたが私の前に現れるのかしら。ここはやっぱり天国……いや地獄か。」


「ここは紛れもない現実だ。リンネ、落ち着いて聞いてほしい。」


「だったら、まず服を用意してくれる?」


リンネが文句を言うと、どこからともなくリンネが生前来ていた服が現れた。

リンネはそれを素早く着た。


「いいよ。全部話して。」


「まずは、そうだな。お前のことについて話そう……」


カルマが手をかざすとホログラム上にモニターが表示された。

モニターにはたくさんの培養層が映し出された。

その一つ一つの中にリンネの顔をした人物が眠っていた。


「なっ……!!」


「リンネ。お前はクローンだ。何度死んでも蘇る。」


あまりの気味の悪さにリンネは吐き気を覚えた。

カルマはモニターを消し、話をつづけた。


「私が研究者として成功していた頃、40年ぐらい前だったかな。幸せの日々を歩んでいたある日、私の妻と娘は殺された。犯人の名前はトワライト。奴はこの国のトップだ。手を出せる相手ではない。私は研究所に引きこもった。長年の研究と数多の犠牲の末、ついにクローン技術を確立した。」


「そこで、私を作り出した……と?」


「ああ、私は再び幸せを取り戻したかったんだ。」


リンネはカルマの言葉を鼻で笑った。

顔を手で押さえて、狂ったように大笑いした。

その後、リンネは壁を思い切り叩いた。白い壁はじわりと赤色に染まる。


そして、怒りの眼差しをカルマに向けた。


「随分と都合のいいことを言うのね。私を復讐の道具にしようとしたくせに……」


「……」


確信をつかれたのか、カルマはうつむいた。


「トワコハク。私のかつての親友だった。彼女が孤立したのも、私に毒薬を渡したのも、全部あなたの復讐のため。」


「その通りだ。あいつにも私と同じ苦しみを味わわせようとした。だが……!奴はすでに家族を捨てていた。無駄だったんだ全部。」


「関係ない!!あなたは自分の復讐のために、私の人生を狂わせたんだ……!!私は……シロと……親友でいられたのに……」


リンネはその場で跪いた。

声にならない叫びを上げた。


全ての声を出し切ったあと、リンネは冷静さを取り戻し立ち上がった。


「でも、こうなった以上仕方ないわね。」


「リンネ……。お前……。」


リンネは狂ってしまった。あるいは元から狂っていたのか。

カルマは何も言うことができなかった。


「ま、私が生まれてきたのはあなたのおかげでもあるし、付き合ってあげるわ。あなたの復讐劇に。」


なぜかリンネは楽しそうだった。


「お前は死んだことになっている。やつに対抗する手段はもう……」


「だったら、堕ちるところまで堕ちましょう。」


悪役。リンネはそれが得意だった。

先天的なものだとか、何度も経験しているからとかではない。

ただただ楽しいからだ。


「カルマ。クローン技術を私に教えて。」


「……わかった。」


カルマはホログラムから出現させた書類を実体化させ、リンネの前に置いた。


「じゃあ、始めましょうか。世界滅亡。」


リンネは書類を拾い上げた。



----------


アルカはリンネをじっと見つめていた。


「……」


「私の、過去を見たな?」


リンネはアルカに聞いた。


「うん、これが私の魔法だから。」


「いい魔法だ。大切にするといい。」


アルカはメモ帳を取り出し、リンネから得た情報を書き始めた。


「順調そうね。あとは……」


「ロロ……」


レイスは窓の外を眺めた。

そして、ロロが帰ってくるようひたすらに祈った。



----------


数十分前



大空洞に落下した二人の魔法少女が起き上がった。


ロロが銃から弾を放つと、まるでたいまつの炎がついたように真っ暗な背景が色付いた。


「私を二回も欺くなんて、やるじゃん。あなた、名前は?」


「ウツロ、ロロ」


「ロロね。わかった。」


メルメルはすぐさまスマホを取り出し、叫んだ。


「あなたの頭蓋骨でアサガオを育てましょう!名前はロロ、けってーい!」


しかし、何か起こるわけでもなく、あたりに静寂が走る。

ロロは冷静に次弾を装填した。


「あれ?」


メルメルは慌ててスマホを操作し始めた。


「一か八かの賭けだったが……」


「な、なにをしやがった……」


メルメルと二回戦って分かったこと。

それは戦いの最中、メルメルはスマホを操作していることだ。


なぜ命を賭けた戦いの最中にスマホを弄るのか。

