第18話 とある研究室にて
☆登場人物☆
『天道リンネ』
赤色のショートヘアで赤い瞳。
世界的に有名な研究者であり、魔法少女になってしまう病気「魔法少女病」の研究をしている。
「魔法少女病」の特効薬を開発するため、被験体として送られてきた魔法少女に対して、あらゆる実験を行っている。
『レイス・アタラクシア』
リンネの助手。黒のポニーテールに黒い瞳。
リンネをことを信頼しているが、非人道的な研究態度に対しては懐疑的。
『シロ』
謎の少女。
「博士?それは……アルバム、ですか?」
助手は一人でアルバムを見つめていた博士に話しかけた。
それを読むのに集中していた博士は、助手が部屋に入っていたとは知らず驚いた。
「よし、魔法少女の研究を続けないと……」
博士はあわててアルバムを閉じ、研究室を出ようとした。
助手は博士の手を掴み、それを阻止した。
「待ってください、最近の博士は少し変です。何ていうか……、特効薬を開発するために焦っているというか……」
博士はその場で少し考え、そして言った。
「そうだな、レイス。君には話しておこう……。」
博士は自分の机に戻り、再びアルバムを広げた。
そのページには小学生ぐらいの子供達の集合写真が貼ってあった。
卒業写真のようにも見える。
「あら、かわいい。」
レイスは写真の中から、博士を見つけ出した。
様々な髪色の子供がいる中でも、博士の赤色の髪はよく目立っていた。
「私がかわいいことは置いておけ、重要なのは……」
博士は一人の少女を指さした。
「……?」
レイスは困惑した。
一見、どこにでもいそうな黒髪の少女は、博士の隣で笑っていた。
仲が良いのだろうか、とレイスは思ったが、隣に目を向けると博士は浮かない顔をしていた。
少なくとも、楽しい思い出を語る雰囲気ではなかったのだ。
博士はそんなレイスの様子を見て言った。
「まずは、私がどういう人物だったかを話そう……」
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同時刻
街から遠く離れた林の中。
誰もいないはずの廃墟に物音が響く。
とある一室。
汚らしいベッドにボロボロの机と椅子。
床や壁はコンクリートが剥きだしており、天井は崩れかけ、上の階が見えていた。
窓枠だけの四角い隙間から月明かりが差し込んだ。
そこに一人の少女が立っていた。
少女の名前はシロ。
その名前の通り、彼女の肌や髪、目の色は全て異常なほどに、真っ白であった。
羽織っている黒いコートがそれをより際立たせた。
シロは壁に打ち付けてある写真だけを凝視していた。
その写真には仲がよさそうな男女5人が楽しそうに笑っていた。
シロはペンを取りだし、一番左にいる男の顔にバツ印を付けた。
そして、不気味に笑うと、部屋の窓ガラスから飛び出して行った。
少女の姿は闇の中に消えていった。




