第43話 思い描く未来
☆登場人物☆
『ロロ』
主人公。白いボブヘアの少女。瞳の色は水色。
殺し合いを娯楽としている趣味の悪い連中に捕まったため、施設からの脱出を試みる。
事故で左手を失ったが「半魔法少女化手術」によって再生。その後、両親によって売りに出される。
真実を知った後は、帰る場所が無くなり彷徨い歩いていたら、底辺『奈落』へたどり着く。
「希望がなくても前に進む」と決心し、本物の魔法少女として覚醒。
『ユイ』
奈落に住む少女。レンの妹。
黄色い髪に金色の瞳。姉とよく似ているが、髪は長くない。
「突然いなくなった姉を探す」という願いのもと、魔法少女として覚醒。
ジャッジメントとの戦いで負傷中。
魔法少女形態【電気の魔法少女】
長めの黒タンクトップ一枚だけで非常に動きやすい衣装、所々青色に発光している。
電気を操る魔法を使うが、不器用なため姉のように電気で武器を生成することはできない。
そのため、ひたすらに出力を上げ火力にモノを言わせた攻撃を得意とする。
『エリス』
赤いボサボサ髪の女性。体中に傷の後がある。
友好的なロロに対して優しく接するが、価値観の違いにより拒絶される。
クーデターから避難している途中で奈落から帰還したロロと再会する。
ロロと仲直りし、再び友達となるが、ドラグーンの攻撃を受け、重傷を負う。
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enemy
『ドラグーン』
翼の生えた魔法少女。赤いショートヘアーで黄色い瞳を持つ。
魔法少女形態【竜の魔法少女】
常に変身状態であるため、外見に変化はない。
竜のような爪、角、尻尾、翼が特徴的。
炎のブレスを吐いたり、上空から隕石を降らせたり、やりたい放題。
暫くの静寂。
ドラグーンは熱風で巻き上がった瓦礫の煙を吹き飛ばした。
ドラグーンは驚愕した。
そこにロロが立っていた。
手には虹色に輝く銃のような物を持っている。
「あ?なんでだ、確実に死んだだろ、今。」
ドラグーンはロロに聞いた。
「私にも分からない。だけど、あなたは確実に殺さなくてはならない。そう思ったら、死ねなくなったよ。」
ロロはそう言い、銃をドラグーンに向けた。
そして、トリガーを引く。
「しまっ……」
ドラグーンは後ろに飛び上がった。
ロロの銃の弾は発射され、ドラグーンに命中した。
しかし、ドラグーンは無傷だった。
「なんだ、子供だましの豆鉄砲か。」
ロロは銃に次弾を装填した。
「大した能力ではない……!」
ドラグーンはそう言うと、ロロが再び銃の引き金を引く前に高速でロロに突撃した。
弾が発射されると同時に、ロロは攻撃を受け吹き飛んだ。
ロロの銃弾はドラグーンには当たらず、列車の壁に当たった。
ロロはすぐに体制を立て直し、次弾を装填する。
「何度やっても同じことよ!」
ドラグーンは両手を前に構えた。
そして、特大の業火を放射した。
ロロは銃を構える。
「後、二発……」
「あ?」
「お前が死ぬまであと二発だ……!」
ロロはそう言うと、銃を自分に向けて撃ち放った。
ドラグーンは自分の目を疑った。
自らに銃弾を撃ちこんだ少女、ロロが目の前から姿を消したからだ。
「どういう、ことだ……」
ドラグーンは周りの様子を見渡す。
ロロだけではない。
他の乗員全てが消えていた。
ドラグーンは車内を隈なく探したが、誰一人として見つけられなかった。
「クソ……分けわかんねぇ……」
銃声。
ドラグーンは後ろを振り返る。
そこにロロが立っていた。
背景に一面の花畑を添えて。
ドラグーンは困惑した。
しかし、さきほどまでトンネルの中に居たではないか、という疑問は一瞬で消え去った。
「はは、今度は逃がさねぇ……!」
ようやく敵を見つけたという興奮。
それ以上の殺意がドラグーンの中にあった。
ドラグーンは大量の魔法陣を召喚した。
それはロロの周りに出現し、完全に包囲した。
「終焉の鎮魂歌……」
召喚された隕石はロロに向かって発射された。
そしてロロの身体を粉々に砕いた。
さらに、背景の花畑も空も、全てを砕いた。
「は?」
次の瞬間、ドラグーンは上から降ってきた瓦礫に押しつぶされた。
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「これが……私の能力……。」
ロロはトンネルの崩壊により押しつぶされるドラグーンを見送った。
列車は瓦礫を回避し、発進した。
ロロは自分の手に握った銃を見つめる。
ロロの銃に攻撃力は全くない。
それはドラグーンを撃った時に気が付いた。
しかし、その時に、ロロは自身の銃の能力にも気付いた。
それは、撃ち抜いた物の色を自由に変えるという能力。
ロロは初めに列車の壁、つまり背景を撃ち抜くことで、車両の場所の感覚をずらした。
そして、自分自身を撃ち抜くことで無色透明になり、ドラグーンを列車の外に誘導した。
最終段階、ロロは再び背景を撃ち抜き、トンネルの壁にだだっ広い花畑と自分自身の姿を描いた。
その結果、ドラグーンは自身の技で自滅したのだ。
ロロが花畑を選んだのは理由がある。
地上に出たら、解放された喜びを共有し、エリスと共に大きな花畑で遊びたかったからだ。
しかし、その願いは叶うことはないと知っていた。
それはロロがエリスのために送るせめてもの手向けであった。
暫くして、列車はトンネルを抜けた。
エリアAの広い草原。
列車はそこで停止した。
人々は解放された喜びに浸り、列車の外に飛び出した。
互いに抱き合い、語り合い、そして笑い合う。
ロロは列車の中で眠るエリスをもう一度抱き上げた。
「ついたよ、エリス。」
列車の中は暖かな日差しに包まれていた。