余裕の表れ、相当なスマホ中毒者、どちらも違う。


メルメルはスマホを操作しないと魔法を使えない。

ロロはそう考えていた。


だとすれば、強力な魔法を使うメルメルを倒す方法は一つしかない。

メルメルのスマホを無力化することだ。


直接、奪うのは近づくリスクが高い。


ならば、電波が届かない場所に行けばいい。

電波など端から使っていない可能性もあるが、

携帯端末を使う以上、何かしら受信している可能性の方が高い。


「どうやら、私の予想は正しかったみたいだ。」


「それが、どうした?」


メルメルはスマホをポケットに戻した。


「ロロも私に対する有効打はないくせに余裕ぶりやがって……」


メルメルはロロに向かって走り出した。

ロロはメルメルに向かって発砲した。


銃弾はメルメルの体を貫通した。


「なに……」


メルメルの足が止まる。

メルメルの胸に突き刺さったのは間違いなく普通の銃弾だ。


「まさか……」


たとえ仮にロロが普通の銃弾を使用していたとしても、魔法少女の身体能力なら余裕で回避できるだろう。

しかし、反応すらできなかった。

ロロはすでに、メルメルに視覚妨害を仕掛けているということだ。


メルメルは冷静に辺りを見渡した。ロロは目の前に立っている。

まさか、ここまで自分が劣勢に立たされるとは思っていなかったのか、焦りを見せ始めた。


「……」


メルメルは何も言わずに、ロロの方へ歩き出した。


ロロは銃弾を二発、三発、放った。

全てメルメルに命中したが、メルメルは止まる気配はない。


そして、四発目。

メルメルの頭に向けて放たれた銃弾はメルメルの手によって弾かれ、空中へ飛んで行った。


「見えた。」


メルメルは隠れたロロの腕を捕まえた。


「そんな……!」


ロロはメルメルの顔を見た。

メルメルは瞳を閉じていた。


「音と、感覚だけで……!?」


ロロはもう片方の腕で、メルメルの顔面に殴り掛かった。

メルメルは冷静に回避し、ロロの胸部に肘打ちを入れた。


「が……ぁッ」


倒れたロロの顔に蹴りが突き刺さる。

ロロは数メートル吹き飛ばされた。


(エリス……)


ロロはエリスのことを思い出した。

本気で殴り合うことで分かり合えたかつての親友を。

もしかしたら、メルメルとも分かり合えるのではないかと感じた。


ロロは起き上がると同時に追撃を仕掛けようとしたメルメルの膝に一撃を入れた。


「……っ」


メルメルのバランスが崩れる。

ロロはそこへ猛攻を仕掛けた。


メルメルは捨て身で反撃に出た。

二人の拳が交差する。


もはや魔法少女同士とは思えない戦いだ。


数分の殴り合いの末、ロロは拳に違和感を覚えた。


ロロは一旦メルメルと距離を取った。

見間違いではない。


ロロの右腕はアイスクリームのように溶け出していた。


一瞬の油断の隙にメルメルはロロを押し倒し、馬乗りになった。


「メルメルト。対象を溶かす能力だけは、私自身に内蔵されていたようだ……」


「そんなっ……」


メルメルはロロの両手を抑えた。

次の瞬間、ロロの両腕はドロドロと溶け出し始めた。


「残念だったね、ロロ。神は私に味方した……!」


ロロは必至で抵抗したが、抵抗むなしくロロの体は溶け出した。


「みんな……ごめ……」


ロロはすべてを諦め、瞳を閉じようとした、その時。


突如、空中に巨大な岩が出現した。

その姿を確認したのは仰向け状態のロロだけ。

そもそも、ロロが描いた世界外からの干渉であるため、ロロ自身も気づけなかった。


その岩が空から降ってきていることに。


爆発の影響だろうか、メルメルに弾かれた銃弾の影響だろうか

考える暇はロロにはなかった。

それはすでにロロたちの真上だ。岩はメルメルの体を突き刺した。


「は……」


メルメルは何が起こったのか理解できなかった。


体を動かそうとしたが、巨大な岩はメルメルの首から下を完全につぶしていた。

まもなくメルメルの意識は途切れた。


--------------


一方のロロはメルメルトで溶けていたおかげで岩に挟まれずに済んだ。

数分で体を再生させ、メルメルの様子を見た。


メルメルは間違いなく死んでいる。

再生する様子も見えない。


だが、魔法少女は死んだら塵になる。

はたしてメルメルは本当に死んでいるのか。


不気味に思ったロロは急いでその場を去った。

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